1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「もっと遊ぶ~!」かんしゃくを起こす子ども。順番を待つなど我慢の心はどう教える?【保育士が解説】

「もっと遊ぶ~!」かんしゃくを起こす子ども。順番を待つなど我慢の心はどう教える?【保育士が解説】

  • 2022.12.31

保育士の中田馨さんが、赤ちゃんの我慢できる心を育てる基本についてお話ししてくれました。生活リズムを整えること、たっぷり甘えさせて要求に応えてあげることなどをマンガでわかりやすく解説します!


こんにちは。保育士の中田馨です。人は生活をするなかで我慢をする場面に出合います。これは、赤ちゃんのときからずっとです。「我慢できる心」を育てるには、親との関わりが基本になります。今回は、赤ちゃんのときからできる「我慢できる心」を育てる基本についてお話しします。

生活リズムを整える

まず、心を育てるには生活リズムを整えることが基本です。生後3~4カ月ごろになると、昼と夜の区別がつき始めるので、徐々に生活リズムが整い始めます。とはいえ、赤ちゃんが自分から生活リズムを整えることはできません。親が主導しながら生活リズムをつくっていきます。


一番簡単なのは、朝、カーテンを開けて陽の光を入れ、決まった時間に起こすこと。そして、毎日同じ時間に寝ることです。起きる・寝る時間が一定になると、生活リズムがおのずと整ってきます。

昼間は十分に遊ばせます。生活リズムを整えることで、感情をコントロールする脳神経が発達し、情緒も安定します。

たっぷり甘えさせて要求を満たすこと

赤ちゃんのときにママやパパに十分に甘えた経験のある子は、情緒が安定して我慢ができると言われています。実際に保育所でも、家で十分に甘えることができている子は、落ち着いていることが多いです。遊びへの集中力があり、自分が「甘えたい場面」がよくわかっています。逆に甘えられない子は、どう甘えればいいかわからず友だちにちょっかいを出したり、遊びに集中できなかったりします。保育士にもどう甘えればいいのかわからないといった様子が見られます。

「甘えさせる」って、具体的に何をすればいいの?と思いますよね。簡単なのは、赤ちゃんの「抱っこして!」という欲求に応えることです。抱っこされたいときに抱っこされ、自分の気持ちが満たされる経験が積み重なることが大切です。抱っこされると、ママやパパと肌が触れ合い安心感も与えられます。

遊びのなかでの我慢を覚える

1歳過ぎると友だちとの関わりのなかで、おもちゃの「かして」「どうぞ」が始まりますが、そのときも友だちの遊びが終わるまで、待つという「我慢」をします。このとき、我慢ができない子は、かんしゃくを起こしたり、友だちに衝動的な行動をしてしまうことがあります。

ちょっとしたことでかんしゃくを起こさないためにも、赤ちゃんのときから遊びのなかで、我慢することを経験していきます。同年代の子どもと関わることだけが、遊びの我慢ではありません。遊びの途中でも、時間になったら「片付けてごはん食べようね」という、やりたいことをやめるのも我慢の場面です。

大人が見本になること

赤ちゃんの見本はパパとママ。パパとママが乱暴な言葉を使ったり、夫婦喧嘩を目の前で見せると影響することがあります。赤ちゃんは大人が思うよりも大人の言動を見ていますよ。「あ、このときはこう言えばいいんだ」ということはすぐに取り入れます。

私自身も驚いたことがあります。「今、娘が言った言葉、私が怒ったときに言う言葉だ!」って。本当にドキッとしますよね。だからこそ、意識的に赤ちゃんの前では、乱暴な言葉を使わないようにしましょう。言葉だけではありません。物に当たったりすることも一緒です。とはいえ、夫婦喧嘩はしてしまうこともあると思います。もし喧嘩になりそうになったら、赤ちゃんのいないところで。赤ちゃんの前では、仲良しのパパとママをたくさん見せましょう。

我慢する心を育てるには、毎日毎日の積み重ねが大切。スキンシップを心がけて「私は愛されている」という気持ちで赤ちゃんの心を満たしてあげましょう。

作画/山口がたこ


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる