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時計ブランドを選ぶ意義。

  • 2022.12.31
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長い年月を共にするなら、名門時計ブランドによるタイムピースが最も賢い選択。カラー文字盤などの華やかなトレンドもあって、女性が着けて魅力的なデザインと日常使いの機能に着目した、永久定番にふさわしい12本を紹介。

Patek Philippe

完璧な黄金比が生む永遠の機能美。

パテック フィリップ カラトラバ Ref.7200

1839年に創業した、スイス屈指の名門と呼ばれるパテック フィリップ。母体となるパテック・チャペック社を設立したアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと時計師ジャン・アドリアン・フィリップとの出会いからブランドは始まり、パテック フィリップは複雑機構の名手として、“ 世界最高峰” と称される時計を数々手がけてきた。そんな同社の中でも、愛好家垂涎の品として名を馳せてきたのが、「カラトラバ」だ。バウハウスの理念を受け継ぎ、機能美を追求した、実に端正なデザインを魅力とする。顧客には英国女王や各国の伯爵夫人を抱え、女性用時計にも精通してきた見事な職人技が、伝統の機能美に芸術的な輝きを添える。

ペア型針やブレゲ数字のインデックスを配した古典的な意匠。シンプルなデザインとローズゴールドの柔らかな色彩が美しい。(RG×アリゲーターストラップ、φ34.6mm、自動巻き)¥4,136,000/パテック フィリップジャパン・インフォメーションセンター

IWC

女性の心に訴えかけるロマンティシズム。

アイ・ダブリュー・シー ポートフィノ・オートマティックデイ&ナイト34

スイスのシャフハウゼンを拠点とするアイ・ダブリュー・シー。1868年の創業以来、クロノグラフやパーペチュアルカレンダー搭載のコンプリケーションを製作してきた。この「ポートフィノ」は1980年代に人気が高まっていた、ラウンド型のクラシカルなゴールドウォッチにインスピレーションを得た時計だ。イタリアのリグーリア海岸に面するリゾート、ポルトフィーノ(Portofino)をその名の由来とするように、ブランドの中でも最もエレガントなコレクションとして受け継がれてきた。84年にムーンフェイズ搭載のモデルが初めて登場したが、その後も星や月が輝くデイ&ナイト表示の時計が登場するなど、女性の心に訴えかけるロマンティックな趣向が凝らされている。

2021年に発表された、昼夜を知らせるデイ&ナイト機能搭載の直径34mmモデル。より多くの光を反射するようにセッティングが改良されたダイヤモンドが、洗練の輝きをたゆたえる。(SS×ダイヤモンド×カーフスキンストラップ、φ34mm、自動巻き)¥1,435,500/アイ・ダブリュー・シー

Rolex

偉大な発明から誕生した洗練の実用腕時計。

ロレックス デイトジャスト 31

ロレックスの歴史における重要なマイルストーンとして伝えられるのが、1926年に世界初の防水腕時計として登場した「オイスター」。英国人女性メルセデス・グライツが着用し、イギリス海峡の横断渡泳に成功した偉業は時計の冒険的なスピリットを象徴するエピソードとしていまも語り継がれている。“二枚貝”の意味を持つ防水ケースのオイスターを礎に、31年には初の自動巻き腕時計「オイスター パーペチュアル」が誕生。45年にはこれらの発明を集約し、新たにデイト機能を搭載した「デイトジャスト」が登場することとなる。デイトジャストはいまなお進化を止めず、ロレックスが世界に誇る実用腕時計として君臨し続けている。

文字盤装飾においても優れた職人技を反映した「デイトジャスト」。サンレイとマット、グレインの異なる3種の仕上げにより浮かび上がるフローラルモチーフが、艶やかさを見せる。(YG×ダイヤモンド、φ31mm、自動巻き)¥4,925,800/日本ロレックス

Vacheron Constantin

ジュネーブの名門が生んだ究極のミニマリズム。

ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー・オートマティック

スイスの名門の中でも、260年以上の歴史を持つ老舗ブランドがヴァシュロン・コンスタンタンである。17世紀以降、宗教戦争で迫害されたユグノーたちによってスイスへと時計技術が持ち込まれ、ジュネーブは時計産業のメッカとして成長するが、創業者ジャン=マルク・ヴァシュロンもまた、“キャビノティエ”と呼ばれる優れた時計職人であった。そんな伝統的なジュネーブスタイルを受け継ぐメゾンの代表作が「パトリモニー」だ。ジュネーブ州の品質規格であるジュネーブ・シール獲得の高品質に加えて、1957年のアーカイブから受け継ぐクラシカルなラウンド型、薄型のスリムなフォルムやシンプルな時分針のレイアウトといったミニマリズムを継承する。

2022年のテーマは美の構造。緩やかなドーム形状にグラデーションを描くブラッシュピンクの文字盤が、実に上品なハーモニーを奏でる。(PG×ダイヤモンド×アリゲーターストラップ、φ36.5mm、自動巻き)¥5,016,000/ヴァシュロン・コンスタンタン

Franck Muller

ブランドの象徴となった斬新なイマジネーション。

フランク ミュラー トノウ カーベックス レリーフ

稀代の天才時計師と謳われる創業者フランク・ミュラーは、深い知識と卓越の技が要されるアンティークウォッチの修復家としても活躍した人物だ。その一方で、フランク ミュラーのシンボルとされてきたのがカラフルな色彩や、踊るようなビザン数字などの斬新なデザイン。1992年誕生の「トノウ カーベックス」もまた、時計製作における従来の概念を打ち崩した偉業として伝えられる時計だ。球体の一部を刳り取ったかのような、平面のない、見事な曲線が魅力。フランク ミュラーの真骨頂である複雑機構やジュエリーモデルなどのさまざまなバリエーションを生み出してきた基幹コレクションは、いまもなお新たなクリエイションの源として愛され続けている。

裏から型押しする立体的なレリーフインデックスが特徴的。何層も塗り重ねることで深い艶めきを見せるエナメル使いに、卓越した職人技が宿る。(PG×クロコダイルストラップ、35×25mm、クオーツ)¥1,650,000/フランク ミュラー ウォッチランド東京

Panerai

SDGsを見据えた次世代のタイムピース。

パネライ ルミノール ドゥエ ルナ ゴールドテック™

パネライの物語はイタリア海軍の歴史とともに綴られる。ブランドの母体は1860年にジョバンニ・パネライがイタリアのフィレンツェに創業した時計店だが、同社は販売の一方で、水中用の精密機器を納品し、独自開発も行っていた。1916年には海軍に納入するために、ラジウム粉末を用いた強力な夜光塗料ラジオミールを開発。その後、非放射性物質の蛍光塗料ルミノールを発案し、それぞれの名称は同社を象徴するふたつのコレクションに名付けられている。そんな開発の歴史とともに歩んできたパネライは現在、再生素材の開発やリサイクル素材の時計を生み出し、ラグジュアリー界の未来を見据えたSDGsの第一人者としても活躍している。

マザーオブパール文字盤を配した「ルミノール」にムーンフェイズを搭載。退色しにくく、赤みの美しい独自合金のゴールドテック™を用いた。(ゴールドテック™×MOP×アリゲーターストラップ、φ38mm、自動巻き)¥2,625,700/オフィチーネ パネライ

Longines

過去から未来へと受け継がれるエレガンス。

ロンジン ドルチェヴィータ

1927年に大西洋無着陸横断飛行を行ったチャールズ・リンドバーグのためのパイロットウォッチなど、ロンジンは1832年の創業以来、世界中の冒険家たちを支えてきた。その一方で自身のクリエイションテーマとして掲げてきたのが、“エレガンス”の精神である。その表れとなるタイムピースが、この「ドルチェヴィータ」だ。1925年のアーカイブに着想を得たアールデコを彷彿させるレクタンギュラー型に、ローマンインデックスやレイルウェイトラックなどのクラシカルな意匠が取り入れられた。97年に主要コレクションのひとつとなり、時計はさらに進化。装いを変えることのできるチェンジャブルストラップなどの新たな仕様にも注目だ。

工具を使わずに簡単にレザーとブレスレットのストラップを交換できる仕様に加えて、ステンレススティール素材もデイリーに使いやすいモデル。(SS×ダイヤモンド×アリゲーターストラップ、32×20.8mm、クオーツ)¥444,400/ロンジン

Tudor

ヴィンテージの趣を宿すジェンダーレスウォッチ。

チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト

ロレックスの技術と信頼をもって、確固たる品質と先駆性を備えた腕時計を創りたいという、創業者ハンス・ウイルスドルフの志から誕生したチューダー。その想いから“Born To Dare(挑戦者の精神)”という哲学を掲げてきたチューダーの代表作が「ブラックベイ」コレクションだ。この「ブラックベイ フィフティ-エイト」は、自社製ムーブメントを搭載した初のダイバーズウォッチ。1958年のアーカイブを継承した、クラシカルなデザインを魅力とする。フランスの老舗飾り紐工房であるジュリアン・フォール製の上質なジャカード織りのファブリックストラップを組み合わせたヴィンテージテイストも、チューダーならではのデザイン。

コレクターから“スノーフレーク”と呼ばれる針もチューダーのシンボル。ブラックに添えたゴールドカラーのミニッツマーカーもアクセントに。200mの防水性を誇る。(SS×ファブリックストラップ、φ39mm、自動巻き)¥422,400/日本ロレックス/チューダー

Breitling

時代を超え、現代に息づくモダンレトロ。

ブライトリング ナビタイマー B01 クロノグラフ 41

1952年にウィリー・ブライトリングが、パイロットが航法計算に使用するための回転計算尺付きクロノグラフを発案。後に国際オーナーパイロット協会(AOPA)の公式タイムピースとして採用され、以降航空時計の代名詞とも呼ばれる“ナビタイマー”として愛されてきた。パイロットが信頼を寄せる機能性もさることながら、そのタイムレスなデザインがマイルス・デイヴィスやセルジュ・ゲンズブールなどのセレブリティをも魅了してきたのである。今作は、回転計算尺や3つのクロノグラフカウンターなどの伝統的なコードを踏襲しつつ、よりコンパクトなデザインに。誕生当時に寄せた翼のロゴやドーム型の風防がモダンレトロの薫りをふりまく。

リニューアルに伴い、このモデルのほかブルーやミントグリーンなどの豊富なカラーバリエーションが揃った。ブライトリング マニュファクチュール キャリバー01 搭載。(SS×アリゲーターストラップ、φ41mm、自動巻き)¥1,050,500/ブライトリング・ジャパン

Omega

眩いゴールドに込められた卓越のメカニズム。

オメガ デ・ヴィル プレステージ

月面着陸などの歴史的な偉業に携わってきたオメガは、1932年以来オリンピックでオフィシャルタイムキーパーを務め、計時の歴史にも貢献してきた。そんな挑戦と革新の姿勢を貫いてきたオメガの開発力は、レディスウォッチにおいても健在だ。オメガの中でも優雅なドレスウォッチとなるこのコレクションに搭載されているのは、15000ガウスの磁場に耐えうる耐磁性と、高精度を叶えたマスター クロノメーター認定のムーブメント。オメガはかねて新素材の開発にも挑んできたが、独自合金となるセドナ™ゴールドは退色しにくく、鮮やかな色彩を魅力とする。目を奪う美しさの中に、卓越の機能を追い求めてきたオメガの伝統が宿る。

パープルバーガンディ文字盤とゴールドの調和が見事。文字盤に施された放射状のサンブラッシュ仕上げが、繊細で上品な輝きを放つ。(セドナ™ゴールド×ダイヤモンド、φ34mm、自動巻き)¥4,543,000/オメガお客様センター

Grand Seiko

60年たった現在も色褪せない不朽の名作。

グランドセイコー 初代グランドセイコー デザイン 復刻モデルSBGW258

“正確で、見やすく、美しい”という腕時計の本質を追求してきた「グランドセイコー」。2021年はジュネーブウォッチグランプリでメンズウォッチ部門賞を受賞し、世界的な名声を得たニュースも記憶に新しい。写真は、そんなグランドセイコーの長年の歩みを振り返るような、1960年に誕生した初代モデルの復刻版だ。イエローゴールドをベースに、ダイヤカットを施した太い時分針、溝形状のバーインデックスなどの古典的な意匠が最先端の技術とともに蘇った。一方でブランドロゴは新たに凸型になり、装着感を高めるなどのモダナイズも完璧。誕生から60年以上を過ぎても色褪せないデザインは、まさに未来へと受け継ぐべき時計と呼ぶにふさわしい。

ヴィンテージの趣をたたえながらも、オリジナルの初代モデルよりわずかに大きいサイズがマニッシュな手元を叶える。裏面からはムーブメントを覗くことも可能。(YG×クロコダイルストラップ、φ38mm、手巻き)¥3,080,000/セイコーウオッチお客様相談室

TAG Heuer

トレンドカラーを纏った伝統のダイバーズモデル。

タグ・ホイヤー タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 300

F1グランプリにおける公式タイムキーパーの歴史とともに、タグ・ホイヤーはモータースポーツと縁の深いブランドとして名を馳せてきた。同様にさまざまな分野のスポーツウォッチを手がけてきたことでも知られているが、高い防水性を誇るダイバーズウォッチのラインナップが「タグ・ホイヤー アクアレーサー」だ。300m防水となる新作では既存のデザインコードを守りながら、従来のアルミニウムからセラミックに変更した逆回転防止ベゼルなど、ダイビングのための機能性が高められた。かつ、目覚ましいのが鮮やかなグリーンカラー。視認性の高い八角形のインデックスにはダイヤモンドがあしらわれ、王道のダイバーズモデルがよりレディライクにアップデートされた。

プロフェッショナル仕様ながらも、シティユースにも最適なデザイン。36㎜サイズが女性の腕にも程よくフィットする。(SS×ダイヤモンド×ラバーストラップ、φ36mm、自動巻き)¥396,000/LVMHウォッチ・ジュエリージャパン タグ・ホイヤー

●問い合わせ先:パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンターtel: 03-3255-8109IWC0120-05-1868(フリーダイヤル)日本ロレックスtel: 03-3216-5671ヴァシュロン・コンスタンタン0120-63-1755(フリーダイヤル)フランク ミュラー ウォッチランド東京tel: 03-3549-1949オフィチーネ パネライ0120-18-7110(フリーダイヤル)ロンジンtel: 03-6254-7351日本ロレックス/チューダーtel: 03-3216-5671ブライトリング・ジャパンtel: 03-3436-0011オメガお客様センターtel: 03-5952-4400セイコーウオッチ お客様相談室0120-061-012(フリーダイヤル)LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤーtel: 03-5635-7054

*「フィガロジャポン」2023年1月号より抜粋

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