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冬の知床で楽しみたい7つのこと。「歩く・見る・食べる・泊まる」世界遺産の魅力

  • 2022.12.30

こんにちは。季節の中でいちばん冬が好きなトラベルライターの土庄です。

気温が低く、外出するのが億劫という方もいらっしゃると思いますが、ひとたび足を踏み出せば、白銀の世界を楽しむとっておきの旅行体験が味わえます。

そこで今回は、冬におすすめの旅行先として「知床」をご紹介。流氷ウォークはもちろんですが、冬の知床の7つの楽しみ方をご紹介したいと思います。

知床の母なる「流氷」

海から山まで一続きで手付かずの自然が根付いており、豊かな生態系を育んでいる、知床。しかし、じつはその生態系の原点と言えるのが、知床の冬の風物詩である「流氷」だということは意外と知られていません。

流氷ができると表層の海水が冷やされて、海水の上下の循環が促進されます。その結果、海の下層にたまっていた栄養塩類が海面まで浮上します。

この栄養塩類によってもたらされる植物プランクトンの爆発的な増殖が、海-川-森へとつながっていく食物連鎖の出発点となるのです。

冬の知床で楽しみたい7つのこと

雄大な自然の生みの親である流氷。オホーツク海でしか見られない冬の風物詩として、知床観光の目玉ですが、いろいろな楽しみ方があります。

今回は定番からややマイナー!?なものまで、冬の知床の楽しみ方を7つ厳選してみたいと思います。極寒の冬だからこそ、身体の芯まで温まれるグルメもおすすめです。

流氷ウォークに挑戦する

まず必ず行いたいのが「流氷ウォーク」。知床西海岸に接岸した流氷の上を歩いて渡るアクティビティです。

1月下旬から3月中旬ごろまで、地元各社によるツアーが催行されているので、誰でも手軽に楽しむことができます。

知床の母なる流氷を、ダイレクトに感じる時間は唯一無二。我も忘れてはしゃいでしまうほど、アドベンチャーな体験です。

ドライスーツを着て臨むので、寒さや浸水の心配なし。ぜひ防水カメラやハウジングをつけたGoProを持参して挑戦してみてくださいね。

男の涙・象の鼻までスノートレッキング

冬の知床のアクティビティは、流氷ウォークだけではありません。スノーシューを履けば、雪で閉ざされる森にも入ることができます。

フレペの滝までは遊歩道が開放されていますが、男の涙・象の鼻というスポットまでは認定のネイチャーガイドの同伴が必要になります。

一面流氷のオホーツク海を横目に、宝石のような氷瀑と断崖をゆくエゾシカの群れに出会い、最後は知床半島の先端まで見渡す絶景。

冬の知床だからこそ、ありのままの自然の美しさと厳しさの両方を感じる冬の大冒険が楽しめます。

流氷×温泉・サウナを楽しむ

流氷が接岸する知床の中心地・ウトロ。じつは「ウトロ温泉」と呼ばれ、道東を代表する名湯が湧く温泉地でもあります。

リゾートホテルや民宿まで温泉設備を備えたお宿が立ち並び、冬には流氷と温泉のコラボレーションを楽しめます。

なかでもおすすめしたいのが「きたこぶし知床 ホテル&リゾート」。オホーツク倶楽部の露天風呂付きのお部屋で楽しむ、流氷×温泉が最高です。

またサウナシュラン2022にも選ばれた「流氷サウナ」を楽しめるのも、このホテルだけ。流氷を眺めながら汗をかき、ととのう瞬間は至福のひとときです。

ウトロ崎から知床連山を見る

本州の標高3,000mの山々に匹敵する気候を誇る「知床連山」。冬には真っ白に染まり、まさしく知床の屋根として輝かしくそびえ立ちます。

ウトロ崎は、そんな知床連山を見渡す絶好のポイント。流氷が接岸すれば、知床連山と流氷の両方を楽しむことができます。

その一方で、流氷がまばらであれば、海面に映り込む"逆さ知床連山"や、夕暮れに訪れれば薄ピンク色の染まるアーベントロート(夕焼けが山肌に反射して山が赤く見える現象)が見られることも。

冬の知床連山との一期一会が楽しめるスポットなので、ぜひカメラを持って訪れてみてください。

プユニ岬から流氷原を眺める

同じく流氷の絶景スポットとして名高いのが「プユニ岬」。ウトロ市街から知床自然センターへ向かう途中に位置する高台ポイントです。

知床の流氷の接岸状況を観測しているポイントでもあります。気候条件が良ければ、オホーツク海を覆い尽くす一面真っ白な流氷原を望むことができます。

白と青のひたすらに美しい2色の世界。時折、流氷とともに北方からやってくる渡り鳥「オジロワシ・オオワシ」の飛行する姿も見られます。

流氷につかまって休んだり、一面真っ白な海の上を飛行したり。世界遺産・知床らしい、厳しくも美しい自然の姿に心を打たれるはず。

名物の海鮮タンメンを啜る

寒さが一段と厳しい冬の知床。凍えた身体をほぐし、ほっと一息つける隠れ名物グルメが荒磯料理 くまのやの提供する「知床海鮮湯麺(しれとこかいせんたんめん)」です。

店主は、東京・大阪・札幌で修行し、知床郷土料理研究会の会長を務めながら、お店を営む店主が提供する個性的な一杯です。

一口飲むと伝わってくる甲殻類のダイレクトな旨味。ツルツルと喉越しがよく、香りがしっかりと感じられる斜里産の小麦を使った麺との相性が抜群です。

野菜もたっぷりで啜れば啜るほど食欲が高まっていくタンメンは、体力を消耗するアクティビティ前後の昼食にもってこいですよ。

越冬じゃがいもグルメを味わう

知床といえば海鮮のイメージが強いですが、じゃがいも農家兼レストランを営むボンズホームでは、知床産の「越冬じゃがいも」の絶品グルメも味わえます。

流氷が接岸するシーズンにいただけるのは、「知床越冬紅男爵芋」という限定じゃがいも。ゼラチンのように滑らかで強い甘味が特徴です。

おすすめのメニューは「よくばりグラタン(税込950円)」。じゃがいもに特製ホワイトソースを絡めて焼き、チーズやベーコン、玉ねぎがたっぷりと添えられています。

クリーミーでありながら、じゃがいもの本来の美味しさが際立つ一品です。ほくほく、あちち……!!といただくひとときも、冬らしい食事の醍醐味ですね。

一味も二味も違う冬の知床

なかなかハードルが高いように感じられる冬の知床。確かに冬には欠航率が高く、アクセスに難はあるものの、一度訪れれば語り尽くせない魅力が溢れています。

静かで美しい自然や風景はもちろんのこと、そこに垣間見られるのは生命の営み。ありのままの自然を五感で楽しみ、非日常に癒される時間が待っています。

ぜひ一度は冬の知床へ足を運んでみてください。きっとまだ見たことのない日本の魅力を感じられるはず。

All photos by Yuhei & Ran Tonosho

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