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いま必要なのは、自分に優しい片付づけ術!

  • 2022.12.29

都市空間の不便さの理由を、ジェンダー目線で明らかに。

『フェミニスト・シティ』

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レスリー・カーン著東辻賢治郎訳晶文社刊¥2,200

「フェミニズム地理学」という言葉を、この本で初めて知った。なぜベビーカーが電車に乗せづらいのか。なぜ近道が危険だから、遠回りをしなければならないのか。それは個人的な理由ではなく、女性だからだ。そもそも都市自体が男性基準で計画されてきた。建築や歴史、映画や自らの体験をもとに、現代の都市空間が抱えるさまざまな課題を分析していく。漠然とした生きづらさの正体を具体的に見える化してくれる、こんな本を待っていた。

舞台が映し出す孤独な肖像、小川洋子ならではの短編集。

『掌に眠る舞台』

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小川洋子著集英社刊¥1,815

交通事故の保険金で『レ・ミゼラブル』全79公演のチケットを買う「ダブルフォルトの予言」。楽屋口で出待ちしてはプログラムにサインをもらうことが生きがいの女性を描く「花柄さん」。舞台をテーマにした小説というと役者が主人公の芸道ものは数あるが、一観客の過剰な夢が密やかな孤独を映し出す。バレエ『ラ・シルフィード』やテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』などを素材に、この作家ならではの不穏な世界観に惹き込まれる全8編。

ダメな自分を責めないで。人生をラクにする片づけ術。

『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』

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ケイシー・デイビス著村井理子訳SBクリエイティブ刊¥1,485

ロックダウン中に第二子を出産。産後うつに苦しみながらも、荒れ放題の自宅の様子をTikTokで配信。絶大な人気を得た著者が編み出した片づけ術は自分に優しい。散らかっているのは怠け者だからじゃない。もう十分頑張っているはず。ダイエットと同じで、自分を責めないこと。見苦しいものは全部バスケットに放り込んで、自分の時間をつくる。片づけとは自分をケアする方法なのだ。

未公開の写真とエッセイ、ソール・ライターの神髄。

『まだ見ぬソール・ライター』

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ソール・ライター、マーギット・アーブ、マイケル・パリーロ著青幻舎刊¥4,180

日本オリジナルの写真集『ソール・ライターのすべて』は19刷を重ねるロングセラーとなり、欧米およびアジア圏でも刊行された。日常の何の変哲もない瞬間を一幅の絵にしてしまうその写真は、優れた小説を読んだ後のような深い余韻を感じさせる。遺された膨大なカラースライドから、白眉である未公開のストリートフォト76点を厳選。関係者の貴重な証言で、人間ソール・ライターの魅力が垣間見えるエッセイも収録した愛蔵版の写真集。

*「フィガロジャポン」2022年12月号より抜粋

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