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『大ピンチずかん』【今日の絵本だより 第338回】

  • 2022.12.28
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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『大ピンチずかん』 鈴木のりたけ/作 小学館 1650円

本日12月28日発売のMOE2月号で、年末恒例、第15回MOE絵本屋さん大賞2022が発表になりました。 全国の絵本屋さん3000人の投票で決定した2022年の絵本ランキング、第1位を受賞したのは、鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』です。

「ぎゅうにゅうが こぼれた。 これは 大ピンチだ。 どのくらいの 大ピンチ?」 表紙からすでにもう、子育て世帯なら「あるあるある……」とうなずいてしまう大ピンチ。 『大ピンチずかん』によると、「ぎゅうにゅうが こぼれた」は、「なりやすさ」が星4つ、「大ピンチレベル」は29。 「ずかん」ですから、さまざまな大ピンチがすべて数字のデータで表され、分類、解説されているのです。

夏の道ばたで「アイスが とけてきた」は、「なりやすさ」が星5つ、「大ピンチレベル」は20。 さらに「ひじまで たれてきた」はレベルが22に、「ぜんぶ おちた」ならレベルは35にアップ。 「せんたくきの うしろに くつしたが おちた」「ポケットから すなが たくさん でてきた」などは、大人の方が「大ピンチ!」とショックが大きい案件ではないでしょうか。 私は個人的に「(ゲーム機の)ボタンが ベタベタしている」という大ピンチに、「ああ、リアル子育て当事者目線……!」と胸打たれました(でもレベルは3)。

第15回MOE絵本屋さん大賞2022第1位のみならず、キノベス!キッズ2023第1位、第13回リブロ絵本大賞、第6回未来屋えほん大賞、第10回静岡書店大賞児童書新作部門大賞と、各絵本賞5冠という偉業を成し遂げた『大ピンチずかん』。 MOE2月号では、作者の鈴木のりたけさんの受賞インタビューを掲載しています。 3人のお子さんとの日々から生まれた『大ピンチずかん』の誕生秘話、ぜひご覧ください。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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