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同性カップルに、ついに赤ちゃん誕生!出産は立ち会い?同性カップルならではの困ったこととは?

  • 2022.12.27

職場の同僚のMahoさんとRisaさん。一緒に仕事をする中でお互いに惹かれあい、お付き合いをスタートさせ、家族になりました。YouTubeチャンネル「Maho Risa Family」では、そんなお2人の正直な気持ちや家族のあり方について、ありのままの姿を動画で紹介されています。

ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=『新しい家族のカタチ』について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。

そして先日無事、2人の長男であるぽこちゃんが誕生!


同性カップルの妊娠、育児とは……?今回はRisaさんの妊娠期間から、出産、そして新生児の育児について、お2人の様子を紹介します。

同性カップルの私たちが妊娠にいたるまでと、妊娠中のよかったこと・困ったこと

まずは、妊娠にいたるまでを振り返ります。

私たちの妊娠

職場の同僚であるMahoさんとRisaさん。最初は仕事仲間として接していたそうですが、徐々にお互いを意識するようになりました。そしてお付き合いを始め、パートナーシップ宣誓(※)をし、家族になりました。


将来子どもが欲しいと思っていたMahoさんは、Risaさんと過ごしていくうちに「Risaとだったら、絶対に子どもを幸せにできる」という確信を持てたそうです。「どんな人生を歩んでいきたいか」「どういう家族を作っていきたいか」について、きちんと話す場を作ってお互いの気持ちを言葉にして伝えあい、2人で子育てをしようと決心!


そして実績が豊富なデンマークの精子バンクで、1,000人以上のドナー候補の中からドナーを決定し、5回目のチャレンジで赤ちゃんを授かりました。

さて、同性カップルの妊娠生活とは……!? いったいどんな感じだったのでしょうか。

※各自治体が同性カップルを婚姻に相当する関係と認めて、証明書を発行する制度のこと

同性カップルだからこそ理解できたことも!?妊娠中よかったこと3つ

出産したRisaさん(写真左)とパートナーのMahoさん(写真右)

妊娠中、「同性だったからこそわかり合えたことがあった」とお2人。

その1.ホルモンに理解がある

「女性はホルモンに左右されるということを実感している」と話すMahoさん。Risaさんのメンタルが不安定なときは、「ホルモンの影響なので仕方がない。嵐や雷のようなもので、どうしようもない」と考え、Risaさんに気晴らしになるようなことを勧めつつ、どっしり構えていたそうです。

Risaさんは産休に入りたてのころ、

「仕事をしないことで社会に貢献している自覚が得られない」

と、自分の置かれている状況に不満を感じてしまったときもあったそう。


今Mahoさんは当時を振り返り、「Risaの苦しさを理解していることを、もっと伝えればよかったね」とRisaさんに話します。

Mahoさんのおおらかでやさしい人柄が伝わってきます。ホルモンが女性にもたらす影響を、パートナーが心からわかってくれるというのは、妊娠中だけでなく産後のRisaさんにとっても、とても心強いでしょうね。

Risaさん自身、メンタルの不調に悩んだときは、たくさん本を読んだり、動画を見たりして、自分でどうすればいいのか解決策を探していたそうです。

「自分の中でどう解消すればいいのかを知りたかったので、メンタルコントロールなどの自己啓発・自己認識の本を読んだ」というRisaさん。「自分の今の状態」を認識することで、客観的になれることもあったのだとか。

その2. 柔軟に役割分担ができる

家事などの役割分担に関しては、妊娠中に限らず、普段からお互いが過ごしやすくなることを優先に考え、やりたいことを無理せずやっていたお2人。これは「同姓カップルだから」ということではなく、もともとのお2人の考え方や関係性によるものなのだそうです。

たとえば、Risaさんがつわりでつらいときは、家事はMahoさんがメインで担当。Risaさんが産休に入ると、そのころ体調がよかったこともあり、Risaさんがメインで家事をされていたとのこと。

「やらなきゃダメ」という感覚ではなく、「やれたらやる」というスタンスで、デリバリーなども活用しつつ過ごしていたそうです。

それから、良い意味で「相手に期待していない」と話すMahoさん。産休中のRisaさんがご飯を作って待っていてくれると、「ご飯作ってくれてありがとう……!」と思ったそうです。

「相手に期待しない」というのは相手にプレッシャーをかけることもなく、また自分も相手がしてくれたことに素直に感謝ができて、平和な関係をもたらすのですね。

その3. お互い自分ごと化ができる

これは婦×婦の同性カップルならではのお話かもしれません。

お2人は、Risaさんの次にMahoさん、という順で、2人とも出産することを考えているそうです。

「(同性だからか)Risaが直面していることを自分ごと化して考えられる」と話すMahoさん。「自分のときはどうかな?」と、より一層相手のことを理解しようとする気持ちになれるそうです。

Risaさんはつわりで自分が辛い思いをしているなか、将来Mahoさんがつわりになったときのことを想像して心配になっていたそうです。思いやりにあふれたカップルですね。


一方、同性カップルだからこそ困ったこともあったそうです。

同性カップルならではの悩み。妊娠中、困ったこと

それほど困ったことはなかったものの、「強いて挙げるとすれば……」とお2人は続けます。

説明が大変……!

病院や市役所では、男女の既婚カップル前提で話をされることが多いとのこと。Risaさんは最初は苦労したようですが、説明を重ねるうちに、端的に言えるようになっていったそうです。


相手の方も、「あーーー、分かりました……!」と驚きつつも理解してくださるようになっていったのだとか。


Mahoさんは、主に父親が参加する、市役所の子育て教室に参加したそうです。その際、周囲の方に普通に接してもらえて、説明したことで断られたりすることは無かったので、「とてもありがたかった」と言います。

確かに、同性カップルだからこそ相手に理解してもらうためには説明が必要な場面もありますよね。


「人によって“家族”に対する理解が違うため、これからは『母が2人いるカタチの家族である』ことを周りの人に伝えていきたい」とお2人は考えているそうです。

Mahoさん立ち会いのもと、いよいよRisaさんが出産!

そしてついに……

ぽこちゃん誕生!

Risaさんもぽこちゃんも、母子ともに健康で出産自体もスムーズだったとのこと。
本当におめでとうございます……!

Risaさんは、出産する前夜におしるしがあり、翌日に定期健診へ。「(出産は)1週間以上先かな」と言われたものの、その日の夜10時に破水。翌日の朝7時半に産まれたそうです。


「あっという間だった……」とRisaさん。

こんなにかわいいポコちゃんが生まれてきてくれましたよ♡


どんな出産だったのか、Risaさんにお話をうかがいました!

・出産にMahoさんは立ち会えましたか?

Risaさん
「立ち会えました! 分娩を予約するときから同性カップルであることは伝えていたので、破水後に病院に一緒に行ったときも、出産間近になって分娩室に行くときもスムーズでした。お医者さんも看護師さんも自然に接してくれました」

・出産時のエピソードを教えてください!

Risaさん
「Mahoが到着するまでは『1人で陣痛に耐えなければ……』と孤独な気持ちになり、時間が長く感じました。でも、Mahoが到着してからは、『痛い時に話しかけたほうがいい? そっとしといたほうがいい?』とこちらの希望を聞いてくれながらずっと手を握ってくれていたので、やさしさを感じ、そばにいてくれると心強かったです」

さらに、
「陣痛の波が来て私がいきむたびに、Mahoも息を止めてしまっていたようで、2人で酸欠気味になっていました」
と当時を振り返ります。

妊娠中だけでなく、出産時もMahoさんは常にRisaさんをサポートされていたのですね。


お2人で息を止めていたエピソードが一心同体のようで微笑ましい……! 一緒に出産しているかのようで、RisaさんにとってMahoさんの存在がとても心強かったのが伝わってきます。


では、産後はどのように過ごしているのでしょう?

ふたりママの子育ては、パパママと一緒!?

ぽこちゃんが生まれて1カ月。

お顔もしっかりしてきました!

産後の1カ月を振り返って、「まだ1カ月かぁ……! と思えるほど、あっという間だった」と語るRisaさん。Mahoさんは、「かわいすぎて仕事との両立が難しかった」と笑います。

夜は比較的長く寝てくれるものの、3週目を過ぎてから泣くことが増えてきたそうです。そんな変化にも成長を感じますね。これから家の中だけでなく、少しずつお散歩など、活動範囲を広げていく予定だそうです。


産後の生活についても、Risaさんにお話をうかがいました。

・Mahoさんはどのように働かれていますか?

Risaさん
「Mahoは週1-2回出社で、それ以外はリモートワークをしています。リモートであっても、日中はほぼ会議のようです。Mahoは仕事を頑張っています」

・お2人の育児の様子を教えてください!

Risaさん
「平日の日中は私がずっとお世話していて、お風呂と夜のミルクは2人でやっています。そして夜中は私が「遅番」担当(笑)。ミルクや寝かしつけをやっています。土日の日中はMahoがメインで担当して、平日抱っこできない分を取り戻しているようです」

お話をうかがっていて、協力しているというよりも、自然にされているのが伝わってきました。Mahoさんのポコちゃんへの想いも伝わってきますね。

伝えたいのは感謝の気持ち

ぽこちゃんが誕生したいま、お2人が周囲に何よりも伝えたいのは、感謝の気持ちだそうです。

もちろん、
・10カ月支えてくれたMahoさん
・おなかでぽこちゃんを育ててくれたRisaさん
・元気に生まれてきたぽこちゃん
に感謝しつつ……

『新しい家族のカタチを受け入れて応援してくれた家族、友人、会社など周囲の人たち』への感謝の気持ちでいっぱいとのこと。

世の中、多様性への理解が広がってきましたが、周囲の人たちの中には、Mahoさん・Risaさんの家族のあり方に、一瞬驚いたり戸惑ったりしている様子の方もいらっしゃったそうです。それでも、最終的に、「周囲の方が好意的に受け入れ、支えてくれた」とお2人。


ポコちゃんの誕生という一大イベントを乗り越えたお2人は、自分たちのことを受け入れ支えてくれた家族、友人、会社など周囲の人たちへの感謝の気持ちが尽きません。

◇ ◇ ◇

今回取材させていただいて、改めてお2人の誠実な人柄が周囲の方を巻き込み、大きな渦になっているように感じました。今後もYouTubeを通じて、新しい家族のカタチについて発信していかれるとのこと。

これからの、Maho Risaそして+ポコちゃん Familyの未来が楽しみですね。


YouTubeチャンネル「Maho Risa Family」では、お2人の日常生活の様子、妊娠経過についてなど、さまざまな動画を投稿されています。こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。


著者:ライター 福島絵梨子

ベビーカレンダー編集部

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