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なんで付き合ってるの? 尾崎世界観×千早茜の"ダメダメカップル"小説

  • 2022.12.27

ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギターで、2020年に小説『母影』(新潮社)が芥川賞候補になった尾崎世界観さんと、『しろがねの葉』(新潮社)が2023年1月発表の直木賞候補になっている千早茜さんによる共作小説『犬も食わない』(新潮社)が、文庫化された。

本作は、2018年10月の単行本刊行時に話題を呼び、多くの全国書店で1位を獲得した。

男性視点を尾崎さん、女性視点を千早さんが担当し、とあるカップルの日常を描き出している。だらしなくてだめな彼氏・大輔とめんどくさい彼女・福はいつも喧嘩ばかりで、周りからは「なんで付き合ってるの?」と言われてしまう。恋愛中の"かっこわるい本音"をさらけ出した作品だ。

〈内容紹介〉

派遣秘書の福は雇い主と出かけた先のビルで、廃棄物処理業者の大輔とぶつかった。ろくな謝罪もない舐めた態度に激高した福は罵詈雑言の限りを尽くし、大輔は一言でやり返す......そんな最悪な出会いから始まった。脱ぎっぱなしの靴下、流しに放置された食器、風邪の日のお節介。ベッドの半分を占める体は邪魔だし、同じシャンプーが香る頭は寝癖だらけ。他人の「いいね」からは程遠い、喧嘩ばかりで格好つかない恋愛の本音を、男女の視点別に描く共作小説。

文庫カバー装画と中扉は、『Strawberry shortcakes』『blue』などの代表作があるマンガ家の魚喃(なななん)キリコさんのイラスト。魚喃さんのファンだという尾崎さんと千早さんが『魚喃キリコ 未収録作品集』[上]と『Strawberry shortcakes』から選び抜き、魚喃さんから承諾を得て実現したコラボだ。

さらに文庫特典として、尾崎世界観×千早茜両著者による、約30ページの新規対談を収録している。4年前の執筆の思い出や、現在に至るまでの書き手としての自身の変化などを語っている。

〈尾崎世界観さんコメント〉

あれから4年が経って、こうして文庫化されることが嬉しいです。
「成長」よりも「相変わらず」が似合う二人を愛しく思います。
ぜひ手に取っていただきたいです。

〈千早茜さんコメント〉

4年ぶりに読み返すと、大輔と福は変わらずダメなままでした。
でも、その変わらなさがなんだか愛おしく、4年の間に変わった自分にも気づけました。
既読の方も、未読の方も、都会の片隅に必ずいるであろうダメなふたりの日々を、
苦笑しながら覗いてくれたら嬉しいです。

【目次】
第一回
いちごミルク 千早茜
フライドポテト 尾崎世界観

第二回
大縄跳び 尾崎世界観
煙草コーヒー 千早茜

間奏 尾崎世界観

第三回
家弁当 千早茜
体温計 尾崎世界観

間奏 千早茜

第四回
テトリスJr. 尾崎世界観
古い鍋 千早茜

第五回
ラジカセ 千早茜
江ノ島 尾崎世界観

第六回
サヨナラ負け 尾崎世界観
ひとり相撲 千早茜

『犬も食わない』文庫化記念ロング著者対談

■尾崎世界観さんプロフィール
おざき・せかいかん/1984(昭和59)年、東京都生れ。2001(平成13)年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。'12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。'16年、初小説『祐介』を上梓し話題となり、'20(令和2)年には初の純文学作品『母影』(おもかげ)で芥川賞候補となる。エッセイに『苦汁100%』『苦汁200%』『泣きたくなるほど嬉しい日々に』。千早茜との共著に『犬も食わない』。対談集に『身のある話と、歯に詰まるワタシ』。歌詞集に『私語と』などがある。

■千早茜さんプロフィール
ちはや・あかね/1979(昭和54)年、北海道生れ。立命館大学卒業。幼少期をザンビアで過ごす。2008(平成20)年、小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(いおがみ)でデビュー。'09年、同作にて泉鏡花文学賞、'13年、『あとかた』で島清恋愛文学賞、'21(令和3)年『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞を受賞した。『あとかた』と'14年の『男ともだち』はそれぞれ直木賞候補となる。他の小説作品に『西洋菓子店プティ・フール』『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』『ひきなみ』『しろがねの葉』や、食にまつわるエッセイも好評で「わるい食べもの」シリーズ、新井見枝香との共著『胃が合うふたり』がある。

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