1. トップ
  2. レシピ
  3. 「ショウジョウトキ」は体色が黒から赤に変化する不思議な生態!フラミンゴと同じく餌に秘密が!

「ショウジョウトキ」は体色が黒から赤に変化する不思議な生態!フラミンゴと同じく餌に秘密が!

  • 2022.12.25

日本では一度絶滅してしまったトキは真っ赤な顔以外が白い羽根をした美しい鳥です。 それに対し「ショウジョウトキ」は全身が真っ赤という鮮やかな姿が美しい鳥です。

生息地も日本のトキとは全く違うショウジョウトキについて見ていきましょう。

ショウジョウトキの生息域と生態

 

和命のショウジョウトキの名前の由来は、赤い衣装を全身に纏った演者が舞い踊る能の演目「猩々(しょうじょう)」から来ています。

ショウジョウトキの生息域

ショウジョウトキは南アメリカ大陸のカリブ湾沿岸部、ベネズエラやブラジルに分布しています。 海岸沿いやマングローブ林に生息しています。

ショウジョウトキの生態

 

ショウジョウトキはオスが木の枝などを集め、メスが水辺にある低い樹の上に巣を作り生活します。 シロトキやサギなど他の種の鳥とコロニーと呼ばれる雑居性の高い群れを作るのですが、その群れの数は最大で数万羽にも及ぶ巨大なものとなります。

ショウジョウトキの赤い体

 

赤い体は餌の色

ショウジョウトキは婉曲した長いくちばしを海や川、泥地に差し込んで餌を捕食します。 獲物は甲殻類や貝類に魚類、昆虫からカエルといった両生類まで水辺に住む幅広い生き物になります。 捕食した甲殻類はショウジョウトキの赤い体の色素成分となる重要な要素になっています。

ショウジョウトキは元々赤い体をしているわけでは無く、エビやカニといった甲殻類などを摂取することで赤い色素を精製する成分を吸収することにより、体が赤くなっていくのです。

雛の時は黒い

樹上に作った巣の中に一度に2~3個の卵を産み、20日間ほど抱卵します。 ショウジョウトキは孵化した直後から幼鳥である1~2年ほどの期間は黒褐色の体をしています。

成長するとともに甲殻類を摂取することで体が徐々に赤くなっていきます。 孵化後は40日ほどしたら巣立ちをしますので、まだまだ体色が黒褐色のうちに親の元から離れ事になります。

赤い体の仲間、ピンク色の体をしたフラミンゴ

 

赤い体をしている鳥はショウジョウトキだけではありません。 一番有名なのは淡いピンク、もしくは紅色の毛が綺麗なフラミンゴです。 フラミンゴもまた食事により元の毛色が変化している鳥です。

フラミンゴは体が赤ければ赤いほど異性に魅力的に見えるそうです。 より魅力的になるためにも赤くなる必要があるのですが、赤くなる方法はショウジョウトキ同様食事にかかっています。

フラミンゴもショウジョウトキと同様にエビやカニといった甲殻類も捕食しますが、体色を赤くする一番の要因としては食している藻が関係していると考えられています。 野生のフラミンゴはスピルリナという藍藻(らんそう)を食します。 この藍藻自体は青緑色の一般的な藻の色をしていますが、赤色色素を保有していることが確認されています。 この赤色色素を摂取しているからこそ、フラミンゴは紅色ないしはピンクの体をしているのです。

フラミンゴはメイクで体を更に赤くする

また、フラミンゴは食事以外でも体色に赤みを加えています。 なんとメイクをすることでより体を赤くしているのです。

鳥は尾の付け根にある尾脂線から分泌されるという油をくちばしを使って羽根に塗ります。 これは羽を長持ちさせるほかに防水性を維持するために必要な手入れでもあります。

もちろんフラミンゴもこの手入れの行動を行いますが、フラミンゴの場合は分泌される油に赤い色素成分が多く含まれているのが確認されています。 この赤い色素が含まれた脂で自分の羽をメイクすることで自分を魅力的に見せていると考えられています。

フラミンゴの元の体は白

ショウジョウトキは雛の時は真っ黒の体をしていますが、フラミンゴは白い体をしています。 これが食事により赤い色素を吸収することで紅色の体になっていきます。

動物園の淡いピンク色の体は、餌として与える色素の元の量を調整することで発色を調整しているそうです。 飼育員の巧みな職人技によって、私たちにとってなじみ深いピンク色のフラミンゴの姿を見ていたのです。

まとめ

ショウジョウトキの赤い体は驚くことに後天的なもので、食事によって赤くなった体でした。 鮭が白身魚にもかかわらずオキアミなどを捕食して体が赤くなるというのと同様、雛の時点では黒い体をしたものが食性によって赤くなるというのは驚きですね!!

元記事で読む
の記事をもっとみる