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SixTONES 京本大我さんインタビュー。その感性が生まれた場所。そして今思うこと。

  • 2022.12.25

SixTONESとしての活動はもちろんのこと、ミュージカルの舞台でも大活躍。主演ドラマ『束の間の一花』での繊細な演技も話題に。その歌声と演技力を武器に幅広い場所で注目を集める、京本大我さんの輝きの秘密に迫る。

SixTONES 京本大我 インタビュー
出典元:MAQUIA ONLINE

気高き美しさ、磨き続ける努力 京本大我 原石が輝きを放つまで

感性が生まれた場所

芸能界で活躍する父を持つ僕は「幼い頃からエンタメに触れて育ってきたんですか?」なんて質問をよくされる。でも、実際はむしろ真逆で。もしかしたら「芸能界は大変な世界だぞ」っていう、父なりの配慮や思いがあったのかな。幼い頃はエンタメにあまり触れなかったんですよ。

父・京本政樹は僕に自分の出演作を見せようとしなかったし、
「この映画を見ろ」「この音楽を聴け」なんて言ってくることもなかった。

我が家はテストで満点を取らなければゲームを買ってもらえないような普通の家庭だったし。僕自身も周りの友達と同じようにアニメやヒーローに夢中になっている普通の少年で。ジャニーズ事務所に入るまでは、音楽にも、芝居にも、芸能界にも、全く興味がなかったんです。

ただ、“ものづくり”は子供の頃から好きだった。
幼い頃から僕は絵を描くのが大好きで。
紙と色鉛筆さえあれば何時間でも楽しむことができた。

自分の好きな作品を作れる自由研究も大好きで。今でも覚えているのが夏休みの宿題で描いた海の絵。大きなキャンバスに海の絵を描くだけでなく、浜辺には家族旅行で拾ってきた本物の貝殻を貼り付けて立体感を出してみたりして。「こうしたら面白いんじゃないか」「ああしたらもっと素敵になるんじゃないか」頭の中で想像を膨らませるのが好きだったし、思い浮かべたものが目の前で形になっていく過程はいつも楽しくて。時間を忘れて夢中になっていたんです。美術系の学校で学んだ経験のある父はよく、幼い僕と絵を描いて遊んでくれた。

絵を好きになったのは間違いなく父の影響だし、
“ものづくり”の楽しさを僕に教えてくれたのもやっぱり父なんだと思う。

小学生の頃、誕生日を目前に控えた僕の目の前に父は真っ白な画用紙を置いた。
「大我にギターを作ってあげるから。ここに自分が作りたいギターを描いてみよう」と。

僕は自分の名前の“大我”にちなみ、ギターのボディに大きな“タイガー”を描き、当時好きだった緑とオレンジで塗りつぶした。それはとても楽しい時間だったし、それが形になって目の前に現れたときは本当に嬉しかったし感動した。父はそんな“ものづくり”のワクワクで幼い僕をいつも楽しませてくれた。もう手が大きくなってしまったので弾くことはできないんだけど、そのギターはずっとお気に入りで、今も自分の部屋に飾っているんです。

純度を高く保つこと

好きなものとそうじゃないものへの温度差が激しくて興味のないファッションに関しては無頓着。穴のあいた靴下を履いていても全然平気だし、パンツもほぼほぼ自分で買ったことがなくて。友達からのプレゼントやお土産にもらった派手なキャラクターのパンツを何も考えずにはいて、メンバーにつっこまれることもしょっちゅう。かと思えば、大好きな『名探偵コナン』の話題になると無駄にこだわりや熱さを発揮してしまう……。余計な混ざり物を自分の中に入れずに自分の思いや好きなものをずっと大切にし続ける、そんな僕を「純度高め」と言ってくださる方もいるけれど

自分では「子供っぽすぎる」と思うこともある。
で、そう思うたびに「大人にならなければ」と
急に車や高級腕時計について勉強し始めたりして。

でも、そんなのはやっぱり長続きしなくて。「高価な時計を買ったところで怖くてつけられないし」「運転も怖いからペーパードライバーのままでいいや」すぐに「だったら『遊戯王カード』を買おう」の気持ちに戻ってしまうんですよ(笑)。自分で好きなものを選べる世界に生まれたんだからやっぱり、僕は自分の好きなものを大切にしたい。周りから「子供っぽい」と言われても、
たとえ好きになった女性に引かれてしまっても、
「それはそれでしょうがない」かな。
そのために、自分の好きなものを捨てる意味が僕にはよくわからないから。

言葉を紡ぐ

僕は心が揺れたとき、その思いを言葉にします。
ブログに書くこともあれば、歌詞にすることもとても多い。言葉にするのはその思いをみんなと共有したいから。どこかで同じ思いを抱えている誰かに「あなただけじゃないよ」と伝え寄り添いたいから。
そして、それは受け止めてくれる人がいるからこそ、反響するように僕自身に戻ってくる。
「僕は一人ではないんだ」と思える。僕はいつも言葉に救われ浄化されているんです。

役を生きる

ここ数年はミュージカルの舞台に立つことが多かったので、ドラマ出演は約6年ぶり。なのに、いきなりの主演で。日々、厳しくもどこか心地よい不安と緊張感を抱きながらカメラの前に立っています。ドラマ『束の間の一花』で僕が演じるのは余命宣告を受けた哲学講師・萬木昭史(ゆるぎあきふみ)。今作は、役を纏おうとか、役に入ろうとか考えなくてもすんっと萬木になることができた。
もしも、彼がこの世に実在するのならば、彼の心と僕の心はとても近い気がする。
彼を通して触れることができた哲学の世界も面白くて。萬木と共に心を揺らしながら彼の余命を精一杯、一緒に生きたいと思っています。

音を楽しむ

初めて作詞作曲をしたのは18歳の頃。
頭の中にあるメロディや心の中にある思いを“楽曲”という形にする。幼い頃に夢中になった“ものづくり”の延長線上に楽曲制作も存在しているんだと思う。映画を見ているときにふと頭に浮かんだ言葉からイメージが膨らむこともあれば、
楽屋でシャワーを浴びているときに何気なく奏でた鼻歌がピンときて、
ずぶ濡れのまま裸で飛び出しスマホのボイスレコーダーに録音したこともある。
僕のスマホにはいつか楽曲になる日を待っているえぐい量の“言葉”や“メロディ”が記録されている。

『束の間の一花』
出典元:MAQUIA ONLINE

『束の間の一花』余命宣告を受けている「哲学講師(京本さん)」と「生徒(藤原さくら)」。いつ終わりを迎えるかわからない日々を過ごすふたりの儚くも温かい恋の物語。何気ない日常を愛しく思える。(毎週月曜深夜24:59~/日本テレビ系)

MAQUIA1月号
取材・文/石井美輪 構成/萩原有紀(MAQUIA)

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