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創業160周年祝いのメニューが待つカフェ・ド・ラ・ぺ。

  • 2022.12.24

オペラ座前広場の一角を占めるカフェ・ド・ラ・ペは今年160周年を祝う。マカロンでおなじみのラデュレが地方からパリに進出し、ロイヤル通りに店を構えた1862年と同じ年だ。デパートのプランタンが開業するのはその3年後の1865年。ナポレオン3世統治下のパリで食の部門も含めて消費文化が開花していった時代だったことが、よくわかる。カフェ・ド・ラ・ペを擁するのはインターコンチネンタル・パリ・ル・グランで、創業時は「le Grand Hotel(ル・グラントテル)」という名前だった。オペラ・ガルニエの建築が1860年に始まり、劇場に集まる世界からの訪問客のために高級ホテルが必要となるということで建築されたホテルである。もっとも、ガルニエ宮は工事の中断があり、劇場のこけら落としは1875年とホテルより後になってしまった。

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1862年に創業され、今もオペラ座広場で営業を続けるカフェ・ド・ラ・ぺ。 photo:(右)Jérome Galland

パリ・オペラ座が健在のように、カフェ・ド・ラ・ぺも160年間、大勢の観光客を迎え続けている。大勢の作家たちにも愛され、ギ・ド・モーパッサン、ヴィクトル・ユーゴー、エミール・ゾラ、アーネスト・ヘミングウェイ……といった名前が挙がる。パリの伝説のアドレスのひとつといえるカフェ・ド・ラ・ペ。店内にはバロック調の柱、歴史記念物に指定されているグリーンのフレスコ画が創業当時から変わらずそこにある。

まだ一度も足を踏み入れたことがない、というのであれば、160周年を記念するメニュー(グラスシャンパン付き92ユーロ)を口実に訪れてみるのはどうだろうか?シェフのローラン・アンドレはアーカイブで160年の時間を遡り、ナポレオン3世下の第二帝政期の料理を現代風に提案している。前菜がチキン・コンソメ(アラカルトで27ユーロ)、メインはグランヴィル・ソースがけの茹でたヒラメ(43ユーロ)、デザートにはローズウォーターのリ・オ・レ“皇后陛下”(15ユーロ)。この160周年メニューはいまの予定では、2023年の前半も続くそうだ。もちろん、その間も、その後も、カフェ・ド・ラ・ペでおなじみのフリュイ・ドゥ・メールやオニオン・グラタン・スープは常にメニューに見つけられる。

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左: 「Consommé de volaille <Sévigné>(鳥の臀部の上部肉、ジロル茸、チャービル)」右: デザートの「Riz au lait <L’Impératrice> à l’eau de rose (フルーツのコンフィのマラスキーノ・リキュール漬け)」 photos:Joann Pai

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フリュイ・ドゥ・メール、エスカルゴなど冬のパリで味わいたい料理がメニューに並んでいる。 photo:Joann Pai

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左: 黒トリュフ入りオニオングラタンスープ。 右: オペラ・ガルニエでバレエ鑑賞の前、あるいは後に便利な立地だ。 photos:(左)Joann Pai、(右)Jérome Galland

Café de la Paix5, place de l’Opéra75009 Paris営)8:00~23:00www.cafedelapaix.fr

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