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【東区】「朝ラーメン」文化を日々発信。「煮干ラーメン北栄(ほくえい)」

  • 2022.12.24

食文化の一種に「朝ラーメン」というのがあります。 文字通り、朝に食べるラーメン(「朝ラー」の略称も有。)のことですが、そもそもは、早朝の仕事後や夜勤明けの人々の空腹を満たす為の食習慣が根底にあるようです。

朝ラーメン発祥の地については、静岡県・福島県の一部等諸説あり、それについての言及はこの場では控えますが、早朝の胃に優しそうな「あっさり系」が特徴というのが「朝ラーメン」の共通項と思われます。

ラーメンといえば札幌の名物であり、特色豊かな数多くのラーメン店がありますが、ならば「朝ラーメン」を食べられる店は?というと…あります! 私の居住地の東区に店を構える、「煮干(にぼし)ラーメン北栄(ほくえい)」です。

2022年9月29日オープン

オープンしてまだ2ヶ月余りながら、早くも「朝ラーメンといえばここ!」と認知度急上昇中の人気店となっています。 店名「北栄」の由来は、店鋪からほど近い所にある「北栄(ほくえい)中学校」の校名にちなんだもので、OBであるこの店のオーナーが地元愛も含めた思いから名付けたのだそう。

出典:リビング札幌Web

営業開始時間は午前6時。午前9時に一旦閉店後、午前11時から午後3時までの営業(但し、どちらもスープがなくなり次第終了。)となっています。上の写真は午前11時からの営業時間帯に撮影した店鋪正面です。白地に黒文字の暖簾・看板等、シンプルで清々しい印象です。

「朝ラーメン」を体験してみました

その「煮干ラーメン北栄」で「朝ラーメン」を食べてきました。 12月中旬の某日。私の人生初の朝ラーメン体験でした。せっかくなので開店時間の6時に入店したいと思い、午前4時に起床。

使い捨てカイロを腰部に貼り、靴の中にも「靴用カイロ」を装着。分厚いダウンコートにマフラー、毛糸の帽子と手袋。万全の防寒対策をして気合は充分。車に乗り込み出発しました。

出典:リビング札幌Web

開店の10分ほど前に到着。当然ながら店の入り口はシャッターが下りていました。店の前には誰もおらず、開店を待っているのは私一人でした。この時の気温は−5.5℃…。外で待つのは 耐えられないと思い、駐車場の車の中で待つことにしました。(注・店鋪用駐車場は、駐車OKの区画が営業時間帯によって異なるので要確認です。)

スマホ画面の時刻が6:00になるのを待つ時間の長かったこと…。ようやく6時になり、まだ周囲が暗い中、時間ぴったりに開店している店鋪の明かりを見た瞬間、私の心の中にもパッと明かりが灯ったような感覚になりました。

ホッとする、どこか懐かしい雰囲気の店内

席はコの字型のカウンターのみで、裸電球が照らす店内はどこか懐かしい雰囲気です。 壁の柱時計もレトロでいい味を出しています(時計の針が6時を指していますよね。本当に朝6時に入店していると確認できると思います)。

出典:リビング札幌Web

券売機で食券を購入するシステムです。朝ラーメン提供のお店ですが、特に朝ラーメン限定のメニューというのはないようです。 普段の私は味噌ラーメン派なのですが、早朝6時という時間なのでこってり系は控えた方が無難かと「煮干 塩」を選択。

出典:リビング札幌Web

「季節の炊き込みご飯」という魅力的なものも。

厳寒の朝も、黙々と一人で店を守る

店長の東中秀樹さんが一人で全ての作業をこなしています。その日の仕込みの状況によるそうですが、起床時間は大体午前3時で、4時から4時半位には出勤されているとのこと。

この日のような厳寒の日も早朝から出勤して開店の準備をし、一人で調理・接客をするというのですから、仕事の大変さは想像に難くありません。

出典:リビング札幌Web

店長の東中秀樹さん。

出典:リビング札幌Web

冬の寒い朝も、美味しいラーメンを準備していつも通りにお客を待つ。

胃にも心にも優しい味わい

長崎産の背黒煮干を使った煮干出汁に、沖縄糸満沖の「青い海」塩を加えているという、この店の塩ラーメン「煮干 塩」(700円)です。

北海道のラーメン特有の縮れ麺を見慣れている私には、ここで使用している中細ストレート麺は新鮮な印象でした。

札幌市北区麻生に2016年から店鋪を構える「らーめんさかい」の自家製麺を使用されています。北海道産小麦のみを使用したオリジナルブレンド麺です。「らーめんさかい」のセカンド・ブランドとしてオープンしたのが「煮干ラーメン北栄」です。

出典:リビング札幌Web

麺をすすると、口いっぱいに煮干の風味が広がります。ストレートの細麺は軽い口あたりでスルスルと胃に収まります。スープもさっぱり・あっさりした味わいで、「朝一番に食べるラーメン」と考えると胃への負担が少なそうです。それでいて具は厚めのチャーシューが3枚に海苔にメンマに麸にねぎの5種類。物足りなさは感じません。

店内で一人、ラーメンを味わっていると、男性一人客が入ってきました(6:20頃)。東中さんによると、平日の朝の時間帯の来店客は少なめ(取材日は平日)だそうですが、週末は開店前から店の前に行列ができていることが多く、開店してすぐに満席が珍しくないのだとか。 「冬の寒い日は駐車場の車の中で待っている人が多いですが」とのこと。

「早朝からの仕事後や夜勤明けの腹ごしらえ」という「朝ラーメン」の成り立ちに関わらず、出勤前のエネルギーチャージとしても良さそうです。 私の初「朝ラーメン」は、冬の寒い朝に体を温め心を満たす、魅力満点の体験でした。

朝ラーメンで知られた前店との縁に感動

別の日。朝の営業が終了した後の11時の開店を狙って行ってみました。 この日食べたのは醤油ラーメンの「煮干 たまり醤油」。これが一番よく注文が入るのだとか。

私個人の感想としては塩ラーメンよりもこちらの方が煮干の風味がダイレクトに伝わってきました。一番人気というのが頷けます。 この日も平日でしたが、お昼時とあってひっきりなしの来店客数でした。

ところで、「煮干ラーメン北栄」オープンの経緯について、とても興味深い話を東中さんから聞くことができました。

出典:リビング札幌Web

煮干ラーメン北栄がオープンする前の店鋪も、同じくラーメン店でした。そしてその店は、札幌で「朝ラーメン」を認知させたパイオニアといっても過言ではない、有名店でした。

南幌町への移転が理由で2022年8月21日、惜しまれつつ閉店したのですが、その店の店主と、現在営業中の「煮干ラーメン北栄」のオーナーとは深い親交があり、「朝ラーメン」を札幌市東区で発信した第一人者ともいえる店主へのリスペクトを込めて、同じ場所で「朝ラーメン」の提供を引き継ごうと決めたのだそうです。

実は、前の店鋪については私も知っていて、朝ラーメンを一度食べてみたいと思いながらも行く機会がないまま閉店してしまったので、とても残念に思っていました。

前店の閉店からわずか1ヶ月余りでオープンした「煮干ラーメン北栄」。同様に「朝ラーメン」を提供する店と知った時は嬉しくなったものですが、前店との深い縁と、オーナーの熱い思いに感動しました。 今後はこの店を拠点として「朝ラーメン」が広く浸透していくのを願ってやみません。

煮干ラーメン 北栄(ニボシラーメン ホクエイ) 住所 北海道札幌市東区北36条東1丁目5-1 大越ビル1F TEL 080-7744-1615 営業時間 午前6時〜午前9時 午前11時〜午後3時 (どちらもスープがなくなり次第終了) 定休日 毎週火曜日 第1第3月曜日 (祝日の場合は営業 後日振替店休になります。) 駐車場 あり インスタグラム https://www.instagram.com/niboshi.hokuei/

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