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「2023年に有利な投資先はどこか」資産1億円を超える人が市場反転を狙って"いま買っているもの"

  • 2022.12.23
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2023年に有利な投資先はどこか。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「米国が本格的な景気後退に陥るかどうかで大きく左右されますが、それは誰にもわかりません。ただ、お金持ちは株式市場の復活を狙うため、すでに動き始めています」という――。

黄色の背景にコインスタック
※写真はイメージです
2023年1月から米国のインフレ率は相当に下がる

足元の景気は世界的に減速傾向にあります。ここから2023年にかけて本格的に景気が悪化するか、それとも復活するかは誰にもわかりません。

現在、株式市場を低迷させている原因の一つはアメリカのインフレ率です。高いインフレ率を抑えるためにFRB(連邦準備理事会)が利上げを継続しています。その結果、景気が後退し始めるのではないかとの懸念が根強く、株式市場は値動きの大きい状態が続いています。

インフレ率自体は、2023年に入ると、徐々に落ち着き始めると予測されます。インフレ率は前年同期比の数値だからです。1年前の22年の1月から7月くらいにかけて、ウクライナ問題によって原油や穀物などの先物価格が高騰しました。それを受けて物価も一気に上昇しましたが、現在は先物価格が一時期よりは下落し落ち着いているのです。

つまり、物価が上昇していた時期と比較することになるので、インフレ率は落ち着くはずなのです。それに合わせて米国の利上げのピッチも緩くなり、やがて利上げは止まるでしょう。ただ、金利が高水準であることには変わりがないので、景気にはブレーキが掛かることになります。

お金持ちは株式市場の上昇の波を待ち構えている

利上げの副作用が強く出れば、企業や金融機関、最悪のケースでは新興国などの破たんも起きるかもしれせん。そうなれば世界的な株価の大幅な下落を経験することになるかもしれません。ところが、投資家のマインドはポジティブですから、それを飲み込んでその先に訪れるであろう株式市場の復活をにらんで準備をしています。実際に資産1億円以上を持つお金持ちは、株式市場の上昇の波を捉えるために暴落を待ち構えています。

とはいえ、反転のタイミングをピンポイントで当てるのは困難です。また、株価の暴落も来ないかもしれません。ですから、資金を分割してすでに米国株を買い始めている人もいます。いつ復活してもリターンが得られるように、時間を分散しながらチャンスを狙っているのです。

新興国投資で高いリターンは得られるか

こんなときにどこへ投資すべきか、慎重に考える必要があります。なかには、「高い経済成長が期待できる新興国に投資したほうがいいのではないか」と思う人もいるでしょう。金利の高くなった米国へお金が還流してしまうので、米国の高金利政策の副作用を最も強く受けてしまうのが新興国です。暴落するのであれば、ねらい目と見ることもできるかもしれません。しかし、有望な投資先を見極めるのは簡単ではありません。新興国の経済が長期的に高い成長を維持するには大きなハードルがあるからです。

たとえば、インドは人にも経済にも未開発の領域が多く、経済成長のポテンシャルが高い国の一つといえます。しかし、実際に経済が発展し、先進国の仲間入りができるかどうかは別問題です。

新興国が中進国になり先進国になるためには、一定の過程を歩みます。最初は人件費が安いメリットを生かして、先進国がノウハウを持ち込んで工場をつくります。その結果、雇用が増えて地元の人も豊かになります。

ニューデリー、デリー、インドの街での生活
※写真はイメージです
日本にはできたが、いまの新興国には難しいこととは

しかし、経済が成長して徐々に物価が上昇していくと、賃金が上昇して先進国に追いつき始めます。結果、“賃金が安い”というメリットが薄れ、先進国がその国で商品を生産する意味はなくなってしまいます。

そのとき、新興国は自力で経済を支えていかなければなりません。自分たちで新しい商品やサービスを開発して、先進国に販売しなければ成長を維持できないのです。過去の日本にはそれができましたが、実際に新興国から先進国に移行できる国は非常に少ないのです。

なぜできないのか。それは「中所得国の罠」と呼ばれる社会現象に陥ってしまうからです。「中所得国の罠」とは、新興国が経済発展によって、一人当たりGDP(国内総生産)が中程度の水準(中所得)に達すると、発展パターンや戦略を転換できずに成長率が低下してしまうことを指します。

新興国の課題は「中所得国の罠」を回避できるかどうか

ベトナムもそうでした。4年ほど前にある企業の経営者から「ベトナムに投資したい」との相談を受け、現地に同伴したことがあります。当社の顧問税理士がベトナムに支社を持っているので、投資可能な不動産とビジネスをアレンジしてもらい視察に行ったのです。

しかし、現地で話を聞いてみると「2025年ぐらいから中所得国の罠にはまりはじめる可能性が高い」という結論に至りました。視察した企業経営者は、結局、投資を断念しました。新興国で大きなリターンを狙うには、「中所得国の罠」を回避できるかどうかを見極める必要があります。

インドもいまだ自分たちで新しい商品やサービスを開発できる段階にはありませんから、「中所得国の罠」に陥るリスクがあります。

カースト制度も障害になるでしょう。経済の発展に合わせて国の制度も洗練されていく可能性はありますが、カースト制度は宗教が絡んでいるだけに、完全になくなることは考えにくい状態です。インドが経済成長して先進国の仲間入りをするときにカーストは大きな障害になり、人材を活用しきれない可能性があります。

中国の経済発展は期待できるが政治的リスクが大きい

先進国へのハードルを超えられる新興国として2003年にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)が話題になりました。ゴールドマン・サックスがレポートの中でこの言葉を使い、以降、広く浸透したのです。

あれから20年ほど経過し、確かに中国は先進国への道を歩んでいます。実際に電気自動車(EV)の分野ではBYD(比亜迪汽車)が販売台数で世界一位になっています。同社は自社開発していますし、中国は世界的なトレンドまで形成するほどになってきており先進国への道を着実に歩いているといえます。

ただ、中国は共産党の思惑で政策が変わる可能性があります。たとえば、資産を海外に持ち出すことを禁止するなどの可能性も否定できず、怖くて思い切った投資ができないと考える投資家も多くいます。お金持ちは外国に直接投資する人も少なくありませんが、現地に投資するならその国の法制度や政治の安定性にも注意を払う必要があるのです。

10年後に日本より経済が発展しているかを見極める

投資先として考える場合、最も重要なのは日本よりも経済が発展するかどうかです。10年後にその国が豊かになっているかを見極める必要があります。新興国はその意味で大きな可能性を秘めています。

ただし、現地に直接投資するなら、もう一つ条件が必要です。それは信用できるかどうかです。何かトラブルが起きた時にお金を回収できる法制度が整っているか、現地で対応する人がどれだけ信頼できるかが重要です。

こうした基準を当てはめてみると、やはり有望な投資先の第一候補は米国となります。米国の魅力は、先進国の部分と新興国の部分がまざりあっていることにもあります。東海岸や西海岸はバリバリの先進国ですが、中南部は低所得で不動産価格が安く新興国のような状況です。地域によっては新興国のようなハイリターンも期待できます。

人口が増加する国は期待できる

投資先として米国が有望である理由の一つは、人口が増加傾向にあることです。人口が増えれば、消費が活発になり経済が成長します。

不動産価格は一時的な値下がりが予想されますが、長期的には上昇が期待されています。アメリカの賃貸住宅の空室率は現在6%程度にまで下がっています。空室が出てもすぐに入居者が見つかる状態なので、家賃がどんどん上がっています。家賃が上がれば、物件価格も上がりやすくなります。米国では長期的には株式にしても不動産にしても大きなリターンが狙える可能性があるのです。

日本はこのところ一時的に不動産価格が上がりましたが、人口が減少傾向にあることを考えると、このトレンドが長期的に続くとは考えられません。こうしたマクロ的な状況を考えてお金をどこに投資するかを考えなければなりません。

お金には国境がありません。普通の人は国内の預貯金、国内の株式、国内の不動産ばかりに目を向けてしまいがちですが、お金持ちは違います。お金持ちでリテラシーが高い人は、投資先に国境を設けていないので、より有利なところにお金を投資します。

「お金持ちが海外に投資できるのは英語が得意だからではないか」と思う人もいるかもしれません。

でも、あきらめる必要はないのです。海外に直接投資しなくても、投資信託やETFを活用すれば、海外の株や不動産など数多くの種類の資産にまとまったお金がなくても投資することができるのです。先進国だけでなく新興国だって簡単に投資ができます。皆さんも、これから先の経済成長を信じることができる国や地域に目を向けて投資をしてみましょう。

藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役社長。自動車会社で燃料電池自動車の研究に携わった後、FPに転身。家計の個人相談の普及を目指して2001年に設立した「家計の見直し相談センター」では、すでに3万世帯を超える家計診断を行っている。家計管理、生命保険、資産運用など幅広い分野に精通。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。 生活デザイン株式会社 オフィシャルサイト

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