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【北川景子】立ち止まるからこそ見える景色がある。自分の意外な一面をたくさん見つけた一年でした

  • 2022.12.21

仕事をしていないときの私も、私なんだと思えた

2022年。北川景子さんは、今まで自分自身も知らなかった、意外な一面をたくさん発見したという。

「娘と一緒に土手にトンボをとりに行ったり、都内はもちろん、祖母に久しぶりに会いに行くついでに大阪の水族館にも足をのばしました。私はずっとインドア派だと思っていたけど、意外に外に出て体を動かすことも好きなんだと気づいたんです。日焼けも気にせず、服が濡れたり、泥だらけになるのもお構いなしに思いっきり草むらに寝そべってみたり。子供のために行った場所で、実は自分も一緒に心から楽しめていたりして。こういう過ごし方が、私には必要だったんですね」

にぎやかながらも穏やかな日々を過ごせたのは、大きな作品の仕事がなかったから。「17歳から年中働いてきた」と自負する北川さんは、「若い頃の自分が今の私を見たら、びっくりするだろうな」と、うれしそうに目を細める。

「仕事以外、自分には取り柄がないと思っていたから、働くことが“北川景子”のアイデンティティでした。でも子供ができて、家族から求めてもらえていると感じる今は、もうひとつの存在意義を見出すことができた感じ。9月まであえて仕事を休もうと思ったわけではないけれど、撮影がたまたま空いたなら、子供との時間を大切にしようと思えたんです。娘がまだ赤ちゃんだったときは、言葉も通じないから、何を考えているのか気持ちを察したり、推しはかるんですね。そういう経験が、精神的な成長や勉強につながるし、お芝居にもきっとフィードバックできる。仕事だけが自分を育てるわけではないことを知りました」

息抜きが苦手で「オフにして立ち止まるくらいなら、オンのままずっと走り続けているほうがいい」とさえ思っていた。北川さんを変えたのは、休むことを強いられたコロナ禍の在宅期間も関係しているそう。

「100%の力を仕事に残しておきたいから、休みの日に誰かとご飯に行くこともあまりしなかったんです。というか、そもそも私は人づきあいが苦手だと思っていました(笑)。でもコロナ禍になって2年くらい、仲のいいイモトアヤコちゃんともリモートでしか話すことができなくて。最近やっと、子供連れで会ったり、お互いの夫に子供を預けて2人だけでランチをしたり。誰かと一緒にご飯を食べることや、実際に会っておしゃべりできることが、こんなにも楽しくてうれしいことなんだという発見もありました。仕事をしていなくたって、私は私。そう思えることが今は本当にうれしいし、アドレナリン全開で張り詰めていた頃よりも、気持ちがラクになったかも」

環境や経験によって変化していく自分をおもしろがり、健やかに受け入れる。ひたむきさがにじむ凜とした美しさに加え、柔らかさという武器を手にした北川さんの瞳は、これまで以上に吸引力を増している。

「映像の現場では特に、目の表現を意識してきました。若い頃はとにかく大きく、強く見せたかったし、メイクで盛り盛りにしていたことも。でも今は、ふっと力の抜けた美しさもあるなと思ったり。年齢に合った、いろんな目の表現に挑戦していきたい。笑ったときにシワができたっていいですしね。それだけ、人生経験を重ねてきたという証だから」

立ち止まるからこそ見える景色がある。自分の意外な一面をたくさん見つけた一年でした
北川景子さん

北川景子/Keiko Kitagawa
1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年に俳優デビュー。近年の主な出演作はドラマ「リコカツ」、映画「キネマの神様」、「大河への道」、「ラーゲリより愛を込めて」など。2023年はドラマ「女神の教室〜リーガル青春白書〜」、NHK大河ドラマ「どうする家康」に出演。

【INFORMATION】

2023年1月9日(月)スタート
北川さん主演ドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』

北川景子さん主演ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」
©フジテレビ

法科大学院に実務家教員として派遣された裁判官の柊木雫は、法律だけでなく、人を知ることの大切さを学生たちに教えていく。「置かれた場所で頑張る姿は、私自身の信条にも通じること。働く女性に共感してもらえると思います」フジテレビ系にて2023年毎週月曜21時〜

撮影/中村和孝 ヘアメイク/板倉タクマ(nude.) スタイリング/林 峻之 取材・文/松山梢

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