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日本まちやど協会が、町のささやかな日々を綴る雑誌『日常』を作る理由

  • 2022.12.20
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町の銭湯や書店のささやかな日々を綴る『日常』。日本まちやど協会はなぜ今、雑誌を作るのか

地域を見直す、まちやど協会刊行誌

町の銭湯や書店のささやかな日々を綴る『日常』。発行元は、全国25のまちやどが名を連ねる日本まちやど協会だ。「まちやど」とは「町全体を一つの宿に見立て、地域の魅力を伝える事業」のこと。編集長の川口瞬さんも、神奈川・真鶴で“泊まれる出版社”を営んでいる。

「2020年の緊急事態宣言で協会の宿すべてが営業停止になり、情報交換を兼ねて週1回Zoom会議を開いたんです。そこで“時間もあるし、まちやど本を作りませんか”と提案が出て」。

編集を任された川口さんは、試行錯誤の末、雑誌にしようと思い立つ。「興味のない人に手に取ってもらうには、宿以外の情報も載せたい。それに、本だと宿カタログになるけど、雑誌なら毎号違う宿を記事にできると思って」。

編集部員が注目するのは、決まって老若男女が集まる開かれた場所だという。「取材をしながら気づいたんですが、定義をしなくても、周辺をなぞれば、まちやど的なものが現れてくる。だからこそ、答えを書きすぎないよう意識しています」

『日常』

雑誌『日常』の書影
2021年創刊。地域の入口となっている人々を取材し、日常を再発見する。2号目の特集は「暮らし、なりわい、まちやど。」。表紙はデザイナーの吉田勝信が作った見本を基に、書店員が白枠にペンで描いて完成させる。2,000円。
雑誌『日常』の誌面
「まちやど百景」には愛知・岡崎のマイクロホテルアングルが登場。特集の一つ、横浜・妙蓮寺の本屋〈生活綴方〉は写真もたくさん。

profile

川口 瞬(『日常』編集長

かわぐち・しゅん/1987年山口県生まれ。学生時代に出版社でインターンを経験。就職後に自費で雑誌『WYP』を制作し、2015年に妻の來住友美と宿泊できる真鶴出版を立ち上げる。

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