白くまのナヌークのつぶやき。「宇宙のこと。」

宇宙はいいなぁ。遙か彼方から光を届けている星々や、誰も知らない宇宙の果てを想像するのもいいけど、毎朝当たり前に昇ってくれる太陽もいい。太陽は毎日頭上にいるけど、まれに日食で見えなくなることがある。天照大神が岩戸に隠れた話は、皆既日食のことだったなんて説もあるみたい。いつもと違う空に、大昔の人は恐れ慄いたかもしれない。人は、当たり前のことが当たり前でなくなって初めて「当たり前」の幸せを知るのかもしれないなぁ。当たり前ってありがたい。

絵・文／水野 学

みずの・まなぶ／クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。著書に『センスは知識からはじまる』『世界観をつくる「感性×知性」の仕事術』（ともに朝日新聞出版）。