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「昔は朝までパーティーしたなあ」はアウト…クリスマスネタでバレる一流上司と三流上司の決定的違い

  • 2022.12.18

そろそろ職場でもクリスマスが話題になるころだ。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「昔のクリスマスはこうだったという話は若者をうんざりさせます。でも『この人は話が通じる』と慕われる上司は、同じ昔話をしても印象がまったく違う。昔話をした後のひと言が肝心なのです」という――。

オフィスでのパーティー
※写真はイメージです
クリスマスの話題を関係づくりの雑談にするには?

12月になると、職場でもクリスマスの話題が増えてきます。あなたも若手社員になにげなく「クリスマスはどうするの?」と話を振ることはありませんか。もちろん、お互いの関係性にもよりますが、自分としては軽い雑談のつもりでも、もしかしたら相手はプライベートについて聞かれるなんて煩わしいと思っているかもしれません。

特に最近の若手社員は、プライベートの時間を仕事と切り分けて大事にする傾向にあります。そのため、部下のプライベートに踏み込むとハラスメントになってしまう恐れから、まったく関心を示さないようにしているという声も聞きます。

しかし職場での良好な関係づくりには、ある程度雑談などの日常会話を交わすことが必要です。そして、こうした職場の円滑なコミュニケーションがいざというときに相談しやすい環境など、人材育成や離職率低下にもつながります。そこで、今回は、季節ネタのクリスマスを話題にするときのコミュニケーションの注意点を考えてみましょう。

イマドキの若者がドン引きするクリスマストーク

若手社員がうんざりする原因としてまず挙げられるのが、上司が相手の気持ちを考えず、自分本位でプライベートに踏み込んでしまう場合です。

ありがちなのが、「クリスマスは○○するのが定番」という決め付け発言です。例えば、クリスマスはカップルで過ごすのが定番、予定を入れて出かけるのが当たり前……と勝手に決め付けて話を振ってくるパターンがその一つです。

例)
上司「クリスマスはどうするの?」
若手社員「いえ、別に……」
上司「え、何もないの? そんなことないでしょう? デートの予定ないの?」

クリスマスをどう過ごすかは個人の自由ですし、そもそも予定があってもなくても、上司に言いたくなければ言う必要もないわけです。このような決め付け発言は、プライベートに踏み込んでくるという印象になりがちです。自分本位は避けて相手の反応を観察しながら会話を進めるのが、嫌な気持ちにさせないコツです。

「昔のクリスマスはこうだった」トークはご法度

次なる上司の迷惑トークは、昔話や自慢です。若い人たちからしたら、上司の昔話・自慢話は興味がないはずです。

若手に「クリスマスどうするの?」と質問しておきながら、話を奪って「私が、あなたくらいのころには、有名なイタリアンを予約してディナーを楽しんだものよ!」とか、「みんなでお店借り切って朝までパーティーしたものよ!」など「昔はこうだった」と一方的に話していませんか。そんなことをしようものなら「興味がない自慢話・昔話に突き合わされて迷惑」と煙たがられてしまいます。

それでも、昔話をしたいときには1分以内に収め、「今は時代が違うよね」と価値観や時代の違いを理解していると伝えましょう。そして「今のトレンドってどんなの?」と今の世代のクリスマス事情を教えてもらう態度を見せると“話が通じる上司”という印象になります。

職場でクリスマスの予定を聞かれたときのかわし方

さて、クリスマスの予定は「家族で団欒」という人ばかりではないでしょう。ここからは、上司や同僚からクリスマスの予定を聞かれたときのうまいかわし方について見ていきましょう。

クリスマスの予定がないことを気にする必要はありませんが、プライベートなことを職場の人にとやかく詮索されるのは煩わしいと思うこともありますよね。

パーティーで退屈な女の子
※写真はイメージです

そこで、プライベートなことを詮索されたくない方におすすめなのが、普段から周囲に「自己開示」をしておく方法です。自分から話すなんて逆なのでは? と思うかもしれませんが、自分が話したいことだけを選ぶのがポイント。例えば、愛犬の話、推し活のことなど、この程度なら話してもOKというプライベートな情報を提供しておくのです。

あなたともっとコミュニケーションを取りたくてクリスマスの予定を聞いてくる上司や同僚への対処法として、言いたくないことは言わないけれど、言っても差し支えないことはオープンにしておく。そうすれば、クリスマス以外の話題で雑談ができるので、しつこく詮索するようなことは少なくなるかもしれません。少々面倒かもしれませんが、職場のコミュニケーションが円滑な方が業務効率も上がりますし、自分が働きやすい環境を整えることにも繋がります。

それに、同僚や上司に「クリスマスはどうするの?」と聞かれたときに、あなたの趣味が周知の事実なら、「はい、うちのトムくん(犬の名前)に、ペット用ケーキを予約しました」「推しと一緒に過ごします(ファンのタレントやアニメのDVD鑑賞)」といったように、話題をすり替えやすいので便利です。

上司の「クリスマスはどうするの?」は受け流す

上司に「クリスマスはどうするの?」と言われたときはどう答えるべきでしょうか。「別に何もありません」ときっぱり答えてもいいのですが、それだと、興味のない相手から誘われてしまったり、同僚や上司から「予定のないかわいそうな人」といらぬ同情をされたり、勝手にマウントを取られたり、「え、なんで?」とつまらない会話に付き合わなくてはいけなかったり……と面倒なことにもなりかねません。職場や仕事関係者に対して無下に扱う態度も取りにくいし、いったいどう返せばいいかと悩む人も多いようです。

まず、かわし方で大切なのが「嘘」はつかないこと。適当な嘘を並べてしまうと、後でつじつまが合わなくなる可能性があるからです。もし、約束がないのに「約束がある」というと嘘になってしまいます。

ただし、嘘は言わないけれど、本当の事を言う必要もありません。そこで、使いやすいのが「予定がある」という理由です。例えば「美容院に行く予定」でも「家でテレビを見る予定」でも「予定」に変わりはなく、決して嘘にはなりません。

話が長くなりがちな上司にクリスマスの予定を聞かれたときに、秒速で会話を終わらせたいという場合には、こんな受け流しフレーズはいかがでしょうか。ただし真顔だと、きつい印象になるので笑顔で軽く返しましょう。

パターン別「受け流しフレーズ」
・仕事を理由にする

「はい、予定があるので残業はお断りします」
「クリスマスの日、仕事があると思って一応空けておいたんですが、予定を入れてもいいですか」

・開き直る

「クリスマスもお正月も家でのんびりするのが一番です」

・家族を理由にする

「うちは、昔から誕生日やクリスマスは家族でやるんです」

同僚は質問返しやトリミング話法でかわしましょう。

・相手の予定を聞いてあげる

同僚がクリスマスの予定を聞いてくるのは、自分の予定を聞いてほしい“振り”の場合もあります。そこで、「○○さんは何か予定はあるの?」と逆に聞いてあげる「質問返し」も一つの方法です。相手がしゃべりはじめたら「へえ、いいね!」とあいづちで話を促して、たくさん聴いてあげると喜ばれます。

・トリミング話法で返す

曖昧な返事で済ませたいときには、「トリミング話法」はいかがでしょうか。これは、写真の必要な部分だけ切り抜き、画像の周囲にある部分を非表示にしてトリミングをするように、話も全体像を明らかにせず、一部分だけを切り取って伝える方法です。

例えば、質問に対して「どこに行こうか今、色々検索中なんです」「どこに行こうか迷っているんです」と「どこかに行くつもり」という部分だけを切り取って返すと、一人なのか、誰かと一緒かは伏せたまま、お出かけスポットに話題をすり替えやすくなります。他にも、「そうですね、どこに行っても混んでいるので、デパ地下に寄って美味しいワインとおつまみを奮発して家で楽しみます」と言えば、これも誰と一緒かについては一切触れていないので、一人なのか、それとも、家族か、友人か、恋人かなど、誰と一緒かは、相手は分かりません。それでも、具体的なことを話しているので、付き合いにくい人という印象にはならないと思います。

パーティーや飲み会などのイベントに誘われた場合の断り方

クリスマスパーティーや飲み会など、年末年始は職場のイベントに誘われる機会が増える時期です。もし、気が乗らなくて断りたいときには、①相手の言葉をオウム返しにして傾聴姿勢を示す、②誘ってくれたことに対して感謝の言葉を伝える、③「クッション言葉+予定があります」で断りの印象を和らげるという3ステップの伝え方フレーズだと角が立ちにくいでしょう。

感じ良く飲み会を断るフレーズ例

①「来週クリスマスパーティーがあるんですね」……オウム返し
②「誘ってくれてありがとうございます」……感謝の言葉
③「ただ、あいにく予定があるんです」……クッション言葉+予定がある

他にも「近々高齢の親と会うので、念のため大人数でのお酒の席を控えているんです。落ち着いたらまた誘ってください」など、家族を理由にするのも一つの方法です。もし、飲み会そのものに誘われたくない場合には、「お酒が飲めないので、お酒の席は控えているんです。ぜひランチをご一緒させてください」というように、お酒の席がNGと理由を伝えた上で、代替案もセットにすると感じが悪くなりません。

クリスマスのような季節ネタは職場の職位や年齢を問わない共通の話題なので、うまく活用すると誰とでも会話が弾みます。ぜひお互い嫌な気持ちにさせない配慮や、うまくかわす会話術で快適な距離を保ちつつ、職場のコミュニケーションを円滑にして、楽しい年末年始をお過ごしください。

阿隅 和美(あすみ・かずみ)
WACHIKAコミュニケーションズ代表
青山学院大学経営学部卒業。中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当。20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わる。アナウンサー名は瓶子和美。現在は、TV現場で培った技術を活かし、ビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演を行っている他、経営層・管理職、エグゼクティブリーダー向けプレゼン・スピーチのパーソナルトレーニングやコンサルティングなどを実施している。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)、『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)があり台湾でも翻訳されている。ホームページ

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