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なぜ韓国代表DFは「日本が羨ましい」と伝えたのか 選手が訴えるKリーグの協力と代表監督への信頼【韓国の視点】

  • 2022.12.16
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イタリア・セリエAの強豪ナポリに所属する韓国代表DFキム・ミンジェ(26)は、韓国を出国する直前、報道陣に「正直、日本が羨ましい」と伝え注目を集めた。

ベスト16敗退に終わったカタールW杯では主力として活躍しながらも、メディアの前では常に発言を慎んできたキム・ミンジェだが、決心したかのように、韓国サッカー界が変化しなければならない点を指摘した。

キム・ミンジェが隣国・日本を言及したのは、代表チームにおける選手間の競争で最も大きな軸を成す“欧州組”の比重が増えることを願うためだ。

今回のカタール大会でアジア勢初のW杯2大会連続ベスト16進出を果たした日本は、最終エントリー26人中19人が欧州組だった。前回の2018年ロシア大会でも23人中14人が欧州組だった。一方、韓国はカタール大会で8人、ロシア大会で5人しかいなかった。

日本に後れを取る「欧州進出問題」

 

韓国はFWソン・フンミン(30、トッテナム)のように飛び抜けたスター選手こそいるものの、欧州ビッグリーグでプレーする選手の数では、2000年代以降で日本に後れを取っている。

ビッグリーグでなくても、欧州の中小リーグに挑戦する人数も日本が大きく圧倒している。選手個人の意思の問題もあるとはいえ、兵役問題など、韓国人選手特有の現実的なハードルもある。

ただ、キム・ミンジェが指摘した部分はそこではない。国内Kリーグの各クラブに“協力的な姿勢”を求めたのだ。昔と比べて最近こそ多くのクラブが選手の海外進出に共感し、譲歩しているが、依然として一部では“高額な移籍金設定”などの障害物を置いているという話だ。

(写真提供=韓国サッカー協会)キム・ミンジェ

キム・ミンジェ自身は全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースでプロデビューした後、中国の北京国安(現・北京FC)を経て欧州に進出。昨季にトルコのフェネルバフチェで活躍し、今季からセリエAに挑戦している。

「(Kリーグの選手が欧州に進出するには)クラブと解決しなければならないことが多い。移籍金も高い。あえて一言言うならば、もし欧州クラブからオファーがあれば、(クラブから)快く送り出してほしい」とキム・ミンジェは強調した。

代表監督を「信じてあげなければならない」

 

キム・ミンジェが投じたもう一つの話題は、韓国代表監督に対する“4年保障”だ。

彼は韓国をW杯ベスト16に導き、大会限りで退任したパウロ・ベント監督の後任について問われ、「信じてあげなければならない」と断言した。

それとともに、「監督が望むサッカーを長い時間をかけて構築しなければならない。当然、結果を出す必要はあるが、失敗した場合でも、それも過程の一部だと思う」と伝えた。

次期監督に十分な時間を与えなければならないというのは、キム・ミンジェだけでなくMFファン・インボム(26、オリンピアコス)やMFペク・スンホ(25、全北現代モータース)、MFイ・ガンイン(21、マジョルカ)など、4年後の2026年北中米W杯で主力を担う若手世代の誰もが同じ考えだ。

これまで韓国サッカーは世界の舞台で“辺境の国”として過ごし、2002年日韓W杯のベスト4を基点に跳躍の足場を築いたはずだった。

しかし、W杯周期の4年契約をすべて満たして去ったのは今回のベント監督ただ一人しかいない。

これまでの監督たちはアジアカップやアジア最終予選など、W杯本番に向かう過程で成績不振に陥ると、すぐに“途中下車”を余儀なくされてきた。ロシアW杯アジア最終予選で脱落危機に瀕したウリ・シュティーリケ監督を除けば、概して“局面転換用”にその座から降ろされ、緊急で代替者が選ばれるケースが多かった。

(写真提供=韓国サッカー協会)パウロ・ベント監督(右)

多くの選手がベント監督体制で4年間を経験したことで、長期的観点での監督選任に共感している。

W杯期間に本紙『スポーツソウル』のコラムニストとして活動した元韓国代表MFイ・チョンヨン(34、蔚山現代)も、「一人の監督の下で同じスタイルのサッカーをしてきたからか、歴代W杯でも最も選手たちが楽にプレーしている様子が確実に感じられた」と話した。

カタールW杯のベスト16進出により、次期監督は来年に行われるアジアカップから冷静な評価を受けるしかない。 韓国サッカー協会(KFA)がベント監督との再契約の交渉過程で「1(アジアカップ)+3年」の案を提案したのも軌を一にする。

今回のW杯で、選手はもちろんファンも 「監督に十分な時間を与えてこそチームの完成度が上がる」というのを実感した。だからこそ、キム・ミンジェの「信じてあげなければならない」という発言も今まで以上に切実に聞こえるわけだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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