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徹底して『アバター』の道徳を守り続ける、プロデューサー・ジョン・ランドーの苦労

  • 2022.12.16
プロデューサー・ジョン・ランドー

『アバター』のエートスを崩さぬために

公開直前の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の舞台は主に海中。プロデューサーのジョン・ランドーは、ジェームズ・キャメロン監督と共にロケハンを兼ね、ダイビングトリップを敢行したという。

「さまざまな角度からラグーンを見ている最中から“どの3Dカメラを使う?”とか話し始めて。監督は、最新のテクノロジーを駆使して、観客に映画館で可能な限りリアルな自然を体験してもらいたい。ベストに近づけるために妥協しないんだ。きっと、みんなが驚く作品になっていると思うよ」

プロデューサー・ジョン・ランドー

神秘の星“パンドラ”が、神格化する理由とは

毎度、新作製作の時は、公開直前まで作業を続けるジェームズ・キャメロン監督の代わりに、同作のプロデューサーであるジョン・ランドーが、完成したフッテージムービーを持って来日。最新の3D技術を駆使した映像は短いが、リアルそのもの。製作現場はどんなものだったのか。

「ジム(キャメロン)の新作製作はストーリーから始まる。まず、メモを含む、1500ページの構想を書いてきたんだ。アイデアの中にはゲーム向きのもの、コミック向きのものがあって、それを精査しながら、映画4本分の物語を作った。

それで、デザイナーと脚本家を雇ったのが2013年。物語同様、『アバター』ではキャラクターデザインも重要。登場人物の造形が見えてきたら、脚本家と共有して、物語に生かしていく。逆もまたしかりで、スクリプトからキャラクターの特性が生まれることもあった」

本作は、映画5部作中の2作目。さらにゲーム2本、コミックスと、広がり続ける『アバター』の世界。もちろん、ランドーがすべてを統括している。

「それぞれメディアは違うけど、『アバター』の世界には共通したエートス(道徳)がある。シリーズものは多いけど、細かいところが統一されていないと、急に冷めるでしょ?そうならないよう、心を鬼にして、徹底するようにしているよ。僕の生活?そうだね、一日の70%は映画のこと。もう70%はほかのことをしている(笑)。ジムみたいな天才と仕事をするとこうなるんだ」

スニーカー
新作公開に合わせて発表されるアバタースニーカー。「靴のパーツは、植物繊維で作られている。映画同様、自然から奪うのではなく、自然と調和するためのもの。履き心地も抜群だよ」とランドー。

Information

アバター

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

監督:ジェームズ・キャメロン/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/舞台は前作から10年後の設定。神秘の星・パンドラの一員となったジェイクは、ナヴィの女性ネイティリと結ばれ、平和に暮らしていた。そこに再び人類が現れる。12月16日、全国公開。

profile

JON LANDAU

ジョン・ランドー/1960年米・ニューヨーク生まれ。90年代前半、20世紀フォックス映画・長編映画製作部門の副社長時代にジェームズ・キャメロン監督と出会い、『タイタニック』(97年)、『アバター』(2009年)などを発表。現在は、キャメロンの製作会社、ライトストーム・エンターテインメントのプロデューサーでもある。

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