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WBCで侍ジャパンと宿命の対決も…韓国が“完全体”を大会直前まで揃えられないワケ

  • 2022.12.15

かつて、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)における野球韓国代表の善戦には“コリアン・ビッグリーガー”の存在がいた。

ベスト4神話を成し遂げた2006年WBCでは、パク・チャンホ、ソ・ジェウン、キム・ビョンヒョン、キム・ソヌ、ポン・ジュングン、ク・デソン、チェ・ヒソプと一挙7人ものメジャーリーガーが最終エントリーに含まれた。

準優勝を達成した2009年WBCでも、当時クリーブランド・インディアンスで中心選手だったチュ・シンスが、韓国代表のユニホームを着て熱くバットを振り回していた。

“メジャーリーガー内野陣”構成に期待も…

 

反面、1次ラウンド敗退に終わった2013年WBCでは韓国代表メンバーにメジャーリーガーがいなかった。2017年WBCも当時セントルイス・カージナルス所属のオ・スンファンが唯一で、同年も1次ラウンドで大会を去った。それでも、オ・スンファンは韓国が唯一勝利した台湾戦で1勝を収めた。

そして今回、来る2023年WBCでは再び多彩なメンバーで代表が構成される見通しだ。

11月に発表された予備エントリー50人には、キム・ハソン(27、サンディエゴ・パドレス)、チェ・ジマン(31、ピッツバーグ・パイレーツ)、トミー・エドマン(27、セントルイス・カージナルス)、ロブ・レフスナイダー(31、ボストン・レッドソックス)、さらにはレッドソックスの戦力外となったパク・ヒョジュン(26)などが含まれた。

最終エントリーは30人。韓国野球委員会(KBO)は、早ければ来月中旬ごろまでに最終エントリーを決定する計画だ。

今大会は2006年WBCに次いで多くのメジャーリーガーが韓国代表に選ばれる可能性が高い。遊撃手キム・ハソン、二塁手エドマン、一塁手チェ・ジマンという現役メジャーリーガーによる内野陣の構成も夢ではない。

(写真提供=AP/アフロ)キム・ハソン

韓国代表のスタートラインは、来年2月14日に予定されている米アリゾナ州ツーソンでのキャンプだ。国内KBOリーグ所属選手は同日から代表に合流し、WBCに向けた準備を進める。

メジャーリーガーたちはやや遅れて代表に合流する。キム・ハソンは先週、「MLB球団の方針に従って、2月まではパドレスのキャンプに参加する。パドレスで2月のオープン戦を戦った後、代表に合流すると聞いている」と話していた。

2017年WBCでもそうだった。当時カージナルス所属だったオ・スンファンは、WBC本番を控えた時点で代表に合流した。カージナルスのキャンプで実戦に向けた準備を行い、MLBのオープン戦を一度消化した後、代表に合流した。一般的に、メジャーリーガーたちは2月までは各所属球団のキャンプに参加した後、代表で最後の準備を進める。

すなわち、韓国代表がメジャーリーガーも合流して“完全体”となる時期は3月初めになる見通しだ。

韓国代表は2月のアリゾナキャンプ以降、3月1日から4日までは自国の高尺(コチョク)スカイドームで練習を実施。その後、日本の大阪に移動し、3月6日にオリックス・バファローズ、7日に阪神タイガースとの強化試合に臨む。

WBCの初戦は3月9日、東京ドームで行われるオーストラリア代表戦となる。翌10日には侍ジャパン(日本代表)と対戦する。

もっとも、メジャーリーガーの合流が韓国代表の成績を保障するとは限らない。相対的に戦力の薄い投手陣にメジャーリーガーが合流できなかったのは惜しい部分だ。

それでも、守備が重要となる短期決戦において、キム・ハソンとエドマンが二遊間のコンビを組むことになれば、韓国にとって大きな力になるだろう。2人はメジャー現地でも高い評価を受けている。

さらにレフスナイダーは、今季メジャーで57試合177打席を消化し、打率0.307、OPS(出塁率+長打率)0.881と活躍した。主戦場は外野だが、一塁手など複数のポジションを消化することができ、ラインナップに流動性をもたらす。

これまでとはさまざまな面で違ったカラーを持つ韓国代表になる可能性が高い。代表に馴染みのない選手でも、戦力として役に立つのであればユニホームを渡すのがKBOの方針だ。

KBOの選手とメジャーリーガーが調和を成し、その過程でお互いの長所を学ぶこともある。来年3月の本番で、韓国代表が直近2大会のWBCとは違った結果を生み出せるかに関心が集まっている。

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