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冬の魚「ハタハタ」は、漢字表記がなぜ神の魚「鰰」となるの?

  • 2022.12.14

冬の魚として知られているハタハタは、漢字表記が「神の魚=鰰」となります。 ここでは、ハタハタの漢字表記がなぜ「鰰」となったのか、その理由や「ハタハタ」という名前自体の由来について見ていきましょう。

ハタハタとは

 

ハタハタは、スズキ目に属する魚の一種です。 大きな眼と口を持ち、ひれもとても大きなものを有しています。

生息地

ハタハタは深海魚の一種で、水深が約0m~550mもしくは約100m~400mほどの泥や砂の海底に主に生息しています。 岩場や海峡などに生息していることもあります。

生息域となるのは、日本海やオホーツク海の他、千島列島やカムチャッカ半島です。 日本では特に、秋田県や新潟県などが高い漁獲量を誇っています。

大きさや姿

そんなハタハタは見た目も特徴が多くあります。

まず、体に鱗はありません。 口は上を向いて付いており、その口には小さな歯が並んでします。 背びれは前後で完全に分離しています。

特に目を引くのが胸びれで、非常に発達した大きいものとなっています。

寿命は約5年前後とされており、成魚でも体長は平均約20cmほどとなっています。

ハタハタの旬

ハタハタは、国内でも漁獲される場所で旬が異なります。

秋田周辺では、11月後半から1月の雌が卵をたくわえている時期が旬とされています。

鳥取では、9月から明くる5月までが旬とされています。 こちらは、産卵に参加しないので卵こそ無いですが、代わりに脂がのっているとされています。

ハタハタの名前の由来

 

ここからは、ハタハタという名前の由来について見ていきましょう。

雷から付けられたという説

ハタハタは、別名でシロハタやミナリウオとも呼ばれています。

現代では「ゴロゴロ」とされる雷の擬声語ですが、当時は雷鳴を「ハタハタ」と表現していました。 この雷の擬声語からハタハタと呼ばれるようになったとされています。

また、古くは雷が鳴ることを「はたたく」「はためく」と言っていました。 「ハタハタ」という言葉はそこから生まれたともされています。

このような呼び方が定着したのは、雷が鳴る11月頃に獲れる魚だったことから来ているそうです。

冬の日本海から付けられたという説

ハタハタは、冬の荒れ狂う日本海の様子から付けられたという説もあります。

冬の日本海は非常に荒れやすく、波も激しいことで知られています。 その様子を昔の人は「波多波多(はたはた)」と呼んでいました。 ハタハタは海が荒れる冬に獲りに行く魚だったことから、その海の様子からハタハタと名付けられたともいわれているのです。

胸びれが大きいことが由来とする説

他にも胸びれがが大きいことに由来しているという説もあります。

目を引くハタハタの大きな胸びれを、昔の人は「はた」と呼んでいました。 そこからハタハタという名付けられたとされているのです。

ハタハタの漢字表記

 

ハタハタの漢字表記は「鰰」、「神の魚」となります。 とても仰々しいこの表記は、名前にも関係があるとされます。

神の魚「鰰」と書く理由は雷?

雷の擬声語とされる「ハタハタ」は、「霹靂神(はたたがみ)」という言葉が語源ともされています。 霹靂神とは鳴り轟く雷のことで、神の意や雷神を指すとされていました。

そこから雷の鳴る時期に獲れる魚のハタハタに、神の魚「鰰」という字があてられたんだとか。 ハタハタには神を彷彿とさせる「神魚」や「神成魚」という表記がされることもあります。

また、体の模様が富士山に似ていてめでたい魚の象徴だったことから、神のような存在という意味で名付けられたという説もあります。

その他の漢字表記

ハタハタには、「鰰」以外にも漢字表記がありますのでご紹介します。

海が荒れて雷鳴が響き、雷光が降り注ぐ時期に獲れる魚のハタハタ。 そのまま魚と雷を組み合わせた「鱩」という字があてられることもあります。

斑斑

背中に独特の斑紋があるため、斑という文字を2つ重ね「斑斑」と表記されることもあります。

まとめ

ハタハタ、その名前自体は漁獲時期に関係するとされています。 主に冬の日本海で漁獲されるハタハタ。

その時期の日本海は雷が鳴り、海が荒れる時期でもあります。 そのため、雷の古い擬声語「ハタハタ」や、海の荒れた様子を指す「波多波多」が由来としてあげられます。

漢字表記が神の魚「鰰」となるのは、名前の由来とされる擬声語から来ているとされます。 「ハタハタ」という名前は、神の意や雷神を指す「霹靂神」から来ているともされています。 この神を連想させる時期に獲れる魚なので「ハタハタ」が「鰰」という表記になったとされています。

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