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【佐々木依里のメディテーションジャーニー】自己肯定感と自己効力感と瞑想の関係

  • 2022.12.14

内閣府の調べによると日本人の自己肯定感は、他国に比べて低い傾向にあります。なぜ日本人の自己肯定感が低くなってしまったのか、その背景には日本文化特有の環境が深く影響しているそうです。

例えば日本では何か褒められる場面で「お上手ですね」と言われても、『いえいえ、それほどでも』と謙遜して返すことがよしとされてきました。控えめで慎ましい態度であることが重んじられるために、へりくだった表現が多いのです。しかし謙遜やへりくだった言い回しに慣れ過ぎて、言葉の影響が意識に及んでしまう事もしばしば。

自己主張とは本来、社会において自分の意見を話し考えや欲求を他者に伝える手段ですが、調和性を強いられ自己主張を控えることを求められる場面も多く、自分の意見や主張よりも他人の意見に合わせることに慣れてしまったのかもしれません。

謙遜が当たり前になった状態で自己を肯定するためには、「お上手ですね」『いえいえ、それほどでも』このやり取りの後に、「いえ、本当にお上手ですよ」という謙遜を否定する、否定の否定が生まれて初めて肯定ができる状況になっています。これはとても複雑ですし、自己肯定感が上がるとは思えません。

しかし、褒め言葉である「お上手ですね」に対し、シンプルに『ありがとうございます』と返せていたら、誰も嫌な気分にすることなく素直に褒め言葉を受け取ることができます。とても単純なことですが、褒め言葉に対して謙遜ではなく素直に受け取る練習をしていくのも自己肯定を上げていく事に繋がります。

自己肯定感とは“ありのままの自分を肯定する、好意的に受け止めることができる感覚”、つまり自分を尊重し、自分を大切にできる感覚のことです。また最近ではさまざまなシーンで自己効力感も耳にするようになりました、自己効力感とはスタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラ博士によって提唱された心理学用語で、“自分ならできると信じる感覚”つまり自分を信じる力を指します。自己効力感も自己肯定感も、対人関係や社会生活で全ての基本となる自分への愛であり信頼を表します。

そこで瞑想には、自己肯定感や自己効力感を高める力があると勘違いされる事もありますが、実際にはそうではありません。瞑想で行うのは、ただ座ってまずは呼吸に気づくこと、そしてその先で自分自身に気づくことです。ありのままの自分自身の姿や、弱さ、自分の内側に渦巻く感情などに気づき観察していくことで、受容していくこと。そこには否定も謙遜もありません。ただただ観察する、ありのままを見ていくことで、結果として自己肯定感などが高まります。

私が自分自身を見つめる瞑想としておすすめするのは、マインドフルネス瞑想です。そして自分を信じる力を養うのにおすすめなのは、慈悲の瞑想です。自分の幸せを思い、誰かの幸せを思う、このエネルギーは自分や他者を信じる力を与えてくれます。

2022年も残りわずかです。瞑想を通して自分に気づき、自分を大切にして新しい年に向けて自己肯定感を上げていきましょう!

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