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渋谷区にできた美しいトイレが世界的名監督によって映画化!ヴィム・ヴェンダースが作品に込める想いとは。

  • 2022.12.13
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出典 andpremium.jp

国内外の人気クリエイターたちによって生み出された、個性豊かな公共トイレ。

隈研吾やNIGO、マーク・ニューソンなどさまざまなクリエイターを巻き込み、渋谷区の公共トイレの再設計に取り組む日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」。プロジェクト発案・資金提供者であるファーストリテイリング取締役グループ上席執行役員の柳井康治さんは、「東京を訪れるあらゆる人に対して、世界に誇れるものを表現したいと考え、見落とされがちな公共トイレに世界最高峰のクリエイティビティを注入することで、人々の意識変容を起こしたいと思いました」と話す。

すでに世界から注目を集めている本プロジェクトだが、なんとこのたび映画化されることに。ことの始まりは、2021年にプロジェクト発案者の柳井さんから、映画監督のヴィム・ヴェンダースさんに宛てられた一通の手紙がきっかけだった。
「“トイレだって?”という驚きが最初の感想でした。柳井さんからの手紙をきっかけにプロジェクトの構想を知るうちに、ひとつひとつのトイレが世界的な建築家たちによってつくられた“建築の宝石”のように思えてきたんです。私はきっとこれらのトイレにまつわる物語を生み出すことができると直感しました」とヴェンダースさんは当時を振り返る。

七号通り公園トイレ(佐藤カズー/Disruption Lab)
鍋島松濤公園トイレ(隈研吾)
恵比寿公園トイレ(片山正通/Wonderwall )
神宮通公園トイレ(安藤忠雄)
神宮前公衆トイレ(NIGO )

できるだけ早く東京に行き、関係者に会って、ストーリーを展開していきたいと考えたヴェンダースさんは、手紙を受け取った半年後に10年ぶりの来日を果たす。
「THE TOKYO TOILETは、“賑やかな渋谷のど真ん中にある静かなオアシス”でした。歩いてトイレを見てまわり、たくさんの写真を撮りました。そして、トイレの管理人でヘッドクリーナーである“平山さん”の美しい物語を構想し始めたんです。その主役には、俳優の役所広司しかいないと考えました。この映画では単なるトイレの日々の手入れだけではなく、彼の人生や価値観についても取り入れるつもりです。トイレを清潔に保つことは単なる仕事ではなく、ものや人に対する態度であり、哲学でもあるからです」

もう何十回と渋谷を訪れているヴェンダースさん。かつては渋谷に6週間滞在し、映像制作に携わったこともある。この街での思い出は数えきれない。
「毎日遅くまで働いていたので、当時の思い出のほとんどが夜の小さなレストランやバーでのこと。人や、おいしい匂いが充満した街の空気が大好きでした。本プロジェクトや今回の映画も、また私にとってまったく新しい渋谷との出合い。渋谷の歴史のハイライトとなり得る出来事だと確信しています」

ヴィム・ヴェンダース(映画監督)ニュー・ジャーマン・シネマ時代を生み出した一人で、現代映画界を代表する映画監督。プロデューサー、カメラマン、作家としても活躍する。
INFORMATION

渋谷区制施行90周年記念特設サイト『渋谷区のちから。』

これまでの区の施策、歴史や文化の振り返りに加え、100周年を見据えたこれからの渋谷区を展望する記念誌が配布中。特設サイトでは、電子版を無料でダウンロード可能。

公式サイトはこちら

text:Takahiro Sumita edit:Momoka Oba

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