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“人間関係”受難の時代に、人に好かれるための3つの法則

  • 2022.12.13

BTSの兵役に学ぶ。1つ目=自分を小さく見せる?

BTSのメンバーが、ついに兵役に入る。最年長のJINが、そういう決断を下したということは、全員がそれに続く覚悟を持った訳で、空白の2年間は今をときめく彼らにとってあまりに長い。

韓国内での世論調査では、6割以上が彼らの兵役免除に賛成していた。でも6割強という数値は極めて微妙である。これが9割以上というのなら、彼らは兵役免除を受けたかも。しかし4割近く反対がいる。反対は賛成より意見として鮮明で力強い。数字以上の重圧があるうえ、もしこれで彼らが兵役を逃れたら、反対意見は増えていくのかもしれない。

少なくとも今はそういう時代。誰かが得をすることを許さない。国の宝に対しても、不公平であることへの疑問のほうが、勝ってしまう時代なのだ。

だから彼らは賢明な選択をしたと思う。まさしく今は、自分を大きく見せるより小さく見せるべき時代だからである。

大きく見せるより、小さく見せる……何だか面倒くさく聞こえるはずだが、それが不公平を嫌う今の時代に、人から好かれる決定的なコツなのだ。

BTSの存在感は明らかに今、世界一大きいが、それでも兵役を拒否すればやっぱり何様?と言われる。王様でもあるまいしと言われる。そうではなくて自分たちは一般の若者と同じなのだという態度を見せたからこそ、みんなちょっと感動した。以前より好きになった人は多いと思う。

ただそれも彼らに自信があるからできた決断。以前から韓流スターの中には、兵役を免れようと画策した人がいたけれど、彼らは自信がなく、もう自分の席はなくなると思うからこそ、そういう小細工に走ったわけだ。逆にBTSはむしろ自己肯定ができるからこそ、約2年の勤めを終えた後の自分自身も肯定できる、そういうことではないか?

全員の兵役が終わるまで何年かかるかわからないが、彼らにはきっとよい未来が待っているはず。つまり誤解してほしくないのは、小さく見せるのは自己肯定感が低いこととはまったく違う。根っこに自信があるからこそ、自分を小さく見せることができるのだと、そう考えてみてほしい。

SNSでいくらでも自己表現ができる時代、多くの人が自己顕示欲を満たしていて、ついつい自分を大きく見せがちだからこそ、あえて引くべきなのだ。今の時代に成功する人は、わざわざ自分を大きく見せたりしない。なぜならば、今は大きく見せてもすぐバレる。だから意味がないと。逆に大きいこともすぐバレるが、小さく見せるのは謙虚というだけでなく、人の心を摑む秘訣。成功の秘訣でもあると思うのだ。現実に、本当に大きい人だけが成功している。まさしく「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」。

人たらしに学ぶ。2つ目=名前を呼びつつ肯定する

令和の時代に人の心を摑む“2つ目のコツ”は、相手を強く肯定してあげること。こんな経験はないだろうか? たとえば会議などの場で、自分が発言している時に、まっすぐにこちらを見ながらウンウンと頷いてくれる同僚を、何だか突然好きになってしまうようなこと。

相手が男だろうと女だろうと、そういう場面では確かに心が動かされる。そして相手の存在が何倍にも大きく見える。自分の意見をキラキラした目でまっすぐ見ながら大きく頷いてくれる人は、そこに100人いても一人だけスポットライトを浴びたように光り輝いて見え、一瞬で心を通わせてしまう。そして好きになってしまう。そういうもの。

これは一対一でも同じこと。相手に心臓を向けて目を輝かせながら、ウンウン、そうだねそうだねと頷きながら聴く、それだけでいつの間にか相手の心を摑み、好きにならせているはずなのだ。

とても単純に、自分に集中し、肯定してくれる人を好きになるのは人間の本能。いい意味で“人たらし”と呼ばれる人は皆、こういう相手への集中力を持っているのだ。とくに初対面で相手の心をしっかりと摑んでしまう“人たらし”は、覚えたばかりの相手の名前を何度も何度も呼ぶはず。自分の名前を呼ばれると、大袈裟ではなく、魂を奪われたようにその人のことを好きになるのが人間なのだ。

改めてオフラインの初対面が増える時代、マスクなしの初対面も増える時代、こういうインパクトのある好感度を狙っていく。まっすぐな視線と大きな頷き、そして人懐っこく名前を呼ぶこと、それだけで多くの人の心を捉えられるなんて、何かうれしくならないか。自己肯定感が低いなどという懸念は、どっかに吹っ飛んでしまうはずだ。

パートナーに愛され続ける。3つ目=人生の喜びを次々に提案

そして3つ目、パートナーや友人を末永く惹きつけておく決め手は、ズバリ企画力。次は何をしましょう、今度はどこへ行きましょう、来週はあそこに食事に行きましょう……そうやって常に小さなイベントを提案できること。これは、いつも前向きのベクトルを自らつくり、相手との間に提供できることに他ならない。もっと言うならば、それは人生の喜びを相手に提示し、二人で生きることに飽きさせないテクニック。

人間、不思議なもので、一人で過ごす時間にはあまり飽きたりしないのに、二人で過ごす時間にはとても飽きてしまいやすい。一人で感じる孤独より、二人の間に生まれる孤独のほうがよっぽど深刻と言われるのと同じように、二人で過ごす暇は、一人で過ごす暇よりもはるかに虚しい暇に思えるはずなのだ。

時間がまわりに散らばらず、二人の間に凝縮されるから起きる錯覚……そういう意味でも二人だから楽しいのではない。二人で生きる時にこそ、空虚な時間をつくらない、決して飽きさせない努力が必要なわけで、二人で何を楽しむか、どんどん提案していけるような企画力が不可欠になるのだ。

もちろん会話に飽きないことが何より重要で、永遠に尽きない話題を提供できるのも一つの重要な企画力。会話も一つの小さなイベントと考えるべきだが、それこそ話題づくりにおいては、1つ目の「自分を大きく見せず、小さく見せる」ととってもうまくいく。自分を卑下するという意味ではなく、質問したり、“教えてモード”になったり、自分の存在を引っ込め、相手主体の話をすること、それが愛される決定的なコツなのだ。

今どきは、別に人に好かれなくたっていいと思う人もいるのだろう。人に好かれたいと思うから、辛いことや面倒なことが多くなるのだと。別に嫌われたっていいと思えば楽になる。そういうふうに考える人が少なくないはずなのだ。

でも、この3つをクリアしていくうちに、人に好かれるからではなく、自分自身、生きることが楽しくなる。自分を大きく見せなくていいってすごく楽だし、人に集中することで、視野がどんどん広がっていくし、前向きに次々に小さなイベントを企画していけば、とても単純に人生は充実する。結局のところこの3つ、自分のためにこそ、実践してほしい生き方のコツなのだ。

大体が、わざわざ嫌われる生き方をしなくたっていい。嫌われ者の自分は自分自身も嫌いなはず。これはいつの間にか自分を好きになるための、力みなく自己肯定感を高めるための意外なコツ、そう考えてみてほしい。

そして気がつけば、周囲にどっぷり好かれている。こんなに有意義で副産物も多い生き方のコツはないかもしれない。

自分を小さく見せ、人たらしで、いつも楽しくなることを考えている……素晴らしい生き方だと思う。

自分を小さく見せ、人たらしで、楽しくなることだけを考えている……それはとても自然に自己肯定感を高める、素晴らしき3つのコツ。まわりに好かれる自分は、自分自身も好きになれるから。

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳

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