1. トップ
  2. ダニエル・クレイグ、『007』第一弾公開後からジェームズ・ボンドの死を求めていた

ダニエル・クレイグ、『007』第一弾公開後からジェームズ・ボンドの死を求めていた

  • 2022.12.12
007 CASINO ROYALE - Daniel Craig, 2006

『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)から5作品、15年にわたってジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグ。彼が主演を務めた最後の作品『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)で、ボンドは悲劇的な最期を迎えたが、この構想は『カジノ・ロワイヤル』の公開された2006年から話し合われていたという。ダニエルが「サンデー・タイムズ紙にこう明かしている。

「(プロデューサーの)バーバラ・ブロッコリと一緒に『カジノ・ロワイヤル』のベルリンプレミアから戻る途中、車の中でやっとボンド映画を1本やり遂げたと心から思えた。同時に、大ヒットすることも確信したんだ」「この意味することの大きさを痛感して、あと何本作る? 3本、4本か?とバーバラに尋ねた。すると4本と答えるから、OK、そうしたら彼を死なせることも可能かと聞いた。彼女は了解してくれた」

ダニエルは「これで終わり。これ以上したくないと言った。もしボンドが死んだら、新たなスタートを切れる。バーバラも同じ考えだったと思う」と振り返る。しかし、当初の思惑通り、ボンドを死なせることは容易ではなかったようだ。「スタジオのMGMの反応は、何を考えているんだ、おかしくなったのか、というものだった。スタジオの抵抗にあい、我々は秘密裡に行わなければいけなかった」

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドは、生物兵器の影響を受け、二度と愛する人に触れることができなくなってしまう。これを知った彼は、とても生きては帰れぬミッションで命を落とすことになるが、ボンドの最期についてダニエルはこう語る。「本当の悲劇は、選択肢が完全にないことだ。僕らは、彼の死を選択の余地のないものにする必要があった。でも、これまでで一番幸せなボンドだったと思う。彼は長く求めていたものを見つけた。彼も地球上のすべての人と同じように、愛を求めていたんだ」

Text: Tae Terai

Photo_ Greg Williams/Eon Productions via Getty Images
元記事で読む
次の記事
の記事をもっとみる