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『On The Wild Side』ファウンダー、アン=ソフィー。私として、親として、心地よい生き方を見つけるまで

  • 2022.12.12

フランス生まれのスーパーオーガニックコスメブランド『On The Wild Side』。野生の植物から採取した原料を使用し、100%天然由来にこだわったオーガニックのプロダクトが特徴です。yoiでは、ブランドのファウンダーを務めながら、3人の子どもの親としての顔も持つアン=ソフィー・ナーディさんにインタビュー。「仕事と私」「仕事と家族」のバランスの取り方や、セルフケアのルーティン、プロダクト誕生のストーリーなどを伺いました。

●アン=ソフィー・ナーディ フランス・リヨンで生まれ、薬剤師の家庭で育つ。ビジネススクールを卒業後は、ロクシタンやロレアルなど、世界有数のコスメブランドで働き、化粧品製造のノウハウを習得。その後、「約束された効能」「噓偽りのない安全性」「素晴らしい使い心地」を兼ね備えたプロダクトをつくるべく、2017年に『On The Wild Side』を設立。

シンプルな成分で、最大限の効果を

——『On The Wild Side』を設立するにあたり、さまざまな女性にスキンケアに関してのヒアリングを行なったと伺いました。実際にどのような声が聞かれ、ブランドのコンセプトに反映されたのでしょうか。

年齢や環境が異なる女性たちをいくつかのグループに分け、数カ月にわたってディスカッションを重ねました。すると、多くの人が化粧品の成分について、“自分の肌や体にとって本当に安全なものか”を懸念していることがわかったんです。また、「テレビや広告を見て買ったものの、肌に合わずバスルームに置いたまま」という人が多く、「かといって、使わなくなった化粧品を捨てなければならないのは、自然破壊につながりそうで罪悪感がある」など、環境に意識しながら化粧品を消費することについて、悩んでいる人が少なくなかったことが大変興味深いポイントでした。

自分がつくる化粧品では、そんな思いをさせたくない——。ヒアリングを通して改めてそう考えるようになり、“成分も品数もシンプルで、きちんと効果を実感できる”という今のブランドの軸にもつながっていきました。

『On The Wild Side』ファウンダー、アン=ソフィー。私として、親として、心地よい生き方を見つけるまで_3
(上から)フェイスオイル(15ml)¥6,050・デイクリーム(50ml)¥7,370・クレンジングオイル(100ml)¥5,610

海のある街「ボルドー」への移住がクリエイションに与えた影響

——ブランドを立ち上げた2017年にはパリからボルドーへ引っ越し、大自然での生活をスタートさせたそうですね。

もともと私は、「リヨン」というフランスで二番目に大きい都市で生まれました。その後12年間パリで働いていたので、子どもの頃から大きな街でしか暮らしたことがなかったんです。ところがある日、パートナーから「時間に追われて過ごすよりも、自然がある場所に引っ越してみるのはどうか」と提案されて。思いがけない提案でしたが、とても心が動いたんです。その日のうちに、ボルドーに移住することを決めました。

——ボルドーへの移住は、ブランドでの活動にも影響したのでしょうか。

間違いなく影響しています。まず、パリにいたころよりも生活が便利でなくなったぶん、あらゆる状況にどう対処したらいいかを自分で考えるようになりました。それにボルドーでは、45分もあれば手つかずの海に行くことができる。リヨンもパリも海が近くになかったので、すごく新鮮で。そこで受けるインスピレーションは、都会では絶対に味わえなかったものです。自然のダイナミックでポジティブなエネルギーを取り込むことが、自分自身のクリエイションにいい影響を与えているという手応えを感じています。

家族との時間は、“長さ”ではなく“クオリティ”

——yoiでは、「仕事と私」「家族と私」、そしてそのバランス、といったトピックもよく扱います。アン=ソフィーさんは3人のお子さんを育てながらブランドのファウンダーとして活躍されていらっしゃいますが、それぞれの活動は、互いにどのように影響し合っていますか?

私には現在、10歳、7歳、4歳の息子がいます。想像できるかもしれませんが…家の中では毎日本当にいろいろなことが起こります(笑)。でも、それが自分の大きなエネルギーになっているのは間違いない。だからこそ、家族と仕事のバランスにはとても気を遣っています。

具体的には、平日は徹底的に仕事に没頭する。その代わり、週末は家にいっさい仕事を持ち込まず、必ず家族と過ごす。これは自分の中で必ず守っているルールです。休日はサーフィンに行ったり、自転車で森の中を走ったり、とれたての牡蠣をその場で食べたり、ボルドーだからこそできることを楽しんでいます。「家族との時間は、長さではなくクオリティが大切」という母から言われた言葉を大切にしていて。日々それを実感していますね。

——「できるだけ週末に仕事を持ち込みたくない」と思っていても、どうしてもふと仕事のことを思い出してしまったり、つい作業を持ち越してしまう、ということはないのでしょうか…。平日と休日をしっかり区別するコツがあったら教えてください!

小さい子どもがいて、平日でも夜中まで研究や実験をすることはできないとわかっているので、「今日はこの時間にこれをやる」という1日のアジェンダをものすごく明確に立てています。そのアジェンダも、つくるだけではだめで、きちんと実行していかなければいけない。そこで必要なのは、”決断すること”。何が最も重要で、何なら翌週に持ち越してもいいのか。その判断基準をはっきりさせることがポイントだと思います。

もちろん、休日に「あれをやらなきゃ!」と仕事のことを急に思い出すこともありますし、逆に、家族とリラックスしているときだからこそ、いいアイデアがひらめくこともあります。そんなときは、PCを開くのではなく、仕事に戻ったとき思い出せるようにすぐにメモ。そうすれば気持ちが落ち着いて、また家族とゆっくり過ごすことができるんです。

肌は心を映し出す鏡。内面も含めたケアが大切

——アン=ソフィーさん自身は、気持ちを切り替えたいときやリフレッシュしたいとき、気分を上げたいとき、どのようなセルフケアを取り入れていますか?

「クンダリーニヨガ」という瞑想を取り入れたヨガを6年間続けています。自宅で週に2回、日曜日の夜は必ず行うのがルーティン。1週間でたまったネガティブな想いや疲れが体の中から出ていって、新しく始まる週へのエネルギーが充電できる感じがするんです。私は、『Down Dog』というアプリを使っていますが、その日の気分に合わせて、レベルや所要時間、ヨガ中の音楽もカスタマイズできるのでとても気に入っています。

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——慌ただしい毎日を生きていると、つい自分の肌をいたわる時間をおろそかにしてしまうこともあります。そんなときは、どのようにセルフケアと向き合ったらよいでしょうか?

まず、朝晩、丁寧に洗顔をして肌を清潔に保つことがいちばん大切。そのあとマッサージをしながらセラムを塗って栄養を与えながら老廃物を排出し、最後にクリームで保湿する。私は、この3ステップで十分と考えています。週に一回くらいは、余裕があればスクラブで古い角質を除去するのもおすすめです。

ただ、どんなにスキンケアをしても、日々ストレスにさらされていると、肌あれとなって現れてしまうケースが多い。心と体はつながっていると思うんです。だから、内面も含めてケアしてあげることが大切。『On The Wild Side』は、原材料もシンプルで噓がなく、環境にも人にも優しくつくっています。「肌悩みの解決だけでなく、環境へ負担をかけているという罪悪感もない。香りにも使い心地にも癒やされて、精神的にもいい役割を果たしてくれた」というたくさんのメッセージをいただいていますよ。

——11月には新製品のヘアオイルも発売されましたね。

そうなんです。今回、ヘアプロダクトの一員としてヘアオイルを発売しました。頭皮はとても薄く、つけたものを吸収しやすい。そのため、合成物質はいっさい使用せず、100%天然由来のオーガニック処方にこだわりました。顔と髪はつながっているので、私たちはスキンケアと同じくらいヘアケアは大切だと考えています。どんな髪質の人でも、カラーやパーマをしていても、髪の繊維に栄養を与えて保湿してくれるので、ぜひ手に取ってほしいアイテムです。

『On The Wild Side』ファウンダー、アン=ソフィー。私として、親として、心地よい生き方を見つけるまで_8
ヘアオイル(50ml)¥6,050/On The Wild Side(100%フランス製。ガラス瓶、FSC承認済みパッケージ)

取材・文/吉川由希子 撮影/井手野下貴弘 編集/種谷美波(yoi)

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