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【俳優・山田裕貴さんインタビュー】心が渇くのはもう僕の体質、仕方ないって受け止めています【いま彼】

  • 2022.12.11
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レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は俳優・山田裕貴さんのインタビューをお届け。撮影していても取材で話していても、強烈にひきつけられてしまう圧倒的な存在感を放つ山田さん。画面越しで見る姿も素敵だけど、生の「山田裕貴」はまさに、生々しいエネルギーの塊でした。

答えのあるものに興味がないずっと考え続けていたいんです

出典: 美人百花.com

「僕はどの作品でも〝お芝居をしない〞のが目標。役を演じるのではなく、リアルに生きる。この映画ではそれができたと勝手に思っています」

――最新の出演映画「夜、鳥たちが啼く」で山田さんが「生きた」のは、鳴かず飛ばずの小説家・慎一。その目は暗く風貌も冴えなくて、知らなければ山田裕貴と気づかないほど別人のよう。

「でも僕と慎一はよく似ている。僕も20代前半から27歳ぐらいまでは『オレを見つけてくれ』という叫びみたいなものがすごくたまっていて。今でもその頃の作品を見ることに抵抗があるぐらいだから、慎一の気持ちはすごくわかる。だから、そんな彼の生身の温度を感じながら過ごすことができました。お芝居しているんだけど、僕自身が感じて話して動いているという〝お芝居をしない時間〞に身を置けましたね」

出典: 美人百花.com

――それは役が降りるというより、役と同化している状態に近い。痛々しいシーンも多かったが、しんどくなることはなかったのだろうか。

「ありますあります。『なんでオレを見てくれないんだ』って、ワーッとなって先輩作家の首を締めちゃうシーンとか。実際に誰かの首を締めたことはないけど、それぐらいやり切れない気持ちになった経験は仕事でもあるから、撮影中はそのときの感情を体感していたと思う。でも、現場を離れれば切り替えていましたよ。ずっと泊まりのロケだったから、マネージャーさんとドラッグストアに行って、いいシャンプーとボディソープを仲良く選んで買ったりする心の余裕はあった。ただ、今振り返ると、急に思い立ってとてつもない変顔の写真をSNSに載せていたりもしたから、たまっているものがあったのかもしれない。猫が毛玉を吐き出すみたいなもんですね(笑)」

――例えば刺されたり切られたり〝痛そうな映像〞は実際に経験していなくても見ているだけで〝痛い〞。山田さんと対峙していると、その感覚をちょっと思い出す。発する言葉も佇まいもすべてがむき出しで血が通い、人柄や想いが皮膚感覚でダイレクトに伝わってくるのだ。ちなみに3年ほど前、とあるインタビューで「心が常に渇いている」と語っていたが、今はどうなのか聞いてみたい。

「まったく変わらず渇いています。その状態に慣れすぎてもはやそういう性格なのかなと。というのも僕は何が正しくて何が幸せで、そのためにどうすればいいのかっていうふうに生き方をずっと探していて。いい作品に出ても、もっとこうできたんじゃないかとか、もっとたくさんの人に見てもらいたいとか思ってしまう。それはもう渇望じゃないですか。しかも際限がない。でも、そこでいちいち悩んでいたら本当に疲れちゃう。なので心が渇くのはもう僕の体質、仕方ないって受け止めています」

出典: 美人百花.com

――その原因は「考えずにいられない」性格で、あえて答えのないイバラの道に進んでしまう。実は常に渇いていたい人なのかもしれない。

「そんなドMじゃないけど(笑)、俳優じゃなかったら心理学とか哲学、宇宙の研究者になりたかった。すぐ正解が出るものに興味がなくて、思考し続けていたいんだと思います。だから『自分はなぜ生きているのか』とか『なんでこういう感情になるんだろう』とかっていう漠然とした疑問も『別にいいや』って考えることをやめたくない。考えずに諦める自分を許せないんです」

Profile

山田裕貴(やまだゆうき)

1990年9月18日生まれ。2011年俳優デビュー。以後、数々のドラマ、映画に出演する他、舞台でも活躍。今年はNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」出演も話題に。2023年には大河ドラマ「どうする家康」や「東京リベンジャーズ2」の公開が控えている。

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Information

「夜、鳥たちが啼く」

出典: ©2022 クロックワークス

小説家デビューするもうまくいかず恋人にも去られ、鬱屈した日々を送る慎一。そんな彼の元に友人の元妻・裕子が幼い息子を連れて引っ越してくる。同じ敷地内の母屋と離れに住むという「半同居」をするうち2人の間にほのかな光が差していくのだが……。

出演:山田裕貴、松本まりか 他

監督:城定秀夫 脚本:高田亮

12月9日(金)新宿ピカデリー他、全国公開

掲載:美人百花2022年12月号「#いま彼を知りたい」

撮影/中村完(f-me) スタイリング/森田晃嘉 ヘアメイク/小林純子 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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