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美しい姿ながらケンカっ早い!冬の渡り鳥の「ジョウビタキ」はこんな鳥

  • 2022.12.10

秋が深まってきた頃に日本に来る渡り鳥「ジョウビタキ」。 人間に対しては警戒心が薄いことから、冬になると住宅街でもその姿を見ることができる野鳥の一種です。

人に対しては警戒心の薄いのですが、仲間同士では非常にケンカっ早い鳥でもあります。 人間に見ている姿とはまるっきり違う二面性のある野鳥ジョウビタキについて、ここでは見ていきましょう。

ジョウビタキの生息域と生態

 

ジョウビタキは体長が12~15cm、体重は13g~20gと非常に小柄な鳥です。 大きさはスズメと同程度ですが、体重はジョウビタキのほうが若干軽いようです。

ジョウビタキの生息

渡り鳥のジョウビタキはチベットや中国北東部、ロシアのバイカル湖といったユーラシア大陸東部で繁殖期を過ごします。 越冬するために日本をはじめ、中国南部、そしてベトナムなどがあるインドシナ半島へ渡ります。 韓国だけは通年その姿を見られます。

900m以下の標高の低い山、もしくは平地にある林に生息することが多いですが、日本では街中にある公園でもその姿を確認することができます。 他にも農耕地や草原にも生息しています。

ジョウビタキの生態

繁殖期の夏頃は昆虫やクモを捕食していますが、昆虫の少ない冬はビラサンカやヒカサキといった小さな木の実を食しています。 巣は樹洞、もしくは崖のくぼみに作ります。 巣の材料になるのは枯れ葉やコケで、それらを使って皿状の巣を製作します。

名前の由来はジョウビタキの姿から

 

名前の由来となった特徴的な頭部の模様

ジョウビタキの漢字表記は「尉鶲」です。 これはジョウビタキのオスには銀色の毛が頭部に生えていることに由来します。

「尉(じょう)」は現在はあまり使われない言葉ですが、『白髪のおじいさん』を意味する言葉です。 昔の人は、ジョウビタキの頭部の模様を白髪に見立てて名付けたようですね。

ビタキの名前の由来

ジョウビタキは『ピッピッ』という高い声と『カッカッ』という打撃音にも似た二種類の鳴き声を組み合わせて鳴いています。 打撃音のような『カッカッ』鳴き声がまるで火を焚く際に火打石を打つ音に似ていることから「ヒタキ」と名付けられました。 そのため、漢字で名前を表記する際は「鶲」ではなく「火焚」とされることもあります。

派手な色をしたジョウビタキのオス

 

ジョウビタキのオスは名前の由来となった銀色の頭部に生えた毛だけではなく、胸や腹部、尾の内側には橙色、翼は黒褐色といった美しい姿をしています。 黒褐色の翼には白い斑点がありますが、この斑点が着物の上に着る『紋付の羽織』に似ていることから「紋付鳥」とも呼ばれています。

ジョウビタキのメスの姿

 

多くの鳥のメスがそうであるように、アピールをオスから受ける側のメスの姿は非常にシンプルな出で立ちをしています。 頭部には銀色の毛は生えておらず、体の大部分をうぐいす色の毛で覆われています。

しかし、尾翼周辺はオレンジをしていますし、翼にはオスと同じく紋付にも似た斑点があります。

けんかっ早いジョウビタキ

 

縄張り意識の高さが喧嘩っ早い性格の原因?

繁殖期間以外、そして日本でその姿を見られる冬季ではジョウビタキはオスもメスもそれぞれ自分の縄張りを持ちます。

自分の縄張りに入った同種に対しては非常に攻撃的になり、同性異性関係なく縄張りから追い出そうとします。 見晴らしのいい高い枝などに止まり頭を下げて鳴くことで縄張りをアピールしていることもあります。

この縄張りのポーズから『お辞儀をしているかわいい小鳥』とも『謝罪をしている鳥』とも形容されることがありますが、このアピールを無視して縄張りに入ってきた同種のジョウビタキとはケンカをはじめるので、人間が抱いているイメージとは間逆の好戦的なポーズとなります。

他の小鳥と縄張りをシェアすることもある?

 

縄張り意識が高いジョウビタキですが、あくまでもそれは同種に対するもので、異種の生き物に対してはそれほど警戒心は高くはありません。 例えば、人間が縄張りに入っても気にすることはないようで、すぐ近くまで近寄っても逃げないこともしばしばあります。

また、同じ小鳥に対しても警戒心は抱かず、むしろモズなどとは縄張りを共有しています。 同じエリアを縄張りにしているジョウビタキとモズが、交互に見晴らしのいい枝の上で鳴き声をあげて縄張りアピールをしていることもあるそうです。

自分ともケンカする?

縄張り意識の強く人間の住宅街にも生息しているジョウビタキですが、なんと自分自身とケンカしている姿が目撃されることもあります。 窓や鏡そして車のサイドミラーなどに映り込んだ自分を、縄張りに入り込んできた同種だと勘違いしたジョウビタキがはじめた自分とのケンカという永遠に決着のつかないケンカしている姿です。

まとめ

冬の日本で見ることのできるジョウビタキば美しい姿をしている上に、警戒心の薄さからかわいらしいです。 ところが、意外なことにその縄張り意識の強さからケンカっ早い性格をしています。

野鳥であるジョウビタキは『野鳥保護法』の兼ね合いもあることから飼育することはできませんが、冬場に外に出たときは見晴らしのいい高い木の上に橙色のジョウビタキが縄張りを主張する火打ち石に似た鳴き声を発していないか注意しながら歩いてみるのも楽しいかもしれませんね。

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