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40代おひとりさま…マンションは買う?借りる?老後に備えるならどっち?

  • 2022.12.10

40代になって老後が視野に入り、資産としてマンションの購入を検討しているけれど、「賃貸と購入のどちらがいいか分からない」と悩んでいませんか?

そこで、マンションの賃貸と購入のそれぞれで、どのような費用が発生するのかシミュレーションしてみました。

■賃貸と購入それぞれの住居費シミュレーション

40代おひとりさまがマンションを買う場合と借りる場合、それぞれどれくらい住居費がかかるのかシミュレーションしてみましょう。

●賃貸で住み続ける場合

公益財団法人不動産流通推進センターの『2022年不動産業統計集』によると、東京圏の賃貸マンションの家賃相場平均は、ワンルームで約7万4,000円、1LDK~2LDKで約11万円となっています。

長生きする傾向がある女性の平均寿命を87.57歳と想定して、賃貸で40歳からおおよそ48年間住み続けた場合、生涯かかる住居費はワンルームで約4,866.2万円、1LDK~2LDKで約7,233.6万円です。

ワンルーム /1LDK~2LDK
家賃 /7.4万円×12ヵ月×48年=4,262.4万円 /11万円×12ヵ月×48年=6,336万円
管理費・共益費(家賃の10%) /7,400円×12ヵ月×48年=約426.2万円 /1.1万円×12ヵ月×48年=約633.6万円
契約更新料(2年に1回、家賃の1ヵ月分) /7.4万円×24回=177.6万円 /11万円×24回=264万円
合計 /約4,866.2万円 /約7,233.6万円

●マンションを購入した場合

3,000万円の物件と4,000万円の物件を頭金なしで購入したケースを想定して、シミュレーションしてみましょう。なお、金利は1.5%の固定金利で借入期間は30年、管理費と修繕積立金、固定資産税は変わらず、優遇などはないものとします。

このケースでは、3,000万円の物件を購入した場合、生涯かかる住居費は約6,462万円、4,000万円の物件を購入した場合は約8,040万円となりました。また、購入の場合は定期的に維持費や修繕費用などがかかることも考慮しておきましょう。

3,000万円 /4,000万円
諸費用(物件価格の10%) /300万円 /400万円
利息を含めた総返済額 /3,858万円 /5,144万円
管理費・修繕積立金 /3万円×12ヶ月×48年=1,728万円
固定資産税・都市計画税 /年間12万円×48年=576万円 /年間16万円×48年=768万円
合計 /約6,462万円 /約8,040万円

■結局、購入と賃貸のどっちがいい?

シミュレーションでは購入の方が住居費は高くなっていますが、賃貸マンションの家賃やマンションの物件価格、住宅ローン金利、返済計画(繰上げ返済をするかしないか)によって大きく結果は異なります。

したがって、40代おひとりさまがマンションの賃貸と購入のどちらかを選ぶ際には、それぞれのメリットとデメリットを比較することが重要です。

購入 /賃貸
資産性 /住宅ローンを払い終えれば自身の資産になる /家賃を払い続けても資産にはならない
住宅費 /住宅ローンを払い終えれば、住居費の負担が軽くなる /ずっと家賃を払い続ける
転居のしやすさ /転居が難しい /転居しやすい
団代信用生命保険 /団体信用生命保険に加入できるため、生命保険料の節約になることがある /団体信用生命保険はない
リフォーム /希望する設備や内装にリフォームできる /自由なリフォームは難しい

【購入の方がいい人】
・老後の住居費の負担を減らしたい
・家賃をずっと払うのがもったいなく感じる
・資産を残したい
・収入が安定している

マンションを買って住宅ローンを返済し終わると、住居費の負担は減少します。老後までにローンを返済していれば、老後の住居費の負担を減らすことができるでしょう。

また、ローン完済後は自身の資産となるので、いざとなれば売却することもできます。ただし、ある程度の安定した収入がないと住宅ローンを利用できない可能性があります。

【賃貸の方がいい人】
・住む場所にとらわれずに生活がしたい
・住宅ローンを背負いたくない
・収入が安定していない

ずっと賃貸マンションで生活していれば、自分が転居したいときに気軽に引っ越しできます。また、住宅ローンという借金を負うことがないため、居住地や金銭面の制約を受けず、身軽に過ごしたい人は賃貸マンションを選ぶといいでしょう。

■購入と賃貸それぞれのメリットとデメリットを考慮する

「マンションを買うのと借りるのではどちらがいいのか?」については、賃貸マンションの家賃やマンションの物件価格、住宅ローン金利、返済計画で異なるため、住居費という面でどちらが有利かは比較し難いところです。

購入と賃貸それぞれのメリットとデメリットを比較して判断しましょう。

文・金子賢司(ファイナンシャル・プランナー)
立教大学法学部卒業後、東証一部上場企業に入社。その後、保険業界に転身し、ファイナンシャル・プランナー(FP)として活動を開始。個人・法人のお金に関する相談を受けながら、北海道のテレビ番組のコメンテーターなどとしても活動している。

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