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2023年の目標を形にしよう! マニフェステーションの完全ガイド

  • 2022.12.10

“マニフェステーション”って言葉を知っている? マニフェステーションとは、ポジティブに考え、願い、それを現実にしていくことを目的としたプロセスのこと。スピリチュアルのジャンルでも、ウェルネスのジャンルでも、マニフェステーションは大人気。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

著書に『Get Courageous Now: A Woman’s Guide to Finding Her Passions and Purpose in Life』を持つキキ・ラムジー博士によると、願えば叶うというのは大きな誤解。「マニフェステーションという言葉を乱用して『オズの魔法使いのドロシーみたいにかかとを3回鳴らせば、いいことが起きて人生が素晴らしくなる』と言う人がいます」

マニフェステーションは願い事や魔法じゃなく、科学的に裏付けされたウェルネス戦略。あなたが目標を達成し、人生をより豊かにし、よりハッピーで幸せな自分になるプロセスを後押ししてくれるもの。

「自己啓発やヒーリングも、マニフェスティングの傘下にあります」と説明するのは、『Manifest: 7 Steps to Living Your Best Life』を執筆した自己啓発コーチでマニフェステーション・エキスパートのロキシー・ナフシ。「マニフェステーションの原動力は、自分を大切にしたいという気持ち。その気持ちを支えるために使えるツールはたくさんあります」

マニフェステーションは思考を変えることから始まるけれど、目標に向けて本気で努力することも必要。黒人コミュニティ向けメンタルヘルスクリニック『Black Mental Wellness』の広報部長で臨床心理士のダニエル・バズビー博士によると、思考には行動を生み出すというパワフルな作用がある。「ポジティブな思考は行動に直結します」

まずは、その仕組みから。

マニフェステーションには科学的な裏付けがある

マニフェステーションは、ボウルの中に神経科学と少量のスピリチュアリティを入れて混ぜ、先人の知恵を振りかけたもの。

「思考と感情には、いろいろな振動周波数があります」とナフシ。「高振動の思考と感情には愛、感謝、平穏、受容などがあり、低振動の思考と感情には、ねたみ、恥辱感、怒り、恐怖心などがあります」。“引き寄せの法則”に代表される古来の方法論が関係してくるのはここからで、高振動の周波数は高振動の周波数を、低振動の周波数は低振動の周波数を引き寄せる。

心理学者で人生戦略家のウェンディ・オコナー博士によれば、ポジティブかつ楽観的に考えて自分の能力に意識を向けると、脳はギアを高くして私たちの言葉に同調するようになる。つまり、日頃から目標は達成できると言っていれば、それに向かって突き進めるようになるということ。

ラムジー博士によると「私には〇〇ができる」「私は〇〇をする」と考えた上で、それを言葉にする習慣をつけると、潜在意識も同じようにプログラムされ、それが徐々に行動となって現れる。要するに、願って叶えるというよりも、前向きな思考を身につけて目標を達成するのがマニフェステーション。

でも、具体的に何をすれば、前向きな思考を行動に結びつけて理想の人生に近づけるの? エキスパートが5つのステップを教えてくれた。

1.目標を明確にする

まずは、自分の理想の将来を具体的に考えて。それが難しいときは親友と話し合ってみたり、ラムジー博士が言うところの“ライフリスト”を作ってみたりするといい。ライフリストも本質的にはバケットリスト(死ぬ前にやりたいことのリスト)。でも、ライフリストと呼ぶことで“いずれ死ぬ”という考え方から切り離される。「ライフリストをキャリア、ファイナンス、家庭、個人的な目標といったカテゴリーに分けるのもいいですよ」とラムジー博士。この先の数カ月、1年、数年の目標を文字にするのは重要な最初のステップ。次のステップに進むのは、いつまでに何をしたいかが明確になってから。

2.ビジョンボードを作る

次に、その目標を達成した自分の姿をビジョンボード(写真や格言を寄せ集めたもの)で可視化する。ビジョンボードには、自分の目標に関連する写真や言葉を雑誌から切り抜いて、自分が過去に似たような目標を達成したときの写真と一緒に貼る人が多い。オコナー博士によると、ポジティブ思考の練習を始めたばかりの人には、このビジョンボードが特にオススメ。

「ビジョンボードには、“なりたい自分”が視覚的に表現されているべきです」とバズビー博士。自分の目標を頻繁に“目”で確認すれば、脇道にそれることがないので、それを実現するために必要なステップを踏む意欲が高まる。

3.ポジティブなマントラを唱える

ラムジー博士によると、自分の意図やアファメーション(肯定的な自己暗示)をマントラにして唱えるのはスマートな戦略。意図は“自分がすること”で、アファメーションは“自分にできること”。

その日の意図を朝いちばんに確認すると、1日をよい状態で始められる。あまり気分がさえないときは、この方法が特にオススメ。「あなたが『いまは気分がパッとしていなくても、今日はよい1日になる』と言えば、脳が『確かに気分はパッとしないけれど、よい1日になると言ったからよい1日にしよう』と思い直してくれますからね」

「最初から本当によい1日になると信じる必要はありません。あなたの潜在意識はどっちみち、それを真実と捉えますから」とナフシ。「マントラは、いつでも使えるツールです。普段からマントラを唱えていると、頭の中の自己不信の声につられてマイナス思考に陥ることが少なくなります」

その日の意図を明確にしておけば、意思決定も楽になる。「思考は感情に影響を与え、その感情は選択に影響を与えますから」とオコナー博士。「あなたがハッピーであればあるほど、あなたがポジティブな行動を取る可能性は高くなります」

ポジティブ思考を維持するためのアファメーションをマントラにしてもいい。バズビー博士が好きなのは「私には〇〇をするだけの能力と価値がある」。〇〇に入るのは自分の目標。「このマントラは能力と価値の二層構造。私たちは自分の能力を認めても、自分の価値を認めようとしませんからね」

あなただけの意図とアファメーションが決まったら、必要に応じて何度でも繰り返そう。「マントラは、1日を始めるときや仕事に取り掛かるときのきっかけとして使ってください」とナフシ。「もちろん、それ以外のシーンでも使えます」

4.ビジュアライゼーション瞑想をする

時間をかけて、目標を達成した自分の姿を想像するだけでも大きく違う。神経学専門誌『Neuropsychologia』に掲載された研究結果は、リフティングを終えた自分の姿を想像してからリフティングをすると、筋力が(12週間で)35%も向上することを示している。

1日に数分でも瞑想の時間をつくり、目を閉じて未来の自分の生活を想像しよう。「その人物(未来の自分)は何を考えて/感じて/している? その人物は時間とお金をどう使い、どのようなセルフケアをしている? その人物は何を優先し、何を手放している?」と自分に問いかけ、「その中でもっとも印象に残ったイメージを紙に書いてみてください」とオコナー博士。

また、瞑想を終えたあとに「いまの自分は、その人物のどんなところにもっとも憧れているのか」「自分がその人物になることを邪魔している思考は何か」「その思考や他の障害を取り除くためには何ができるか」を考えると、頭打ちの状態から抜け出しやすい。そこから目標達成につながる変化やアクションが生まれることもある。

5.改めて感謝する

目標に向かって猛進するあまり、“すでに自分が手にしているもの”を見失わないようにして。ラムジー博士の話では、感謝を習慣にすると人生がより豊かになるだけでなく、あなたがすでにマニフェストしていること(例:ヘルシーな食生活が送れていること)にも気づける。

寝る前に、その日のよい出来事を3つ書き出してみよう。そうすれば、気分がよくなるだけでなく、人生が少しずつでも良い方向に向かっていることが分かるはず。研究により、この方法は過去を悲観的に見る癖を断ち、一時的に楽観性を高めることが分かっている。

マニフェステーションのポイント

マニフェステーションの美点は決まりきったフォーマットがなく、好きなようにカスタマイズできること。

ナフシにとっては、毎朝コーヒーを片手に座り、自分の時間に感謝するのもマニフェステーションの一部。マニフェステーションで大事なのは、メンタルヘルスのためになる習慣を築くこと。というのも、メンタルヘルスの状態は先述のプロセスの足場となるから。

ナフシによると、ビジョンボードや瞑想が合わない人は、自分のためになることを1日3~4個するといい。「その行いが『私は自分を尊重していますよ。私には価値があり、私はありのままの自分を愛していますよ。人にされて嫌なことは自分にもしませんよ』という宇宙へのメッセージになりますからね」

とにかく重要なのは一貫性。自分に合うものを見つけて、それを一貫して続けること。「マニフェステーションのプロセスは、スイッチでオンオフするものではありません」とナフシ。「あなたの人生そのものです」

マニフェステーションをする意味は本当にある?

その仕組みさえ忘れなければ、本当にある。「宝くじ当選をマニフェストすることはできません。自分にコントロールできないことをマニフェストするのは不可能ですから」とナフシ。「マニフェストできるのは、自分の影響と能力が及ぶ範囲内のことだけです」

マニフェステーションは万能薬じゃないことも覚えておいて。「世の中には、自分で何とかできることもありますが、治療やカウンセリングを受けなければ、どうにもならないこともあります」とナフシ。「人に話したり、ホリスティックなアプローチで自分を癒やしたりする必要があるときに、マニフェステーションを唯一の頼み綱にするのは危険です」

マニフェステーションで日常のストレス要因を取り除くことはできないし、紙に3回書いただけで願いが叶うこともない。でも、先述のアドバイスを取り入れることで、目標を達成するために必要な健康的な習慣と心のゆとりをつくることができるのは確か。

「私たちがマニフェストするものはケーキの上のチェリー、つまりオマケです」とナフシ。「マニフェステーションの真の素晴らしさは、ベストな自分になるための力を与えてくれることにあります。真新しいものの見方で、いままで以上に人生を楽しみ、物事に感謝して、より豊かで充実した人生が送れるようになる。それこそがマニフェステーションの醍醐味です」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Jasmine Gomez and Aliza Pelto Translation: Ai Igamoto

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