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読めたらすごい!珍しい漢字表記をする難読な生き物の名前!

  • 2022.12.9

普段から使っている日本語でも、漢字表記にすると途端に難しくなり読めなくなる言葉があります。 特に海外から伝来した物や動植物の場合は、漢名や英名から変化して和名が当て込んで付けられることが多いため、より難読な表記になる傾向があります。

そこでここでは、漢字で書くと難しい動物を、使われている漢字の由来と共にご紹介いたします。

難読な生き物の漢字表記

 

・駱駝  ・孑孑  ・蝸牛  ・翻車魚  ・背黄青鸚哥

こちらの5つはいずれも知っている生き物の漢字表記なのですが、皆さんはいくつ読めるでしょうか? ここからはそれぞれの読みと、その生き物の生態などを解説していきます。

駱駝

 

砂漠の頼れる力持ち「駱駝」。

漢字の由来

「駱駝」の読みは「ラクダ」です。

実は、かつてラクダの日本名は「たくだ」だった時期があります。 「たく」は「小さな袋」という意味を持ち、ラクダが袋を背負う様子や背中のコブが袋のようだということから名付けられたのです。

後に中国名の「駱駝(ルオトゥオ)」が伝来し、日本の呼び方もそれに習うように「らくだ」へと訛っていきました。 中国では、「駝」は家畜などに荷物を背負わせる意味の語句です。 「駱」には「馬の毛色・黒いたてがみのある白馬」という意味があるため、「荷物を運ぶ馬のような動物」という意味から名付けられたのでしょう。

江戸時代1821年にラクダが来日したのですが、その事を記した書籍のタイトルが「たく駝考」なので、当時はまだ「タクダ」と呼ばれていたことが分かります。

駱駝(ラクダ)の特徴と生態

哺乳類ウシ目ラクダ科ラクダ属の動物の総称です。 ラクダは大きく分けてヒトコブラクダとフタコブラクダの二種類が存在し、どちらも体長2.5~3メートル、体重300~600kg、飼育下の寿命は20~40年ほどです。

ヒトコブラクダは主に、インドやイラン、アフリカ大陸、フタコブラクダはトルコやイラン、モンゴルに生息しています。 中国やオーストラリアでも見ることがありますが、人の手によって持ち込まれたり逃げ出したりしたラクダが繁殖したものだと考えられます。

持久力や耐久力に優れたラクダは暑さにも強く、重い荷物を持って砂漠を横断するときには、これ以上ないほどの頼もしい味方になります。

ラクダの特徴であるコブ中は脂肪で、砂漠で生きるために必要な栄養を蓄えています。 しかも、脂肪から水を作り出して体に水分補給することもできるのです。 硬そうに見えるコブですが、触ると柔らかいそうですよ。

そしてラクダは、自分の体温を外気温に応じて調節することができます。 32~42度の間で体温調節をすることで、不必要に水分が失われないようにしています。

さらにラクダの目も砂漠に対応できるよう進化しており、なんと瞼が三重になっているのです。 長く密集したまつ毛で覆われているうえ三重の瞼を持つ瞳は、粘液を分泌しながら乾燥と強い日差しから眼球を守っているのです。

このように、ラクダには砂漠という厳しい環境の中で生き延びるための身体能力が存分に備わっているのです。

孑孑

 

「子」にも似た、見慣れない漢字「孑」を重ねた「孑孑」は「ボウフラ」と読みます。 ボウフラは夏の季語ともいえる昆虫、蚊の幼虫です。

漢字の由来

子どもの「子」に似ていますが、違う字です。 「孑」の一文字なら、その読みは音読みが「ケツ(ゲツ)」、訓読みは「ひとり」となります。

「孑」の意味は、「ひとり、小さい、残る」などです。 「孑孑(ケツケツ)」の意味は「孤立しているさま、ぬきん出たさま、小さいさま」という意味で、ボウフラの別名にもなります。

「ボウフラ」という名前は、泳ぐときの様子が棒がフラフラと揺れているように見えるところから付けられました。 かつては「棒ふり虫」と呼ばれていたこともあります。

孑孑(ボウフラ)の特徴と生態

ボウフラは流れの無い水の中に住む蚊の幼虫です。 水中の細菌や生物の排泄物などを食べるため益虫ともいわれますが、1週間ほどすると成虫し蚊になるため、私たちにとってはありがたくない存在です。

体長は5~6mmほどで、丸みを帯びた細長い形をしています。 呼吸器であるお尻を水面に出して呼吸し、棒を振るような格好で浮いたり沈んだりしながら上下に泳ぎます。

蝸牛

 

牛という字が入っていますし、牛の仲間の事かな?と思う人もいるかもしれませんが、「蝸牛」は全く牛とは結び付かない生き物、「カタツムリ」と読みます。

梅雨の季節といえば「蝸牛(カタツムリ)」。 子どもの頃に突いたりして遊んだ思い出がある方もいるのではないでしょうか。

漢字の由来

「カタツムリ」の名前は、「笠つぶり」もしくは「潟つぶり」が由来とされています。 「つぶり」とは巻貝のことで、笠つぶりは「笠を着た巻貝」という意味。 潟つぶりは「潮が満ちると隠れ引くと現れる浅瀬の潟のように、殻から出たり入ったりする巻貝」という意味から付けられました。

また、カタツムリは「デンデンムシ」や「マイマイ」とも呼ばれていますね。 デンデンムシは、童謡「かたつむり」にもあるように「殻から出ろ出ろ」と子ども達がはやし立てたところから付けられたそうです。 マイマイは学術用語で、由来はゆっくりと進むカタツムリに対して「舞え舞え」とはやし立てたところから付けられたという説があります。

漢字表記の「蝸牛」は中国語に由来する当て字です。 「蝸牛」の語源は、カタツムリの殻が渦巻き型をしているので「咼」のある「虫」ということから「蝸」の漢字を、そしてカタツムリの頭には牛のような角が生えていることから「牛」の漢字を使い、二つを合わせて「蝸牛」となったのです。 この漢字表記から「かぎゅう」と呼ばれることもあります。

耳の奥の感覚器官に「蝸牛(かぎゅう)」がありますが、カタツムリに似た巻貝のような形をしていることから付けられた名称です。 別名「うずまき管」とも呼ばれています。

ちなみに似たような生態をしたナメクジは「蛞蝓」と書きますが、こちらもやはり中国語の漢名で、貝殻を持たない陸生の貝のことを指します。

蝸牛(カタツムリ)の特徴と生態

カタツムリは陸に住む巻貝の仲間で、背には丸みのある渦巻き型の殻、頭には先に目がある触覚を持っています。 常に湿った状態を維持しなくては生きられないため、体から粘液を分泌させヌルヌルしています。 日本だけでも約800種類存在し、カタツムリはその総称です。

種類が多いので、大きさや寿命はまちまちですが、大きくなるほど寿命が長くなります。 1㎝にも満たない小さなカタツムリの寿命は1年ほど、5㎝を超える大きなカタツムリの寿命は10年以上とされています。

カタツムリの特徴の一つとして、性別がないことがあげられます。 一匹の体内に雄と雌両方の生殖器官を持っているため、一匹のみの飼育下でも産卵することがあるそうですよ。 のんびりした動きのカタツムリは移動範囲が狭く、性別が違う相手と出会うことが難しいため、雄雌同体になったといわれています。

翻車魚

 

見慣れない漢字「翻」という字が使われているため、何と読むのか想像もつかないと思いますが、「翻車魚」は「マンボウ」と読みます。 そう、ゆったり泳ぐ海の癒し系である、あの「翻車魚(マンボウ)」のことです。

漢字の由来

マンボウがなぜ、「翻車魚」という難読の字で表記するのか。 それは中国語の表記である「翻車魚」に、和名の「まんぼう」を当てたことが由来となっています。 ちなみに「まんぼう」という名前は、「満方」「円魚」を元に名付けられ、どちらにしても体が丸いことを例えた表現とされています。

中国語における「翻車(はんしゃ)」は、水をくみ上げる機械「水車」や「ひっくり返った車輪」のことです。 「マンボウ」の体を横にして海面をプカプカと泳ぐ姿がひっくり返った車輪に似ていることや、丸いフォルムを水車に例えて付けられたといわれています。

翻車魚(マンボウ)の特徴や生態

スズキ系フグ目マンボウ科マンボウ属の魚類で、世界中の熱帯温帯の海に生息しています。 体長3m、体重2トンを超えるほど大きな円盤型の魚で、主にクラゲやプランクトンなどを食べて生きています。

水族館など飼育下での寿命は約10年、自然界での寿命は現在研究中で判明していないのですが、一説では20年以上、または100年近く生きるのではないかともいわれています。 飼育下のマンボウの寿命が短いということは、水槽内の環境が合わないなどのストレスになっているのかもしれません。

水深800mまで潜るマンボウは、たまに海面をプカプカ浮くように泳いでいることがあります。 これは日光浴による殺菌目的、もしくは海鳥に寄生虫を取ってもらう目的だといわれています。

背黄青鸚哥

 

漢字を見たところ、背が黄色や青のなんらかの鳥のようというのが分かりますが、この鳥は何のことかわかるでしょうか? 「背黄青鸚哥」は、今も昔もペットとして人気が高い「セキセイインコ」のことです。

漢字の由来

初めて日本に伝来した「セキセイインコ」の背中は、黄色と青色の配色だったことから「背黄青」と名付けられたそうです。 現在では青や黄色だけではなく、さまざまな色のセキセイインコがいますが、日本に最初に来た個体は青と黄色だったということですね。

ちなみに「鸚哥」は中国語で、オウム目のうち「鸚鵡(おうむ)」よりも小型の鳥を総称した呼び方です。 「哥」は「歌」を表す漢字のため、「歌が上手い鸚鵡(おうむ)」という意味が含んでいるのかもしれません。

背黄青鸚哥(セキセイインコ)の特徴

日本にインコやオウムの仲間が最初に来たのはかなり古く、飛鳥時代には持ち込まれていたことが分かっています。

オウム目インコ科セキセイインコ属に分類されるセキセイインコは、体長15~20㎝、体重30~40g、寿命は8~10年です。 野性のセキセイインコは、乾燥地帯で水場がある開けた森林や草原に群れをつくって暮らしています。

約330種類いるインコ科に属する鳥の中でも特に人懐っこいセキセイインコは飼育しやすく、おしゃべりも上手なので愛嬌があり、ペットとして世界中で大変人気があります。

まとめ

珍しい漢字を用いたり、難読な読み方をする生物を今回はご紹介いたしました。 中国から伝わった名前をそのまま用いているために難読になっているものや、日常では用いないもしくは廃れてしまったものから来ている名前など、難読となっている理由は様々あるようです。

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