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どこを切り取っても絵画のよう。私がスペイン・セビーリャに恋をした6つの理由

  • 2022.12.9
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こんにちは!ドイツ在住ライターYuです。

ヨーロッパでは、今年に入って、どの国へも気軽に旅行ができるようになりました。日本からのヨーロッパ旅行を検討している方も多いのではないでしょうか。

我が家も、今まで行けなかった分を取り返すかのように、時間を見つけてはヨーロッパ各地を旅しています。そして今年、断トツ心に残る街に出会ってしまったんです!

それは、スペイン南部にある街「セビーリャ」。

photo by Shutterstock

今も、旅の記憶を思い出して心が躍るほど。そう、まさに私はセビーリャに恋をしてしまったのです。今回は、その理由を6つに分けて紹介していきたいと思います。

数多くの映画のロケ地にもなった、セビーリャ

photo by Yu Villegas

スペインで4番目に大きな街「セビーリャ」は、アンダルシアの州都でスペイン南部の文化的・経済的中心地。さらには、フラメンコや闘牛発祥の地としても知られています。

3000年にもおよぶ歴史の中でイスラム・ユダヤ・キリスト教の影響を受け、それぞれの文化がミックスされた街並みは、息をのむほどの美しさ。

ある海外の記事で「セビーリャはまるで、街自体が映画のセットのようだ」と書かれていましたが、まさにその通り!映画の世界に入り込んだかのような、独特で美しい光景が広がっているんです。

もちろん見どころもたくさん。代表的な観光スポットは、イスラム芸術を結集した豪華な宮殿「アルカサル」や世界で3番目に大きい大聖堂「カテドラル」、そして『スターウォーズ』などの映画のロケ地にも数多く使われてきた「スペイン広場」です。

photo by Yu Villegas

また、かつてユダヤ人居住地区であった「サンタクルス地区」は個人的にかなりおすすめ。

狭い路地に可愛らしいレストランや真っ白な家々が並びます。壁に飾られたカラフルな花や焼き物とのコントラストが美しすぎて、シャッターを切る手が止まりません。

photo by Yu Villegas

セビーリャはどのエリアも本当に絵になる景色の連続で、歩けば歩くほど新たな魅力に出会える街。観光名所は1日で回れますが、それだとかなり駆け足になってしまうので、少なくとも2日間〜の滞在をおすすめします。

日本からのアクセス方法は?

photo by Shutterstock

日本からセビーリャへの直行便はないため、スペインの主要都市の空港か、ヨーロッパ各国の空港から乗り継ぐ必要があります。

一般的な行き方は、「日本→マドリード→セビーリャ」のルートですが、フランクフルトやパリ、ロンドン経由で行くと日本からの便数も多いので、タイミングよく乗り継ぎができる利点があります。

セビーリャ空港から市内へのアクセス方法は?

photo by Shutterstock

空港から市内へのアクセス方法は、バス、タクシー、Uberの3択です。バスは片道4ユーロ、タクシーだと25ユーロほどなので、バスのほうが断然リーズナブルですが、時間が倍以上かかります。

バスだと35分+バス停から市内まで10分ほど歩く必要がありますが、タクシーやUberだと15分ほどで目的地まで直接行けるので、個人的にはタクシーかUberがおすすめ。

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タクシーは、到着エリアを出たところのタクシー乗り場で正規のタクシーに乗れば、空港〜市内間は定額制。Uberはスペインでかなり浸透しているので、タクシーがつかまらないときにも便利です。

バスの場合、到着エリアを出たところの「Línea EA」バス乗り場から、市内中心部にある「プラサ・デ・アルマス(Plaza de Armas)」行きのバスに乗ります。市内の観光スポットまでは「パセオ・デ・ラス・デリシアス(Paseo de Las delicias)」で下車、歩いて10分ほどで到着します。

それでは、私がセビーリャに恋した理由をご紹介していきましょう。

セビーリャに恋した6つの理由

『スターウォーズ』のロケ地にもなった 世界一美しい広場

photo by Yu Villegas

私がまず一目ぼれしたのが、映画の世界に入ったかのような気分が味わえる「スペイン広場」です。

全長515メートルものエメラルドグリーン色に光る運河が流れ、カラフルなタイルで装飾された橋やベンチ、広場をぐるりと囲む回廊など、どこも目移りしてしまう美しさ。間違いなく、私史上一番美しい広場に認定です。

photo by Yu Villegas

1929年に万国博覧会の会場として作られたそうですが、イベントのためにこんなに広大で圧倒的な美しさの広場を作ったことにも驚き。

そして、そのまま観光名所として、80年以上も世界中の人々を魅了していることにも感嘆します。

photo by Yu Villegas

また、この現実離れした美しい景観に恋に落ちた映画監督も多く、『アラビアのロレンス』や『スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』など、数多くの映画のロケ地に使われてきました。

セビーリャ旅行前に『スター・ウォーズ』のアナキン・スカイウォーカーとアミダラ女王がスペイン広場の回廊と運河に架かる橋を歩くシーンを見ておくと、訪れたときの感動が大きくなること間違いなし!

photo by Yu Villegas

広場にずらりと設置された48もの色鮮やかなタイル壁画も、惚れ惚れする美しさ。タイルには、スペイン各地域の歴史的な場面や地図が描かれています。

photo by Yu Villegas

時間に余裕のある方は、運河で手漕ぎボートに乗るのもおすすめ。

運河から眺める景色も、また格別!6ユーロとお手頃価格なので、時間に余裕のある方はぜひお試しくださいね。

唯一無二の美。世界遺産「アルカサル」

photo by Yu Villegas

イスラム・キリスト教建築の美を結集した、スペイン王室の豪華な宮殿「アルカサル」。1987年にユネスコの世界遺産に登録されたこの宮殿は、なんといっても繊細でエキゾチックな建築美が見ものです。

ヨーロッパを旅していると、どうしてもキリスト教建築を目にする機会が多いためか、一歩敷地に入った途端、「すごい!エキゾチック!今まで見たことのない美しさ!」と、しばらく放心してしまいました。

photo by Yu Villegas

1番の見どころは、14世紀に完成したペドロ1世の宮殿。イスラム教とキリスト教の建築様式をミックスした「ムデハル様式」で装飾されています。

ムデハル様式の特徴であるイスラムの繊細なモザイクタイルや漆喰細工、アラベスク模様の美しさに見とれてしまうこと間違いなし。

photo by Yu Villegas

こちらは、宮殿内の「大使の間」にあるドーム型の木製天井。この一面にイスラム建築の美がギュッと凝縮されています。

黄金の装飾の煌びやかさといったら……!私たちのほかにも、天井を見上げてじーっと見つめる人や、写真撮影をする人たちで賑わいを見せていました。

photo by Yu Villegas

そしてアルカサルといえば、この景色を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ペドロ一世の宮殿内にあるここ「乙女の中庭」は、アルカサルで1番の撮影ポイント。

当時の王ペドロ一世が強い憧れを持った、グラナダのアルハンブラ宮殿を模倣して造られたと言われています。

photo by Yu Villegas

個人的には、イスラム建築のこの繊細なアーチが魅力的。

時代の王たちによって増築が繰り返された結果、2階部分はルネッサンス様式の建築に。手すりや柱をよく見ると、イスラム式とのスタイルの違いや融合具合がわかっておもしろいです。

photo by Yu Villegas

こちらは、ペドロ一世の宮殿を出て少し歩いた所にある「マーキュリーの池」。神殿を思わせる建物に、タイルのカラーと自然の草花のコントラストが素敵です。

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アルカサルはセビーリャでも人気の観光スポット。入場ゲートは長陀の列でした。

予約制(30分間隔での時間指定)なので、事前にWebサイトでチケットを入手しておくことをおすすめします。

本場で見る情熱のフラメンコに涙

photo by Yu Villegas

セビーリャが、スペインを代表する「フラメンコ」の本場というのはご存じでしょうか?

フラメンコは、スペイン南部のアンダルシア地方で生まれた民俗芸能です。魂を震わせる歌声・ギター・踊りが一体となった、「情熱の国スペイン」のイメージそのものの伝統文化です。

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2010年にユネスコの無形文化遺産に登録され、近年日本での舞踊人口も増え続けているんだとか。

そこで今回は、セビーリャ中心部にあるフラメンコ博物館で観劇してきました。

こちらのショーは、17時、19時、20時45分~と比較的早めの時間に始まるため、夜遅くに出歩くのは不安という方や、小さな子ども連れの家族にもピッタリ。

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大きめのステージでのショーでしたが、観客椅子がステージをぐるりと囲む形のセッティングで、舞台が驚くほど近かったです。

ステージで踊るのは、現在スペインでもトップクラスの実力派ダンサーたち。なかでも、今回踊っていた女性ダンサーの技術、身体の動き、情熱的な感情表現と、力強い歌い手のコンビネーションは、今までに見たことのないレベル。涙が出るほどの感動体験でした。

photo by Yu Villegas

写真撮影禁止だったので、残念ながらセビーリャでのショーの様子は紹介できないのですが、かわりにマドリッドでのショーの写真を。

ショーの完成度とそれに見合わないお手頃すぎるチケット料金、本当におすすめです!

いつでもどこでもタパス三昧!

photo by Yu Villegas

「スペインに行ったら、バル巡りをして、おいしいタパス料理を楽しみたい!」。こんな夢を持つ方も多いのではないでしょうか。

日本でも人気のタパス(Tapas)。スペイン料理店の一種である「バル(Bar)」などで提供されている小皿料理のことで、さまざまな料理を少しずつ、お酒と一緒に楽しめるのが魅力です。

photo by Yu Villegas

セビーリャでも例にもれず、街中にバルがあり、どのお店に入るか迷ってしまいます。

下調べしてから行きたい方におすすめなのが、YouTubeでスペイン人カップルが運営するチャンネル「Spain Revealed」。

本当においしいお店のおすすめメニューをローカル目線で紹介してくれるのですが、とにかくどれもおいしそう!この旅では、彼らがおすすめするバルやレストランへ行きましたが、どこもハズレがなかったです。

セビーリャのおすすめバル紹介は「Seville's MOST DELICIOUS Tapas!」で検索を!英語チャンネルですが、店情報はテロップで出てくるので、とってもわかりやすいですよ。

photo by Yu Villegas

さて、セビーリャのあるアンダルシア地方は、実は世界有数のオリーブの産地。バルに入ったら、まずはアンダルシア地方名産のシェリー酒とオリーブで乾杯するのがツウな楽しみ方です。

ちなみに私は、フラッと入ったバルで、人生ナンバーワンのおいしさのオリーブに出会ってしまいました。

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こちらは、「サルモレホ」という、この地方伝統のトマトのクリーミーな冷製スープです。トマトやオリーブオイル、にんにくなどの材料を、バゲットと一緒になめらかになるまで攪拌されているのが特徴。

今まで食べたことのない新感覚のスープで、とてもおいしい!ぜひ試してほしい、アンダルシア料理の一品です。

photo by Yu Villegas

もう一品、ぜひ試してほしいのが「牛テール煮込み(Rabo de toro)」。こちらもアンダルシア地方名物の料理で、セビーリャのバルでもよく見かけました。

ローマ時代から市民に愛されている伝統があるこの料理、トロトロに煮込まれたお肉は、口の中で溶けてしまうほど!

セビーリャでは、生ハムやトルティージャなどの定番メニューから、アンダルシア地方ならではのタパスも多々あり、どれも本当においしいんです。時間を見つけてはバルでタパス休憩をしたのもお気に入りの時間でした。

どこを切り取っても美しい下町の風景

photo by Yu Villegas

セビーリャは、スペイン第四の都市という大きさにもかかわらず、昔ながらのスペインの下町風情を感じられる美しい街。どのエリアを歩いても、どの小道を歩いても、とにかく写真映えのする絵葉書のような景色が続いています。

そんなセビーリャの良さは、のんびりぶらぶら歩きをすればするほど感じられるのです。

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小道からのぞく、旧市街の中心にある大聖堂の棟と、カラフルな花とタイルのコントラストが素敵。お土産屋さんの品ぞろえも、とってもおしゃれで可愛いものばかり。

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セビーリャは、こんなセピア色の建物が多くあり、窓先に飾られたカラフルな花々とのコンビネーションが絵になります。手すりや柵のデザインもおしゃれ。

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こちらはアルカサルの東側にひろがる「サンタクルス地区」。かつてユダヤ人が居住していた地域で、白い壁の家々が並び、他のエリアとはまた違った景色を楽しめます。迷路のように入り組んだ小道で、白い壁には花や陶器が飾られています。

セビーリャは、イスラム・キリスト・ユダヤ教の影響で、さまざまな建築様式が美しく調和している街。この宗教がミックスされた建築美は、ヨーロッパ内でもなかなか見ることのできない光景だと私は思います。

お互いの宗教を尊重し、お互いの良さを引き出しあう。そんなところがセビーリャの独特な景観をつくりだしていて、惹かれてしまうのです。

オレンジの木が生い茂る、世界遺産の大聖堂

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セビーリャ大聖堂は世界で3番目に大きい大聖堂で、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。完成までかかった期間は、なんと120年!

かつてはモスクだった建物で、ゴシック様式のなかにもイスラム建築の面影が感じられる、世界でも珍しい大聖堂です。

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セビーリャのシンボル、ヒラルダの塔。高さは104.1メートルあり、もともとはイスラム教の塔ミナレットとして使われていたものなんだとか。

塔の上は展望台になっていて、大聖堂内部から登ることができます。

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30階相当の階段をひたすらのぼると待っているのは、セビーリャの絶景!

セピア色の景色が、ただただ美しい。ちなみに正面に見えるのは、世界最大級の闘牛が行われる「マエストランサ闘牛場 」です。

街中にあるのに、自然とまわりの景色と調和しているのが不思議ですよね。

photo by Yu Villegas

大聖堂内部には、大量の金で塗装された木製祭壇やクリストファー・コロンブスの墓など、見どころがたくさんあります。

ちなみにこちらの大聖堂、祭壇中央にはキリストではなく聖母マリアが鎮座しているのも大きな特徴。まわりには200体以上もの聖人像が置かれており、まさに圧巻の光景です。

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私が行った春には、中庭に並んだオレンジの花のいい香りのなか、素敵な景色を眺めながら休憩できました。オレンジの実がなるシーズンにも行って、果実と大聖堂の景色も見てみたいなぁと思いました。

世界中の人を虜にするセビーリャ

映画の世界に入ったかのような、美しいセビーリャ。

年間で300日間が晴れという温暖な気候、異文化が共存してきた長い歴史あるこの街は、旅人を自然に受け止めるような、穏やかな雰囲気に包まれています。

いつかの旅の参考に、またこの記事で、セビーリャを身近に感じていただけたなら嬉しいです。

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