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“96年組”の飛躍に“至宝”の台頭まで…韓国代表、W杯ベスト16敗退も4年後がすでに期待できる理由

  • 2022.12.7
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4年後がさらに期待できる大会だった。

中東初開催となるカタールW杯で、国外開催のW杯において12年ぶり2度目のベスト16という結果を収めたサッカー韓国代表。

今大会ではもう一つ、「世代交代の成功」という成果も収めた。

カタールで輝いた主役は1996年生まれの世代だ。FWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)を筆頭に、MFファン・インボム(26、オリンピアコス)、DFキム・ミンジェ(26、ナポリ)、MFナ・サンホ(26、FCソウル)、DFチョ・ユミン(26、大田ハナシチズン)まで、計5人の選手が代表で活躍した。

特に、欧州でプレーする3人は代表の柱として完全に定着してみせた。

攻守で韓国を支えた“96年世代”

 

ファン・ヒチャンはハムストリング負傷の影響でグループステージ第1~2節に出場できなかったが、第3節ポルトガル戦では後半の途中出場からアディショナルタイムに決勝ゴールを決め、チームをベスト16に導いた。出場時間は長くなかったが、誰よりも強烈なインパクトを残した。

ファン・インボムは“皇太子”という別名らしく、代表のエンジンとして活気を吹き込んだ。一層円熟味を増したゲームコントロールと献身的なプレーで、パウロ・ベント監督がなぜ自分を信頼するのかを活躍で証明した。

キム・ミンジェは言うまでもない。ふくらはぎの負傷で本来のパフォーマンスを発揮できる状態でなかったのが残念だが、それでもハイレベルなプレーで後方からチームを支えた。

彼らナ・サンホ、チョ・ユミンも加えた5人は、4年前に行われた2018年ジャカルタ・アジア大会のメンバー。決勝で日本を破り、金メダルを獲得した主役たちだ。

金メダル獲得によって兵役特例の恩恵を受け、自由に欧州に進出できるようになった。そして、時の流れとともに急速に成長し、代表にもポジティブな影響をもたらした。

左からナ・サンホ、ファン・ヒチャン、キム・ミンジェ、ファン・インボム、チョ・ユミン

FWソン・フンミン(30、トッテナム)やFWファン・ウィジョ(30、オリンピアコス)、MFイ・ジェソン(30、マインツ)らに代表される1992年生まれの世代が前でチームを引っ張ったとすれば、1996年生まれの彼らは後方でチームを支える役割に徹した。

1996年生まれの世代は4年後、満30歳の年齢で次のW杯を戦うことになる。選手として熟した技量を世界の舞台に誇示するときだ。次のW杯まで、彼らが代表の主軸の役割を果たすことは明らかだ。

台頭した“大型ストライカー”と“至宝”

 

FWチョ・ギュソン(24、全北現代モータース)の再発見も大きな収穫だ。

チョ・ギュソンは韓国サッカー界に久しぶりに登場した大型ストライカー。昨年に初めてA代表に招集されると、今季Kリーグ1(1部)では自身初の得点王に輝き、全盛期を切り開いた。そしてついにW杯メンバーにも選ばれ、第2節のガーナ戦から3試合連続で先発出場し、最前線で韓国の攻撃をリードした。

パワフルなポストプレーに世界的なDF相手にも競り負けない空中戦、さらには韓国代表史上初めてW杯1試合2ゴールを決めた決定力まで、自身のポテンシャルを世界に知らしめた。

チョ・ギュソンは1998年生まれでまだ24歳に過ぎない。懸念される兵役も、すでに国軍体育部隊のサッカーチーム金泉尚武(キムチョン・サンム)で義務をこなしたため問題はない。

現在所属する全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースでプレーを続けようと、あるいは欧州の舞台に進出しようと、チョ・ギュソンは今後も代表の攻撃をけん引する新たなストライカーとして位置づけられるはずだ。

チョ・ギュソン(左)、イ・ガンイン

“韓国の至宝”と期待され続けてきたMFイ・ガンイン(21、マジョルカ)も、今大会で飛躍を見せた。

パウロ・ベント監督から約1年8カ月もの間そっぽを向かれ続けてきたイ・ガンインは、自らの実力で出場機会を勝ち取ったケースだ。

「守備が弱い」「スピードが遅い」などさまざまな指摘を克服したイ・ガンインは、所属するマジョルカでも主力に定着。ラ・リーガで通用する技術とキック、創造的なプレーでベント監督の心を動かした。

イ・ガンインは2001年生まれでまだ21歳だ。少なくとも今後2回はW杯に出場できる年齢である。だからこそ、今以上に成長できる余地も非常に多く残されている。

これからは若さと覇気、実力を兼ね備えた若手たちが、韓国に活気を吹き込む役割を担う見通しだ。

彼らを信じて起用したベント監督はカタールW杯を最後に退くが、新しい指揮官のもとでも主力として活用される可能性は高い。

韓国にとって、今回のカタールW杯は自然な世代交代を通じて競争力強化が行われた大会だった。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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