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「定例会議は6分で終了」本当に仕事がデキる人が人知れずしている"目立たない努力"4つ

  • 2022.12.6

仕事で抜群の成果を出す“本当にデキる人”は何が違うのか。日系、外資、起業と幅広いキャリアを積んできた岡田充弘さんは「真に仕事がデキる人は、王道のデキる人のイメージとはずいぶん異なります。彼らは教科書に書かれているような模範的な振る舞いはしないのです」という――。

少人数での会議中
※写真はイメージです
教科書通りの行動をとらない

あなたは仕事が速くてクオリティーも高い、いわゆる「仕事がデキる人」に対してどのようなイメージをお持ちですか? 頭が良くて紳士的で仕事をバリバリこなす切れ者、といった感じでしょうか?

いずれも間違ってはいないのですが、これまで私が日系・外資・起業という多様なキャリアの中で出会ってきた真に仕事がデキる人は、王道のデキる人のイメージとはずいぶん異なりました。

彼らが意識的にそうしているのかは分かりませんが、少なくとも教科書に書かれているような模範的な振る舞いはしません。そのせいか、時に誤解も生みます。しかし抜群の結果を出します。

そこで今回は、王道とは異なるやり方で結果を出し続ける「真に仕事がデキる人」に焦点を当てて、その考え方や振る舞いについて迫ってきたいと思います。

1.真にデキる人は悩まない、がんばらない

仕事に悩みや不安はつきものですよね。特に今日のように移り変わりの早い時代には、昨日までうまくいっていたことが、明日には立ち行かなくなるといったことはちょくちょく起こります。なので、その気持ちが分からなくもありません。

一方で、悩みから抜け出せず、ただ時間が経つのをやり過ごしている人は少なくありません。やり過ごすだけならいいのですが、人に愚痴を吐いたり、中には八つ当たりをする人もいます。愚痴を吐いたり八つ当たりをしたりしても、状況は何も変わりません。

状況を変えるには何らか行動を起こすことです。時にがむしゃらに行動することで、状況が好転する可能性は高まります。また行動することで景色が変わり、その時間だけでも悩みや不安が上書きされる効果は大きいはずです。

そして「行動すること」以上に大切なのが、「考えて行動すること」です。一時期に行動量を増やすことは大切ですが、ずっとがむしゃらにやり続けるのは効率が悪すぎます。

【図表】デキる人は悩まない、がんばらない
図表作成=筆者

これを個人単位でできればいいのでしょうが、難しいこともあります。そんな時は、個人任せにしない仕組みづくりも必要です。

謎解きゲームの企画制作をなりわいとするうちの会社では、社員に細やかな指示・指導をする代わりに、体験給制度と称して、毎月一定上限額下で他社の好きな公演に参加できるようにしています。参加後は感想や自分ならどうするといった工夫についてメールで共有してもらうなど、意図的に考える機会を設けています。

このように、「悩む時間」を「行動する時間」に変え、「ただ行動する」を「考えて行動する」に置き換えていくことで、仕事の質は格段に高まっていくことでしょう。

2.真にデキる人は安易に資料を作らない

仕事がデキる人のイメージの一つといえば、美しい資料を作ることでしょうか。たしかに美しい資料をテキパキ作り上げると、周りからはデキる人と見られるかもしれません。しかし、それだけで本当に仕事がデキると言っていいのでしょうか? これについて私は外資コンサル時代から少々思うところがありました。確かに資料は美しいに越したことはないけど、資料と成果は別の話なんじゃないかと。実際リアルな経営を通じて分かったのは、真にデキる人はそもそも安易に資料を作らない、ということでした。

資料を作ること自体を否定しているわけではありません。ただ、資料作成には多少なりとも時間がかかります。であれば資料作成に凝りすぎるよりも、伝えることそのものに注力する方が実利的ですし、時間を無駄にしません。

【図表】デキる人は資料は作らず探す
図表作成=筆者

たとえば視覚的に加工していないExcel生データを用いて立ち話で説明するのでもいいですし、もっと言えば、PowerPointのテンプレや過去資料を流用すれば、それで事足りてしまうシーンが世の中には多々あります。実際、アメリカなどでは著名な起業家がレストランの紙ナフキンになぐり書きでアイデアをまとめ、それを基に投資や提携の交渉を進めたという逸話は枚挙にいとまがありません。

大切なのは資料に書かれている中身です。心当たりがある人は、いま一度資料を作ること自体が仕事になっていないか、見直してみてはいかがでしょうか。

3.真にデキる人はフォーマルな会議で議論しない

最近では「会議は会して議する場所だ」「意見を言わない人は会議に不要だ」といった考え方が常識になっているようです。もちろん間違っていません。

しかし、私が知る真にデキる人は会議で会して議しません。参加者が一定数を超えるような会議であれば、そもそも会して議するメリットが少ないと知っているからです。大規模の会議やフォーマルな会議で、一定の心理的バイアスが働くのは、日系企業にかぎらず、外資系企業も基本的には同じです。

その性質を理解している真にデキる人は、会議で以下のことを心がけます(特に主催者)。

・できるだけ少人数で行う(ベストは4人以内)
・前提情報を会議前に共有しておく(情報格差は齟齬そごの元凶)
・無駄な論点は会議前につぶしておく(根回しとは異なる)

これにより、参加者全員が多くの時間を無駄にしなくて済みます。

自分が主催者でない場合も、可能な限り会議の前に雑件を済ませておくことで、会議で他の人の時間を無駄に使うことがなくなります。逆に言うと、それだけ会議は他人の時間を奪いやすいものと心得ておくべきです。

ちなみに私の会社では、何かあればその都度、最小限のメンバーが問題解決にあたっているので、全員がそろう週次会議はお互いの近況確認程度にとどまり、たいてい6分も経たずに終了しています。

【図表】フォーマルな会議より立ち話で決める
図表作成=筆者
4.真にデキる人はデスクで見かけない

タイトルを見て誤解をする人がいるかもしれませんが、自分のデスクで仕事をすることが悪いという意味ではありません。事務職の方やエンジニアなど、職種によってはデスクで仕事をする方が適切である場合も多いでしょう。

ここで大切なのは、デスクか否かの話ではなく、価値源泉(価値が生まれる場所)の近くで仕事をする、ということです。そして価値源泉は状況や人によって異なります。

たとえば、営業やコンサルタントであれば、デスクにいる時よりも顧客先にいる時に価値が生まれることが多いのではないでしょうか。だとすれば、オフィスにいる時間を抑えて、できるだけ顧客と共に過ごす時間を長くすると、より多くの価値が生まれるということになります。

【図表】デスク周辺で見かけない
図表作成=筆者

経理部や情報システム部のような社内の管理部門に属する人であっても、価値源泉の場所はデスクではありません。経理部であれば対象の数字が生まれる現場であり、情報システム部であれば情報を必要とする人がいる場所、ということになります。

真にデキる人はそれらを理解しているので、価値源泉のそばにフットワーク軽く赴き、よく現場を観察したり、よく人の話を聞こうと努めます。またその状態から逆算して、障壁となるようなインフラやルール上の制約があれば、取り除いていこうと動きます。

派手に勝ち上がるよりも、負けずに生き残る

以上、私が日系・外資・起業のキャリアを通じて見てきた「仕事が速くてクオリティーも高い人」が隠れてやっている4つのことですが、もしかしたら、もっとガツガツしたやり方を想像していた人もいるかもしれませんね。

ただ、実際ビジネスシーンで消えずに活躍し続けている人は、派手に勝ち上がるよりも、負けずに生き残るための努力をし続けている人が多いことも申し添えておきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役
外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)『ビジネスマナーと仕事の基本 ゆる図鑑』(監修)(宝島社)ほか。

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