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【シュトーレン】クリスマスに食べるのではなく、クリスマスを待つ間に食べるパンって知ってる?

  • 2022.12.4

冬の一大イベントともいえる『クリスマス』。 ケーキを食べたり、プレゼント交換したりなど、クリスマスならではのイベントを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

しかし、月初からひたすらクリスマスを指折り待っているのも辛いものです。 そこでクリスマスを待ちながら味わうとされているパン、その名も「シュトーレン」を堪能して待つというのはどうでしょうか?

シュトーレン

 

シュトーレンは、主にドイツやオランダで食べられています。 生地にはドライフルーツやナッツ、マジパンが練り込まれ、焼いた後にはたっぷりの砂糖がふりかけられるこのパンは、日本では多くの場合シュトーレンと呼ばれます。

現地ドイツの発音では間を伸ばさず「シュトレン」と呼ばれ、オランダだと「ストル」と呼ばれています。

ドイツの菓子パン

 

シュトーレンは、ドイツの東部にあるザクセン州の都市ドレスデン発祥と考えられています。 その名はドイツ語で「坑道」を意味し、断面はその名前の通りトンネルにも似た形状をしています。

また、周りに粉砂糖をまんべんなくまぶした真っ白な形状は、真っ白なおくるみに包れた産まれて間もないキリストの姿を模して作られたともいわれています。

シュトーレンは歴史のあるパン

 

シュトーレンの原型となったパンはザクセン州の北西にあるザクセン=アンハルト州の都市ナウムブルクで誕生したとされています。 1929年に司教へのクリスマスの贈り物とされたのがその始まりとされていますが、この贈り物が本当にシュトーレンの原型なのか、それともよく似た違うパンやお菓子の原型にあたるのか、今日でははっきりしていません。

クリスマスが来るのを待ちながら食べる

 

シュトーレンは、クリスマスイヴの4週間前からクリスマスを待ちながら食べる菓子パンとされています。 なぜ4週間前なのか、これはクリスマス当日までの4週間を「アドベント」と呼ばれるキリストの生誕を待ち望む期間が定められているからです。

ドイツでは11月の末にもなるとシュトーレンの販売が始まります。 購入したシュトーレンは一度に全ては食べず、切り分けながら小分けに食べます。 まずは半分にシュトーレンを切り、そこから外側に向かって薄くスライスして何日にも分けながら食べてクリスマスを待つものとされています。

普通のパンと違い、日持ちをするのでアドベント期間でシュトーレンが傷むことは無いそうです。 長期に渡って食べるので、日に日に熟成が進むと共に、ドライフルーツの風味が生地に馴染んでいくことで濃厚になっていくのを楽しめるというのがシュトーレンの醍醐味です。

発祥の地ではシュトーレンのお祭りも

シュトレーン発祥の地とされる街ドレスデンでは、毎年12月の第一土曜日にシュトーレン祭りが開催されます。 このお祭りでは、馬車にひかれる程の巨大シュトーレンが街を練り歩くパレードが催され、最後には切り分けたシュトーレンの販売が行われます。

巨大シュトーレンの大きさは年によって変わりますが例年長さ3m、重さ3tを超える非常に巨大なものになります。 その大きさ故に一度には作れませんので、150人ほどのパン職人たちがそれぞれ焼き上げたものをつなぎ合わせて完成させるという、協力なくしては作れない一品になっています。

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日本でも人気の出てきているパン

 

ドイツやオランダで主に食べられているシュトーレンですが、近年は日本でも見られるようになり人気は年々高まっています。 お店によってはシュトーレンを販売開始するとすぐ売り切れてしまうこともあるそうです。

人気の理由は希少性?

売り切れるほどの人気の理由はまずその希少性です。 日本でもドイツにならい、多くのお店が11月の末ないしは12月初頭に販売を開始、クリスマスには販売を終了してしまいます。

そのため、どのお店でも期間限定の商品となっていることから人気が高まっています。 一度買い逃すと次に変えるチャンスは一年後、というのは確かに興味がそそられるというのも分かります。

特別感の強いパン

 

シュトーレンは製造まで非常に手間がかかります。 生地に練り込まれたドライフルーツやナッツはラム酒に漬けこまれていますし、マジパンが生地に練り込まれている商品もあります。

他のパンより手間もかかってる上に高価な材料を使用している事から特別感が更に増しています。 他の時期に食べることのできない特別なパンなので、シュトーレンの人気が高くなっているのかもしれません。

まとめ

来るのが待ち遠しいクリスマス。 うずうず待っているのもいいですが、日々味が変わっていくシュトーレンを味わい楽しみながらクリスマスが来るのを待つ、というのも贅沢でいいのではないでしょうか!

つい全部食べてしまいたくなる、という欲望と戦うのも大変かもしれませんが!

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