息子さんが1歳半になったころ、NEGIさんは発達に違和感を覚えるように……。同じことを何度言っても繰り返す、手を繋いでいられないなど、息子の行動がほかの子どもと違うことに気づいてしまったのです。そして1歳半健診に行ったとき、その疑問は確信へと変わります。たつき君は走り回っていましたが、会場にいたほかの子ども達は落ち着いてママの膝の上に座ったり、落ち着いて絵本を読んでいたからです。その夜、NEGIさんは今までずっと考えないようにしていたことをスマートフォンで調べ始めるのでした。
しかし。ドラッグストアでたつき君が行方不明になってしまったことがキッカケとなり、"もっとたつきのことを知りたい"と思うように変化していったのです。
そして発達相談窓口へ連絡を取り、早めの療育を始めることに。
それでも日々育児では悩むことが続き、ときには嫌になってしまうことも……。
しかし、確実にNEGIさんとたつき君の信頼の絆は深まっていったのです。
この日NEGIさんは、たつき君が小さいころ、一緒によく行った公園を訪れていました。
ベンチに座ると、たつき君がすべり台で遊んでいる姿を突然思い出したのです。
そして、たつき君が小さかった写真を眺めながら、あのころを懐かしんでいました。
子どもと一緒に公園にいくころの時間をお金で買えるとしたら…?
SNSで見つけた「あなたが子どもと一緒に公園にいくころの時間を
お金で買えるとしたら……?」という質問。
これに対してNEGIさんは、"会いたい"とは即答できませんでした。
でも、悩みながらも一生懸命育児に向き合ってきた過去の自分に対して、
「よく頑張ったね」と伝えたい――。
そんな風に思っていたのでした。
(どうしても昔を思い出すと、
つらかった気持ちも一緒に出てきちゃうんだよな。
あと10年くらいしたら、さらに深い懐かしさを感じられるかなぁ?)
そんなことを考えていたNEGIさん。
(次の晴れた日にはたつきと公園に来よう!)
ひとりで公園に立ち寄り、過去の育児を振り返ったことで、
ポジティブに気持ちを切り替えることができたのでした。
◇ ◇ ◇
過去の自分に「よく頑張ったね」という言葉を言いたかったというNEGIさん。NEGIさんにとってこの公園は、小さいころ毎日のようにたつき君と訪れていた場所になります。たつき君の育児が思ったようにいかなかった時期もあり、つらいことや悲しいことを経験してきた場所だと思うのですが、最後は前向きに気持ちになり、公園を後にすることができて良かったです。
★今回のお話で「息子が自閉症だと気付いたときの話」は終了になります。短い間でしたが、ご愛読くださりありがとうございました!
著者:マンガ家・イラストレーター NEGI
知的障害を伴う自閉症長男との日常漫画を投稿中。Instagramやブログを中心に、過去と現在の話や日々のおもしろ話を描いてます!
ベビーカレンダー編集部