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中部地方などに伝わる「五平餅」とはどんな郷土料理?その発祥は?五平とはなんのこと?

  • 2022.12.1

愛知県や岐阜県などの中部地方や長野県の郷土料理「五平餅」。 朝ドラでも取り上げらたこともあるので、食べたことがなくても名前だけは聞いたことがある人は増えたのではないでしょうか。

この「五平餅」、形状やタレ、串の形状などが地域によって異なるのだとか。 そんな五平餅の特徴や魅力を見ていきましょう。

「五平餅」とは

 

まず最初に、五平餅がどんな食べ物か見てみましょう。

「五平餅」はこんな料理

五平餅は、お米をつぶしたものを串に巻きつけて、タレをつけて焼いたもの郷土料理です。 愛知県や岐阜県、静岡県といった中部地方の山間部や、隣接する長野県や富山県などに伝わっています。

現地では家庭でも食されることがありますが、サービスエリアや道の駅などでも食べることのできる料理となっています。

一口に五平餅と言っても・・・

五平餅と一口に言っても、実はいくつかの種類があります。 形をひとつとってもわらじ型やきりたんぽのような形、だんご型などがあります。

タレは、その多くが醤油や味噌がベースとなっています。 しかし、地域によってその味付けは変わります。 みりんや砂糖などの調味料を加えたり、ピーナッツやクルミ、ゴマを加える場合もあります。 家庭によっても味が違うことがあります。

さらに、五平餅が刺さった串にも注目してみましょう。 だんごの形にする場合は竹の細串、わらじの形にする場合は平らなヘラの形をした串を使うことが多いようです。

五平餅の発祥は?

 

次に、五平餅がどのようにして生まれたのか見てみましょう。

「山の講」でのお供え物から来たとする説

五平餅は、山岳信仰からきたという説があります。 この山岳信仰を「山の講」といい、その中で山の神へのお供え物として五平餅は生まれたとされています。

山深い地域では、昔はお米が貴重な存在でした。 そして、お祭りでは山の神にお米を捧げるために炊いたお米をおにぎりにして枝に刺してお供え物としていました。 これが五平餅の原型とされています。

山で仕事をする人の携帯食だったとする説

また、林業など山の中で働く人の携帯食から生まれたともされています。

紀伊山脈や飛騨山脈を有する五平餅が食べられた地域では、山岳地帯ということもあって林業が盛んです。 そして、林業などに従事していた人たちが昼食としたり、保存食として携帯していたものが五平餅のはじまりともいわれています。

五平餅の「五平」ってなんのこと?

 

独特な名前の「五平餅」。 この「五平」とは何のことなのでしょうか。

「御幣」から来たとする説

五平餅の「五平」は、御幣の書き換えだとする説があります。 御幣とは、神事に使われる道具のひとつ。

 

この、2本の紙垂(しで)と呼ばれる紙をを竹や木の串に挟んだものです。 注連縄などに付けられている事もあります。

五平餅は、この御幣を思わせる形状をしていることから来ているともいわれています。 そのため、五平餅を「御幣餅」の名前で販売されている事もあります。

考案者の「五平」さんのこととする説

木こりや猟師ともいわれる山の中で働く人の中に、握り飯などをつぶしたものに味噌を塗り、焼き上げたのが五平餅のはじまりともされます。 そして、この料理を考案した人の名前が「五平さん」だったことから、「五平餅」と呼ばれるようになったとする説もあります。

まとめ

お米をつぶしたものを串に巻きつけて、タレをつけて焼いた五平餅。 愛知県や岐阜県などの中部地方の山間部、長野県や富山県に伝わる郷土料理です。 しかし、地域や家庭によって、タレの味付けや形状に大きな違いがあり、意外と奥深い料理となります。

この五平餅、山の神様への捧げものとして作られたとする説や山で働く人の携帯食だったとする説など、発祥については諸説あります。 また、名前の「五平」は神事に使われる道具「御幣」からきているとする説や、考案したのが「五平さん」だったからとする説などがあります。

本場の五平餅は、お店によってもタレの味や形がまったく違うので、お気に入りの五平餅を見つけてみるのも面白いかもしれませんね。

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