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【プロ解説】ニット素材には何がある?おすすめアイテムやお手入れ方法も紹介

  • 2022.12.1

ニット素材の種類

ニットに使われる素材は大きく、動物繊維・植物繊維・化学繊維の3つに分けられます。ここからは、代表的なニット素材の特徴を紹介していきます。

動物繊維のニット素材

動物繊維とは、山羊や羊、蚕(カイコ)など生物から採取できる繊維を指します。

<動物繊維のニット素材>

ウール:羊毛から作られる素材で、ニットの定番でもあります。吸湿性と撥水性に優れているのが特徴。温かいですが、種類によってはチクチクするものもあります。

カシミヤ:カシミヤヤギの毛から作られる高級素材です。繊維が細かいので肌触りが良く、光沢感があります。保温性は高いですが虫に弱く、デリケートなのでお手入れが必須です。

モヘア:アンゴラヤギの毛から作られる素材。毛足が長く、ふわっとしたソフトな質感です。軽くて弾力性が優れていますが、毛が細いため扱い方によっては抜け落ちる場合があります。

アンゴラ:アンゴラウサギの毛を使用した素材です。モヘアのように毛足が長くソフトな質感。シルクのようななめらかさが魅力ですが、静電気が起こりやすいため毛玉の発生に注意が必要です。

シルク:蚕の繭糸から作られる高級素材。繊維がとても細かいためチクチクしにくく、吸湿性・通気性・保温性が高いです。ただし変色やシミが起こりやすいため、保管方法に気をつける必要があります。

植物繊維のニット素材

繊維は動物からだけではなく、植物からも採取が可能です。動物繊維と植物繊維をまとめて、天然繊維と呼ぶこともあります。

<天然繊維のニット素材>

綿:綿花から作られる素材で、コットンとも呼ばれます。肌触りが良いですが保湿性はあまりないため、春夏用のニットに多く用いられています。

リネン:フラックスという亜麻科植物の繊維からできる素材です。麻のことをリネンと呼ぶと思われがちですが、リネンは麻の種類の中のひとつです。吸水性や速乾性、通気性に優れていて丈夫なため、夏に多く用いられます。縮みやすいので洗濯の際は注意が必要です。

化学繊維のニット素材

人工的に作られる繊維は、化学繊維と呼ばれます。天然繊維と合わせた混合素材のニットも多く存在します。

<化学繊維のニット素材>

アクリル:アクリロニトリルという有機化合物を原料にした素材です。ウールに似て保温性・耐久性に優れており肌触りが良いですが、吸水性はないため毛玉ができやすいのが特徴です。

ポリエステル:ペットボトルの原料でもあるポリエチレンテレフタレートを原料にした素材です。綿に似た質感をしており、保温性はあまりないため冬用のニットとしてはあまり用いられません。丈夫でシワになりにくいですが、静電気が発生しやすいため注意が必要です。

【素材別】ニットのお手入れ方法

ニットを永く愛用するには、お手入れが必要不可欠。素材に合わせたお手入れで、美しい状態をキープしてくださいね。

ウール・カシミヤニットのお手入れ方法

ウールやカシミアのニットは、基本的に洗濯を頻繁に行わなくても問題ありません。着た後は動物性の洋服ブラシを使って、丁寧にブラッシングを行ってください。シーズンの終わりにはドライクリーニングに出すと良いでしょう。

モヘア・アンゴラニットのお手入れ方法

毛が抜け落ちるため、ブラシの使用は避けるようにしましょう。ニットと同系色のタオルややわらかい布を使って、優しくブラッシングして毛並みを整えます。汚れた場合は早めにクリーニングに出すのがおすすめです。

シルクニットのお手入れ方法

シルクはデリケートな素材なので、自宅で洗濯せずにクリーニングに出すのがおすすめ。摩擦が起こると毛玉ができてしまうため、ブラッシングは不要です。直射日光の当たらない場所でハンガーに吊るして、湿気を取り除くようにしましょう。

綿・リネンニットのお手入れ方法

綿もリネンも、洗濯機の使用が可能です。洗濯する際は他の衣類との絡まりや縮みを防ぐためにも、ネットに入れるようにしましょう。綿ニットはハンガーに吊るすと重さで伸びる恐れがあるため、平干しで乾かします。リネンニットはハンガーに吊るして、自重でシワを伸ばします。

アクリル・ポリエステルニットのお手入れ方法

両者とも、洗濯する前に表記を必ず確認するようにしてください。洗濯できるものはネットに入れて、なるべく短時間で行うようにしましょう。洗濯後は伸びるのを防ぐために、平置きで乾かすようにします。また、ポリエステルニットは着用後のブラッシングで毛羽立ちを抑えるのがおすすめです。

抑えておきたい!ニットのトレンド

ブラウンのニットコーデ

ニットのデザインにも、流行り廃りが存在します。トレンドのデザインを取り入れれば、コーディネートの今っぽさが格段に増すでしょう。まずは、ニットのトレンドを紹介していきます。

柄物
柄ニットを使ったコーデ

2022年秋冬のコレクションでは、柄×柄のコーディネートを発表しているブランドが多く見られます。90年代風の淡いピンクやグレーの総ロゴニットを発表したシャネル(CHANEL)のコレクションをはじめ、他のブランドでもマルチカラーや柄物のニットを取り入れているのもポイント。花柄やチェック、ストライプなどの定番柄はもちろん、アーガイルやケーブルなどのニット特有の柄を取り入れるのもおすすめです。

パープルカラー
パープルニットを使ったコーデ

2022年秋冬のトレンドカラーはパープル。昨年トレンドカラーだったビタミンカラーと比べると、トーンや色調によって、ポップなイメージから落ち着いた大人っぽさまで、さまざまな印象を与えられるのが魅力です。これまでパープル系のカラーは挑戦したことがないという人も、お気に入りの色味を見つけてこの秋冬に取り入れてみてくださいね。

おすすめのニットアイテム

上質なニットを着ると、コーディネートのクラス感が高まります。こだわりの素材で作られたものは、着心地も快適。おすすめのニットアイテムを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

サカイ(sacai)|ドッキングカーディガン
ドッキングカーディガンコーデ

個性的な変型デザインが特徴的なサカイ(sacai)のドッキングカーディガン。ドッキングカーディガンはサカイの定番アイテムで、コットンニット×レース地のものや、シフォン生地を使ったものなど、バリエーションが豊富です。

こちらは、後ろ身頃に透け感のある素材が使われており、ニット生地とのギャップを楽しめます。変型デザインと異素材ミックスで、サカイらしい持ち味の1着と言えるでしょう。インパクトがあり羽織るだけでコーディネートが完成するのが魅力の、おしゃれなニットです。

セリーヌ(CELINE)|チャンキーニット
セリーヌのチャンキーニット

チャンキーニットはここ数年、トレンドが継続しています。チャンキーニットといえば、セリーヌ(CELINE)の旧デザイナー、フィービー・ファイロの名作として有名です。セリーヌのチャンキーニットは、厚手カシミアやウールなど素材にバリエーションがあります。どれも上質な素材を贅沢に使っているため、肉厚で冬でもアウターが不要なほど暖かいのが魅力のひとつです。

チャンキーとは、「ずんぐりした」という意味ですが、セリーヌのものはシルエットが計算し尽くされているため、厚地ながら、スッキリ見えを叶えてくれます。洗練されたデザインは、まさに大人の為のニットと呼ぶにふさわしいでしょう。

エコカシミア ニット

エコカシミアとは、近年登場した新しい素材です。カシミアを作る過程で抜け落ちた毛を再利用した素材で、サステナブル志向がファッション業界でも高まっている背景もあり、最近では取り扱うブランドが増えてきました。

メゾンマルジェラ(Maison Margiela)でも、エコカシミアを使ったニットが多数発表されています。メゾンマルジェラのニットはそのすべてがパーフェクト。シンプルなデザインだからこそ、素材の良さやシルエットの良さが感じられるニットアイテムが豊富に揃っています。アースカラーのものが多く、ファッションに取り入れやすいのも魅力。着てみると、デザインの良さを実感できることでしょう。環境問題に配慮された注目の新素材の着心地を、ぜひ試してみてください。

ハイブランドのニットを買うならリユースショップがおすすめ

ハイブランドのニットは上質な素材を使用しているため、定価が高くなりがちでもあります。購入するか迷ってしまう場合は、リユースショップをチェックしてみてはいかがでしょうか。新品同様できれいな状態のものも、リユースショップなら定価より安く購入できます。

また、リユースショップの活用は、使われることなく廃棄されてしまう天然素材を減らすことにもつながるため、サステナブルともいえます。

流行のニットをコーディネートに取り入れて

グリーンのニットコーデ

ニットは素材ごとに異なる風合いを楽しめるのが魅力。お気に入りのニットを見つければ、毎日のコーディネートがさらに楽しくなりますよ。流行を取り入れたニットを購入したらお手入れをして、永く愛用してくださいね。

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