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温泉本作家・岩本薫の忘れられない味。山梨県〈増富温泉・不老閣〉の夕食

  • 2022.12.1
〈増富温泉・不老閣〉の夕食 イラスト

ラジウム泉効果で胃腸も快調!温泉込みで味わう旅館メシ

ハギーK イラスト

温泉旅館の豪華すぎる食事が好きではなく、温泉街で古い食堂を探します。そして『孤独のグルメ』の井之頭五郎のように、店構えなどから直感で決める。増富(ますとみ)温泉は良質なラジウム泉で有名だけど、湯治場だったからか宿の外に食べるところがほとんどない。

それで旅館〈不老閣〉に食事付きで泊まったのですが、毎年行きたくなるほどの感動体験でした。単に料理が素晴らしいだけでなく、ラジウム泉は胃腸にすごくいいんです。鼻から呼吸して、飲泉もして……正直これはまずいけど(笑)、交互浴をして、気がつけば3時間。

胃腸の調子がどんどん良くなり、ベストコンディションになったところで夕食の時間。野菜や発酵食品が中心で、ボリュームもちょうどいい。メインは豚しゃぶでしたが、つけダレはなんと桃のソース。こんな洒落たもの、普段は絶対に選ばないけど果肉も入っていて、まあ旨い!これぞラジウムと旨いメシの相乗効果!食事の良さは味だけでないと思っていましたが、〈不老閣〉はそれが体現されている場所ですね。

profile

温泉本作家・岩本薫

岩本薫(温泉本作家)

いわもと・かおる/ひなびた温泉研究所ショチョー。温泉好きが高じて温泉本作家に。『ひなびた温泉パラダイス』『ヘンな名湯』など著書多数。22年11月には初の評論本『つげ義春が夢見た、ひなびた温泉の甘美な世界』の出版を予定。
Instagram:@hinabita_onsen555

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