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ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

  • 2022.12.1
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東京・竹芝にあるホテル【メズム東京、オートグラフ コレクション】では、物語に着想を得た異色のランチとディナーが注目です。2023年2月28日まで、世界的なラブストーリー『ロミオとジュリエット』の物語に沿って、前半をランチで、後半をディナーでいただけるスペシャルな体験を用意。料理に潜む恋人同士の気持の機微を、時には大胆に、時には繊細な味を通して感じ取ってみてください。今回は一挙にクライマックスへと突き進むディナーを紹介します。

美しい物語を美味しい料理で体験する

1595年ごろに初演された劇作家ウィリアム・シェイクスピアの永遠のラブストーリー『ロミオとジュリエット』。2人の出会いから結ばれるまでをランチプログラムで、悲劇へと向かう後半をディナープログラムで体験します。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

▲レストラン「Chef’s Theatre(シェフズ・シアター)」

【メズム東京、オートグラフコレクション】の16階にあるレストラン「シェフズ・シアター」では、ランチとディナーの時間にロシアの作曲家プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』などが流れ、ドラマチックな雰囲気を盛り上げます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

▲物語の前半を味わうランチプログラム

・物語前半:ランチプログラムのあらすじ

イタリア・ヴェローナの名家キャピュレット家とモンタギュー家は代々対立し合い、事あるごとに争いごとを起こしています。そんなモンタギュー家の一人息子ロミオは、気晴らしに忍び込んだキャピュレット家の舞踏会で1人の少女と出会います。それがキャピュレット家の一人娘ジュリエットでした。恋に落ちた二人は、修道士ロレンスの助けを借りて、翌日には結婚を誓います。しかし、幸福の絶頂を迎えたランチプログラムのデザートには、不吉な暗示が示されているのでした……。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

▲テーブルに着くといよいよ開演です。夜景を楽しめる窓際のテーブルは、シェフズ・シアターのいわば桟敷席です

今回のプログラム『ロミオとジュリエット』では、テーブルに劇場パンフレットを用意。有名なセリフから採られた料理の名前や劇中シーンが紹介され、食事のヒントに! もちろんランチプログラムと前半のストーリーも紹介されているので、物語全体の流れも判ります。パンフレットは購入も可能です。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【ペアリングモクテル】ディナープログラムでは、ワインとノンアルコールのモクテル、それぞれ2タイプのドリンクペアリングをオーダーできます。はじめに、乾杯とアミューズ用のペアリングモクテルは、ノンアルコールのスパークリングワイン、ピエール シャヴァンの「ピエール・ゼロ ブラン・ド・ブラン」にピンクグレープフルーツを加え、酸味と甘みを楽します。

≪アミューズブッシュ:Fortune’s Fool! 僕は運命にもてあそばれる愚か者だ!≫

【物語のシーン】ジュリエットと結婚したロミオは、親友マキューシオとジュリエットの従兄弟ティボルトが争う場面に遭遇。ティボルトに刺されたマキューシオが息絶えると、ロミオは怒りに任せティボルトをあやめてしまいます。太守にヴェローナからの追放を宣告され、ロミオは自身の愚行を嘆くのでした。「O,I am fortune’s fool!:ああ、僕は運命にもてあそばれる愚か者だ」

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【料理】刺激に満ちた一皿からディナープログラムが始まります。トマトと赤ピーマンのガスパチョ風ソースが飛び散る激しい決闘シーン。軽くスモークしたサーモンやパプリカのムースでできた赤い球体は、黒いひじきが食感のアクセント。食べるときは豪快に崩して、両家の激しい抗争があなたの手によって完成するという幕開けです。濃厚で風味豊かなソースのインパクトを味わってみてください。

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▲南部鉄器で焼きあげたパン・ド・カンパーニュ

南部鉄器を使って中までじわっと火が通り、温かさも持続するパン・ド・カンパーニュは、ランチやディナーの初めにだけ提供される特別な一品。2種類の小麦、フランス産のムールドピエールとドイツ産のメールダンケルを使い、外はカリっと中はふっくら焼き上げられています。パンそのものも美味しいですが、オリーブオイルや料理のソースで食べるのもおすすめです。

≪前菜:It was the Nightingale. あれはナイチンゲールの鳴き声よ≫

【物語のシーン】ジュリエットは、ロミオが従兄弟のティボルトを殺してしまったことを知り衝撃を受け、ヴェローナから追放されることを悲しみます。その晩ロミオは、密かにジュリエットの元を訪れ、二人は結ばれます。いつまでも甘美な余韻に浸っていたいジュリエットは、夜明けを告げるヒバリの鳴き声を、夜に鳴く鳥ナイチンゲールだと言い張り、ロミオを引き留めようとします。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【料理】朝霧をイメージしたスモークを、ガラスのドームに閉じ込めて登場。霧が晴れると、二人の束の間の幸せな時間を「パイ包み焼き」が表現します。中にはバターの香りが際立つエビが入り、温かくほっこりとする味わい。ハーブが香るノイリー酒で仕立てたサバイヨンソースでいただきます。可憐な色合いのサラダには、朝露のようなホワイトバルサミコの球体が降りかかり、二人のはかなくも短い幸せを味わう趣向です。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【ペアリングワイン】パイの包み焼きに合わせるワインはフランスの「プイィ フュメ レ クロクルー」。ソービニヨンブランを使った辛口の白ワインです。

【ペアリングモクテル】マスカットのジュースにカモミールの茶葉を漬け込んだモクテルは、ブドウの甘味に穏やかなカモミールの香りが重なり、心地よい朝の余韻を残します。

クライマックスへと突き進む物語と料理

≪魚料理:Tell not me of Fear! 恐れなどありません!≫

【物語のシーン】亡命先へ旅立ったロミオを名残り惜しむジュリエットは、3日後にパリス伯爵と結婚することを申し渡されます。パリス伯爵と結婚するなら死を選ぶというジュリエットの決意に、修道士ロレンスは42時間仮死状態になる薬を飲み、目覚めたらロミオとともに亡命することを提案。ジュリエットは危険な薬にも「Tell not me of Fear!:恐れなどありません!」と、愛の強さを示すのでした。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【料理】低温調理で仕上げたタラに季節野菜をトッピング。そこへジュリエットが助けを求めた教会のシンボル黒い十字架を飾ります。色鮮やかな甲殻類のビスクソースには、42時間仮死状態になる毒薬として暗緑色のセロリオイルを垂らします。ふっくらとしたタラに、濃厚で芳醇なビスクソースとクセのあるセロリの風味が加わり、愛ゆえの危険な賭けを味わいます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【ペアリングワイン】魚料理に合わせたのは南アフリカのド・トラフォードワイナリーがシュナン・ブラン種を使った白ワイン「ド・トラフォード シュナン・ブラン」。フルーティな辛口です。

【ペアリングモクテル】同じく魚料理に合わせたモクテルは、レモンを丸々漬け込んだレモンウォーターにカシスを加え、さっぱりと甘く、フリーティに仕上げたノンアルでした。

≪肉料理:I Defy You,Stars! 運命の星よ、ぼくはお前の思い通りにはならない!≫

【物語のシーン】ロミオの従者バルサザーがジュリエットの葬儀を目撃。ロミオに注進する。修道士ロレンスの真相を伝える手紙は間に合わず、ジュリエットが死んだと思い込んだロミオは「I Defy You,Stars!:運命の星よ、ぼくはお前の思い通りにはならない!」と、非情な運命から自由になるため死を決意。毒薬を手に入れ、キャピュレット家の墓所へと向かいます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【料理】ジュリエットの死と非情な運命を夜空に向けて嘆くシーンを、星空ように盛り付けたメイン料理で表現。ローストされた肉厚で柔らかい国産牛ロースは、肉汁に赤ワインを加えた鮮やかな味わいのソース、ジュ・ド・ヴィアンドでいただきます。左にマッシュルームのフリット、右に根菜を甘く煮詰めたグラッセなどが並び、黒ニンニクのペーストや、夜空に瞬く星を模したスパイシーな塩粒など、多彩な味でいただきます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【ペアリングワイン】ピノ・ノワールのカリフォルニアワイン「フォグ マウンテン」は、肉料理を引き立てる控えめな果実感と芳醇な風味のミディアムボディ。

【ペアリングモクテル】肉料理に合わせた赤ブドウのジュースには、前半のランチプロブラムの肉料理で登場する“バラの名前”にまつわるセリフにちなみ、ローズシロップを加えます。

≪デザート:Here’s to My Love. 僕の愛を捧げよう!≫

【物語のシーン】キャピュレット家の墓所に忍び込んだロミオは、ジュリエットのかたわらで「Here’s to My Love.:僕の愛を捧げよう!」ととなえ毒薬を飲み干します。ほどなく仮死状態から目覚めたジュリエットは、息絶えたばかりのロミオを前に悲嘆にくれます。ジュリエットは短剣で自身の胸を突いてロミオの後を追い、二人の愛は死によって永遠となるのでした。若い二人の死に心を痛めた両家は自分たちの愚かさに気づき、和解の道へと歩みはじめます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【料理】洋梨とウィスキークリームの複雑で大人な味わいのガトーショコラケーキと、炭で色付けした濃厚なチョコレートのジェラートで、ロミオとジュリエットが共に最期を遂げる墓所をイメージ。皿にはクロレラソースの緑色が強い印象を残します。ガトーショコラの甘さとソースの塩味で、「愛」と「死」が表現されます。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

【ペアリングモクテル】不穏な色をした最後のモクテルは、ロミオの毒薬をイメージ。グラスのフチにブル―キュラソーのシロップとパチパチキャンディをつけて毒の色合いを表現。上下に分離したクランベリージュースとマスカットジュースは、ゲストが混ぜ合わせて毒薬が完成する趣向です。さあ、一気に飲み干してしまいましょう!

【ペアリングワイン】ワインはハンガリーのデザートワイン「トカイ サモロドニ スイート」。ケーキといただく甘く飲みやすいワインでした。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

▲食後のコーヒーは目の前で淹れられます

猿田彦コーヒーのメズム東京オリジナルのスペシャルブレンドは、ここでしか飲めない特別な味わいです。注文を受けてから豆を挽き、ゲストの目の前でハンドドリップされるため、期待の高まる一杯です。

ディナーで味わうラブストーリー。【メズム東京】のドラマチックな味の共演『ロミオとジュリエット』

▲締めくくりの小菓子は、フランスの伝統菓子カリソンとラム酒でできたカヌレ、シャインマスカットとフロマージュ・ブラン・チーズが入ったマスカットのジュレでした

【メズム東京、オートグラフ コレクション】16階のシェフズ・シアターで、2023年2月28日まで毎日催されるランチとディナーのプログラム『ロミオとジュリエット』。ウィリアム・シェイクスピアが書き上げた悲劇的な愛の美しさを、料理とペアリングドリンクで追体験するアヴァンギャルドな試みです。ぜひ最後まで味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:メズム東京、オートグラフ コレクション https://www.mesm.jp/>

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