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【円安】で喜んでいるのはどんな人とどんな業界?

  • 2022.12.1
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2022年に入ってからは、ニュースなどで「円安」という単語を聞く機会が増えたと感じていませんか。今回の円安は、特に「記録的」「歴史的」ともいわれています。さまざまな商品やサービスの値上げにつながるなど、悪いイメージを持っている人もいるでしょう。

なかには「円安だから儲かった」「円安で得をした」という人もいるかもしれません。今回は、どんな人が円安を味方につけているのか、かんたんに解説します。

■そもそも円安とは?(かんたんにおさらい)

円安とは、他の国の通貨に対して円の価値が下がることです。例えば1米ドル100円→150円といった円安が進んだ場合、今まで1米ドル100円で買えていたものが、同じ1米ドルでも150円出さないと買えなくなるなどの変化が出てきます。

逆の現象が「円高」です。例えば1米ドル100円→80円となった場合は、円高となります。円の価値は、常に変動しているので、今までも円安になったり円高になったりを繰り返してきました。

では、円安がプラスに働くのはどんな業界やどんな人なのでしょうか。

■円安で喜ぶ業界とは?

円安となって喜ぶ主な業界は、以下の2つです。

・旅行業界
・輸出が多い産業

●1旅行業界

円安が進めば進むほど、同じ1米ドルでも多くの日本円を手にできるようになります。海外から日本に来る人にとっては、今までと同じお金を持ってきてもたくさんの物が買えるので「お得」と感じるでしょう。

そのため旅行業界、特にインバウンド(日本を訪れる外国人旅行客)向けの仕事をしている旅行会社や宿泊施設などにとって円安は「お客さんを呼び込む大きなチャンス」といえます。

●2輸出が多い産業

円安だと、海外から見たときに日本の商品やサービスが割安となるため、お得に見えます。海外の企業からすると、日本の物を安くたくさん購入できるため、日本の材料を日本で加工して海外向けに輸出している会社などは、受注を獲得しやすく売上を上げやすくなるでしょう。

■円安で喜ぶ人とは?

円安になって喜ぶ人は、以下のような人です。

・円高のときに外貨を手に入れていた人
・日本で暮らしながら海外から収入を得ている人

●1円高のときに外貨を手に入れていた人

円高時に円から外貨に換金して円安時に外貨から円へ換金すると差額分が利益となります。例えば1米ドル100円のときに1万米ドル(100万円分)を交換して、1米ドル150円のときにすべて円に交換した場合の利益は、50万円(150万円-100万円)です。(実際には税金や手数料も関係してきますが、ここでは単純化して紹介します)

もし円安になる以前に海外旅行へ行き外貨を円に交換していない人は、いま日本円に戻すとお得かもしれませんね。そのほか円高時に「外貨預金を始めた」「FXに投資している」といった人も同じような仕組み(為替の差額)で利益を出すことができます。

●2日本で暮らしながら海外から収入を得ている人

日本で暮らしながら海外から収入を得ている人も円安の恩恵を受けられます。同じ仕事をして同じ「1万米ドル」を得たとしても、1米ドル100円のときは100万円ですが円安が進んで1米ドル150円になると150万円です。為替変動で50万円も収入が増えることになります。

例えば仕事で日本に駐在している外国人、外貨建ての投資を行っている人などが該当するでしょう。海外に資産を持っていて日本に住んでいる人も同様です。

■まとめ

円安には、デメリットだけではメリットもあります。ざっくりいえば海外からお金を呼び込む人や業界は、円安がプラスに働くことが多いでしょう。

ただ現在円安でもまたいつか円高になるかもしれません。個人で為替変動をコントロールすることはできませんが、どちらに転んでも困らないように資産管理を工夫することはできます。不安定な世のなかだからこそ、うまく立ち回っていきたいですね。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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