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福島の‟奇跡の絶景”!「霧幻峡の渡し」に乗船してきました

  • 2022.12.1

福島県奥会津を流れる只見川を一艘の木舟で周遊する「霧幻峡の渡し」。水面から立ち込める川霧はあまりにも幻想的で、まるで時空を超えて別世界にきたかのよう!そんな人生に一度は訪れたい奥会津の人気アクティビティを体験してきました♪その様子をレポートします。

JR只見線に乗っていざ出発。秘境ならではの事前チェックはお忘れなく

紅葉シーズンの第一只見川橋梁をビュースポットから望む(写真提供:奥会津郷土写真家 星賢孝)
紅葉シーズンの第一只見川橋梁をビュースポットから望む(写真提供:奥会津郷土写真家 星賢孝)

今回取材で訪れた時期は紅葉シーズンの真っ只中。乗船は予約必須ですが、2週間前には予約がほぼ埋まっている状況…!なんとかギリギリで予約が取れて11月上旬の平日に行ってきました。

舟着場のある「早戸駅」までは、全国屈指の秘境路線「JR只見線」でアクセス。始発の会津若松駅から乗車し、揺られること約2時間。

鉄道愛好家や写真愛好家にも愛される「JR只見線」は、なんといってもローカル線らしいノスタルジックな風景が魅力!途中途中でビュースポットがあり、車掌さんが「もうすぐ第一只見川橋梁です」とアナウンスし、減速しながらその景色を楽しませてくれます。

のんびり、ゆっくり、車窓の風景を楽しみつつ、早戸駅に到着。駅から舟着場は徒歩すぐの距離にあります。ちなみに、駅は無人駅でトイレはなし。舟着場には仮設トイレしかないので、なるべくJR只見線の乗車前か列車内で済ませておきましょう。

1日の運行本数が少ないJR只見線なので、舟の出発時刻と列車の到着時刻が合わず、1〜2時間待つ場合も。舟の予約の際は列車の時刻表と見比べながら予約するのがオススメです。

それでもどうしても待つという場合は、近くに入浴施設「早戸温泉つるの湯」があり、事前に連絡すれば駅まで無料送迎サービスをしてくれます。温泉や食事を楽しみながら出発時刻まで有意義に過ごせますよ♪

プランは2つ!時間があれば散策付プランがオススメ

只見川をゆく木船
只見川をゆく木船

「霧幻峡の渡し」は船頭さんの案内のもと只見川を一艘の木舟でめぐるアクティビティ。約45分の周遊プランと、約90分の散策付プランの2つがあります。

周遊プランでは途中下船をせず、船上から景色を楽しむ内容。散策付プランは周遊プランのコースに加えて、途中の舟着場で下船し、かつて存在していた集落の跡地や陸から絶景ポイントをめぐるプランになります。

今回はたっぷり魅力に浸れる散策付プランを予約しました♪

周遊プランは3名まで1艘6000円(4名以上は1名あたり1800円)、散策付プランは3名まで1艘8000円(4名以上は1名あたり2500円)。グループ単位での予約で他人と相乗りすることはないので、仲間とワイワイと楽しめます。

船上から見る世界に感動!夏は幻想的な川霧が見られる

船頭さんの案内で進んでいく
船頭さんの案内で進んでいく

船頭さんが櫂(かい)を操りながら、ゆっくりと水面をすべるように舟を走らせていきます。

尾瀬を源流とする只見川は、雪解け水の影響で水が非常に冷たく、夏は気温差で川霧が発生しやすい環境にあるのだとか。気象条件に左右されるので必ず見られるわけではありませんが、「霧幻峡」という名前にもある通り、霧に包まれた峡谷は幻想的。まさに‟奇跡の絶景”なんです。

夏の時期、川霧が立ち込める霧幻峡(写真提供:奥会津郷土写真家 星賢孝)
夏の時期、川霧が立ち込める霧幻峡(写真提供:奥会津郷土写真家 星賢孝)

この日は峡谷を彩る紅葉が見事で、風もやさしく水面がとてもおだやか。鏡のように周囲の山々を映しとっていました。

只見線を走る列車に手を振る
只見線を走る列車に手を振る

途中JR只見線の列車が通ると、列車の乗客もこちら側もお互い手を振り合ったりして、なんだかほっこり。奥会津らしいのんびりとした時間に癒されます。

霧幻峡の誕生秘話を教えてくれる船頭さん

途中下船して歩いてめぐる
途中下船して歩いてめぐる

景色にただ見惚れるだけではなく、道中は頭さんが霧幻峡にまつわるお話をたくさん聞かせてくださいます。

霧幻峡は300年続く歴史がありながらも、昭和39年(1964)に裏山の土砂崩壊で廃村となった場所。その集落跡地には、いまもなお大山祇神社や子安観音、霧幻地蔵、古民家、硫黄鉱山などの産業遺跡が残されています。

元々は集落の移動手段だった渡し舟も廃村で途絶えていましたが、地元の方がアクティビティとして復活。川霧に包まれる幻想的な景色からこの一帯を「霧幻峡(むげんきょう)」と命名したのだそう。

近年、度重なる厄災から逃れたこの地は、訪れた人の運気を上げ、願い事を叶えるパワースポットとしても注目されています。

昭和19年に建立された霧幻峡のシンボル「霧幻地蔵」 土砂崩壊した当時の様子を写真で説明してくれる
昭和19年(1944)に建立された霧幻峡のシンボル「霧幻地蔵」 。集落跡地内にあり、絶景が見渡せるポイント
土砂崩壊した当時の様子を写真で説明してくれる
土砂崩壊した当時の様子を写真で説明してくれる

途中下船して徒歩で片道15分。そんな話を伺いながら実際に集落跡地を巡ります。霧幻地蔵の近くには、船上から見るのとはまた違った絶景ポイントがあり、さらに奥へ進むと古民家が。

古民家は中を見学できる
古民家は中を見学できる

中を見学できるようになっており、昔ながらの生活の音がいまにも聞こえてきそう。ほのかに香る硫黄の匂いや、山から染み出す湧水のせせらぎを聴きながらのプチ散策は、身も心もリフレッシュさせてくれました。

運航は4月下旬〜11月中旬まで。四季折々の風景を楽しもう

水面がきらめく様子が美しい
水面がきらめく様子が美しい

「霧幻峡の渡し」は春〜秋にかけて運航され、冬季はお休み。どの季節もそれぞれの美しさがあり、川霧を狙うなら夏の朝または夕方が確率が高いのだそう。もちろん秋の紅葉も人気のシーズンです。

また「JR只見線」では、2022年10月1日に豪雨災害を受け運休していた会津川口駅ー只見駅間が約11年ぶりに復活。全線運転再開となったニュースでも話題となりました。多くの鉄道ファンや観光客で賑わい、活気が一段と戻ってきています。

沿線には途中下車して楽しみたい絶景ポイントや立ち寄りスポットが点在しているので、ぜひ鉄道旅と合わせて「霧幻峡の渡し」を堪能してみてはいかがでしょうか。

日々の喧騒から離れて、心ゆくまでリトリートできた今回の旅。仕事に人間関係にちょっと疲れたな…なんて思ったら、きっとこの景色が癒してくれますよ♪

■霧幻峡の渡し(むげんきょうのわたし)
場所:JR只見線早戸駅そば舟着場
アクセス:JR只見線早戸駅から徒歩2分
電話:0241-42-7211(金山町観光物産協会)
期間:4月下旬〜11月中旬(日の出〜日没)※5日前までに要予約
料金:周遊プラン(約45分、3名まで6000円、4名以上は1名あたり1800円)、散策付プラン(約90分、3名まで8000円、4名以上は1名あたり2500円)※2022年11月現在の料金


Text & Photo:ジェンティーレ恵


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