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いま流行のクラフトビールって何? 今さら聞けない基礎知識で、ビールをもっと楽しく!

  • 2015.11.6
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巷で流行りの、クラフトビール。でも、「そもそもクラフトビールってなに?」状態の人も多いのでは。ということで今回はクラフトビールの基礎知識について、ビール醸造所「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)」のマスターブリュワー(醸造家)・福井森夫さんにお話を聞きました。

クラフトビールは、醸造家の知恵と工夫の結晶

早速、クラフトビールとはなんぞや?を福井さんに直撃すると、「実は、クラフトビールの定義ってないんです」と、意外なお返事が。

「アメリカでは、小規模生産であること、独立していること、伝統的であることなどいくつか定義があるんですが、それを日本にあてはめるとやや違和感があります。なのでSPRING VALLEY BREWERYでは、『多様性』『嗜好性』『創造性』の3点を満たすビールをクラフトビールと定義しています。既成品にとらわれることなく、醸造家自らが新しい味覚を生み出すべくチャレンジして造りだした個性あるビールは、クラフトビールと考えていいと思います」

つまり、醸造家さんの知恵と工夫を味わえるビール=クラフトビールということなんですね。

新たなビールが続々!個性豊かな種類を体験しよう

さらにクラフトビールを楽しむ上で欠かせない基礎知識についてお聞きしました。

「味や香り、色、醸造方法といった特徴からビールをカテゴライズしたものを“スタイル”と言います。今もビールの新たなスタイルが続々と生み出されていて、現在世界中で100種類以上のスタイルがあると言われています。ちなみに、日本の4大メーカーが作っているビールのスタイルは、ほとんどすべてが“ピルスナー”なんですよ」

たくさんの銘柄があるにもかかわらず、スタイルでいうと国内主要メーカーのビールはすべて同じ「ピルスナー」1種類だったとは…。

「それは別に良い悪いではないんです。日本の風土や生活スタイルに合うビールを各社が突き詰めていった結果、たまたまそれがピルスナーだったというだけなのです。その一方で、今は意欲的なクラフトブルワリーが様々なスタイルで個性あるビールを生み出しているので、ぜひ色々なビールを体験することで、自分の好みを新たに発見してほしいですね」

ということで、クラフトビールを楽しむために知っておきたい、基本的な5つのスタイルをお聞きしました。食べものとの“ペアリング”も紹介していくので、その意外な組み合わせにも注目を!

【スタイル1】国内ビールの定番「ピルスナー」

スタイルは、「エール」と「ラガー」に大別されます。その中でラガーの代表格とされるのが「ピルスナー」。日本でもっとも親しまれているスタイルであり、国内において「とりあえず生!」と言って出てくるビールはほぼピルスナーといって間違いなし。クリーンで透き通った黄金色と、飲みやすくすっきりした味わいが特徴。

【スタイル2】英国のスタンダード「ペールエール」

ラガーの対局にあるエールの代表格が、「ペールエール」。どっしりと重たく、香ばしいカラメルのような甘さと香りが後味に残ります。そのため、「ゴクゴク、プハーッ」というよりは、ゆったりと味わいながら飲むようなイメージ。イギリスでもっともメジャーなビールのスタイルで、フィッシュ&チップスといったたん白な味わいのものと相性バツグン。

【スタイル3】鮮烈な苦味がクセになる「IPA(インディア・ペールエール)」

イギリスで誕生したペールエールをインドに運ぶ際、防腐作用のあるホップを大量に投入したのがIPAのはじまり。苦味と香りの元であるホップを多量に使用しているので、ホップの鮮烈な香りと強い苦みが特徴。アメリカでも大流行したことを受け、アメリカン・インディアペールエールという新しいスタイルも誕生しました。ペアリングには、ガツンとした肉類が◎。

【スタイル4】ワイン好きにもオススメの「フルーツビールタイプ」

その名の通り、果物を原料の一部に使ったスタイル。製造過程のどのタイミングで果物を投下するかによって味わいが大きく異なります。醸造の過程で果物を漬け込んで、二次発酵させるベルギー伝統のスタイルは、ワインの世界に通じるものが。ラズベリーやクランベリーといったベリー系をはじめ、様々な種類の果物が使われており、意外にもサラダから肉、デザートにまで合う万能選手。

【スタイル5】お菓子にも合う香ばしさが魅力の「スタウト」

「ギネス」などで知られるスタイルで、麦芽をしっかりとローストした黒い色と、チョコレートやコーヒーのような香ばしい香りが特徴。スコッチやウィスキーを嗜む感覚で、寒い日にちびちびと飲みたい感じ。ペアリングのお相手は、チーズケーキやチョコレートケーキのような、もったりとしたお菓子がオススメ。

この代表的な5つのスタイルを知っておくだけで、これまでとは違ったビールの楽しさが発見できるはず。ぜひこれらを指針に、クラフトビールを選んでみてくださいね♪

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