息子さんが1歳半になったころ、NEGIさんは発達に違和感を覚えるように……。同じことを何度言っても繰り返す、手を繋いでいられないなど、息子の行動がほかの子どもと違うことに気づいてしまったのです。そして1歳半健診に行ったとき、その疑問は確信へと変わります。たつき君は走り回っていましたが、会場にいたほかの子ども達は落ち着いてママの膝の上に座ったり、落ち着いて絵本を読んでいたからです。その夜、NEGIさんは今までずっと考えないようにしていたことをスマートフォンで調べ始めるのでした。
今まで通りたつき君のことをかわいいと思えるのか。
今まで通り愛せるのか。
この2つの疑問が、NEGIさんの頭をよぎってしまいました。
(そんなことを考えてしまう時点で、母親失格なんじゃないか?)
不安で押しつぶされそうになりながらも、問題行動の解決策が分からないことに対して落胆するのでした。
それからたつき君の行動が理解できないと困惑しながらも、ひとまず2歳になるまでは様子見にしようと決意することに……。
そんなある日、たつき君と一緒にスーパーに来ていたNEGIさん。
しかしスーパーに入った瞬間、たつき君は一目散に走り出してしまったのです。
NEGIさんは慌てて追いかけるのですが、たつき君の姿を見失ってしまいます。
すると、業者のお兄さんがやってきて、「その子ならさっき裏から出て行く所をすれ違いましたけど……」という言葉をかけてくれました。
業者のお兄さんの言葉を聞いて、ホッとしたのも束の間。
ドラッグストアの周辺の情報をとっさに思い出したNEGIさんは、(裏口の先には従業員や関係者の駐車場があり、交通量の多い道路がある……。もしかして……)と一瞬パニックになってしまいます。
ところがその後、駐車場にひとりで座り込み、静かに遊んでいるたつき君を見つけることに……!!
その姿を目にすると、安心感と張りつめていた緊張感が一気に緩み、膝から崩れ落ちてしまったのでした……。
膝から崩れ落ちてしまい、涙が止まらなくて…
「ドラッグストアにいだんですぅぅぅ~!!」
「うんうん。見つかって良かったですね!」
NEGIさんの状況を察した見知らぬ女性が、声をかけてくれました。
(無事に見つかったのはただ運が良かっただけで、
私は何もできなかった。母親なのになんて無力なんだろう……)
そう思うと、思わず泣き崩れるNEGIさん。
すると、たつき君が走ってきて、NEGIさんの目の前に顔を近づけます。
じーっと不思議そうな顔で見つめるたつき君。
そんな息子の様子を見て、NEGIさんは新たにたつき君のことを、
自閉症のことを"もっと知りたい"という新たな気持ちが芽生えたのでした。
このことがキッカケとなり、
発達相談窓口へ連絡することに……。
そして、早めに療育を始めることになったのでした。
◇ ◇ ◇
一時期は"息子さんのことを愛せるのか?"という不安があったものの、今回の一件を通して「自閉症のことをもっと知りたい」と思えるようになったNEGIさん。危機一髪の状況を乗り越えたことで、たつき君を守りたいという新しい気持ちが芽生え、前に進むキッカケとなったようで本当に良かったですね。早めの療育を受けることは、たつき君にとってプラスのことだと思うので、そちらも結果的には良かったのではないでしょうか。皆さんはどう思いましたか?
著者:マンガ家・イラストレーター NEGI
知的障害を伴う自閉症長男との日常漫画を投稿中。Instagramやブログを中心に、過去と現在の話や日々のおもしろ話を描いてます!
ベビーカレンダー編集部