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【この秋、とっておきの温泉宿へ。】#4 島根県・隠岐郡〈Entô〉

  • 2022.11.19
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一瞬にして、別世界へといざなってくれる特別な宿があります。古民家、美食、ジオパーク…。ここでしか味わえない環境で、深まる秋を感じながら、ちょっと贅沢な温泉体験を。

目に映るのは、ひたすら青い空と海、緑の島影。雲を追い、波を眺めていると、景色の中にふわりと浮かんでいるよう。周囲の自然との境目がなくなり、ひとつになったような気持ちになれる。

島根半島の北、日本海のはるか沖合に浮かぶ隠岐諸島。ユネスコ世界ジオパークにも認定された島々は、大地の成り立ちが感じられるダイナミックな地形や、離島ならではの生態系、古くから受け継がれた文化が損なわれることなく今もあり続ける、 地球上でも稀有な場所だ。

別館「Annex NEST」最上階西、1室だけのスイートルーム。フレームのある窓越しの景色は刻一刻と変わる。空と海を染め上げる朝焼けも見事。潮風や光が通り抜けるプライベートテラスも心地よい。

そのひとつ、海士町に〈Entô〉 が誕生して1年半。ジオパークの世界観を体感できるホテルとして、ますます存在感を増している。左右に大きく広がる窓から見えるのは、約500万年前の火山活動で形成されたカルデラ湾。外輪山の島々に守られた内海は鏡のように穏やかで、かつて奥底に巨大なマグマ溜まりがあったとは、想像もつかない。

島の玄関口、菱浦港に隣接。島に入る時も去る時も〈Entô〉の前を通る
散歩中にヤギを発見。島には牛の放牧地も。
ジオラウンジ。雄大な景色と化石を眺めて地球の歩みに思いをはせる。
海を一望できる温泉大浴場(工事のため休止中、11月下旬から再開予定)。

ぼんやり部屋から海を眺めているだけなのに意識は遠く時代を遡り、ひとり時間旅行を楽しんだ気分に。地球の長い歴史を思えば、人間の悩みなど小さなものだと思えてくる。日が暮れる頃になれば、日頃抱えているモヤモヤはどこへやら。大地の恵みである温泉に浸かれば、文字通り心身ともにすっきり。明日に向かう気力も湧いてくる。

食材はほぼ100%島産。この日は旬のハマチやカボチャが登場。ヒジキのドレッシングがアクセントに。
島の名物、隠岐牛や岩牡蠣は鉄板で調理したてをサーブ。

暖流と寒流がぶつかる豊かな海の幸、滋味深い島野菜や果物。素材の良さを表現した料理も土地の力をわけてくれる大切なご褒美だ。ほかのゲストや島の人と焚火を囲んだり、夜光虫観察のナイトクルーズに出かけたり、散歩やガイドツアーに参加したり。ジオパークの島旅を自分のペースで楽しんで。

〈Entô〉

朝食はシンプルに。飛魚だしの具だくさんの汁物や島の農家・山中さんのコシヒカリを。

別館「Annex NEST」と既存の本館「BASE」の2棟で構成。

住所:島根県隠岐郡海士町福井1375-1|〈地図〉
TEL:08514-2-1000
室数:全36室(本館「BASE」18室、別館「Annex NEST」18室)
料金:Annex NEST 1泊2名1室・1 名26,800円~(2食付き)
公式HP:https://ento-oki.jp/

※特集で紹介している宿の宿泊料金は、年末年始、GW、夏休み、お盆などのハイシーズンは変わることがあります。また、入湯税、サービス料の表記は各宿によって違いがあります。料金はあくまで予算の目安として、詳しくは宿にお問い合わせください。

photo : Keiko Kamba, Kentauros Yasunaga text : Mutsumi Hidaka edit : Ai Sakamoto

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