1. トップ
  2. おでかけ
  3. 韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

  • 2022.11.17
  • 4497 views

九州の北方、玄界灘に浮かぶ【対馬(つしま)】は長崎県に属する離島のひとつ。国内で最も韓国に近い島でもあり、島の北端から韓国本土まではなんと50kmほどしか離れていません。今回は、そんな対馬で見逃せない海産物や地酒などのご当地グルメ、荘厳で異世界のような雰囲気のある寺院、対馬の大自然の迫力を味わえる展望所など、さまざまな魅力をご紹介します。

島を代表するグルメは、アナゴとサバ

佐賀県呼子(よぶこ)のイカなど、日本全国の中でも特に美味しい魚介類の宝庫とされている玄界灘。そこに浮かぶ対馬も、もちろん新鮮な海産物の美味しさが自慢の島です。対馬周辺で獲れるのは、アジやタチウオといった定番の魚から、アカアマダイやアカムツ(ノドグロ)などの高級魚までさまざま。その中でも特に見逃せないのがアナゴです。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

アナゴといえば、天ぷらやお寿司に乗ってる煮穴子など、それほど珍しい食材とは言えないかもしれませんが、対馬はアナゴ(マアナゴ)を刺身で提供しているお店があるほど新鮮なアナゴが手に入りやすい環境。コリコリとした食感があり、あっさりした味わいのアナゴの刺身を対馬訪問の際には、ぜひ一度は試してみてくださいね。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

また、サバも全国的に食べられている魚の一種ではありますが、対馬のサバ(マサバ)は黒潮の影響で身が引き締まっており、食べ応え抜群。アナゴと同じく刺身で食べるのが最も美味しいとされています。提供される刺身に、まるで人工物かと思うくらいの光沢があるのも、特徴のひとつ。「伊奈さば」というブランドさばも対馬の特産品で、伊奈漁港で水揚げされる中でも質の高いものだけがそのブランドを名乗ることができます。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

お酒が好きな方には、対馬の地酒もおすすめです。お隣の壱岐島は、麦焼酎発祥の地でもあるほど、焼酎の島として有名ですが、対馬も負けてはいません。対馬には酒造が1軒だけあるのですが、焼酎に加えて日本酒や梅酒なども作っています。地元で獲れた魚と一緒に、地酒も楽しんでみてはいかがでしょうか?

神聖な空気感を味わえる「万松院」

対馬の中心地近くにある「万松院(ばんしょういん)」は、鎌倉時代から明治時代まで対馬藩主として地域を治めていた宗家の菩提寺です。自然と人工物が融合し、荘厳な雰囲気が漂っています。特に、百雁木(ひゃくがんぎ)と呼ばれる132段の石段は、見応え抜群です。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

▲石段の端には灯篭が並んでおり、思わず立ち止まってしまう迫力があります。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

石段を上りきった先は歴代藩主の墓所となっています。立派な石積みの壁や、対馬で最も樹齢の長いとされる大杉などがあり、異世界に迷い込んだような景色を見ることができます。国の史跡にも指定されている上に、山口県萩市の毛利家墓地、石川県金沢市の前田藩墓地と並び「日本三代墓地」のひとつとも言われています。対馬の歴史と豊かな自然を、同時に感じてみてください。

島情緒満点で、「国境」も感じられる景色?

対馬は湾になっている部分もありますが、島の周囲のほとんどはリアス式海岸となっています。断崖絶壁のような場所も多くあり、広く海を眺められると同時に大迫力の自然を満喫できるスポットも多いのです。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

島の南西部の先端に位置している「豆酘埼(つつさき)」もそんなスポットのひとつで、豆酘埼灯台周辺から見る絶景が人気となっています。海に突き出た岬の先端付近まで歩いていけるので、雄大な海の景色を存分に楽しむことができますよ。

逆に島の北側でおすすめなのは、北端付近に位置している「韓国展望所」です。広場にドンと建っている韓国の建築様式の展望所からは対馬の北側の海が眼前に広がります。冒頭で韓国との距離がかなり近いと紹介しましたが、島の中でも韓国側に建っているのが、このスポットなのです。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

そのため、天候や季節にもよりますが、タイミングが良ければここから韓国本土を見ることもできます。韓国の第二都市である釜山との距離が50kmほどということもあり、夜景や花火などが見えることもあるというとても珍しいスポット。日本という島国では、なかなか国境を意識する機会はありませんが、海の向こうに外国が見える対馬はまさに「国境の島」と言えますね。

対馬はそれほど知られていないのですが、国内でもトップクラスの広さがある離島です。奄美大島と同じくらいで、北端から南端までの距離は約100kmにも上ります。

韓国からほど近い国境の島【長崎・対馬】で珍しい刺身や地酒も味わう「島旅」を

車でも移動だけで2時間以上かかるので、訪問の際には移動に時間を取られて観光できなかった、とならないように要注意。数ある日本の離島の中でも、国境を感じられる珍しい対馬で、新しい魅力を発見する旅をしてみませんか? <text&photo:岡本大樹>

元記事で読む
の記事をもっとみる