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投資をギャンブルだと思っている昭和的な考えが老後貧乏につながるというリスクに気づかない日本人の非常識

  • 2022.11.12
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日本人は、投資経験が少ないといわれています。2021年度の2人以上の世帯における貯蓄の種類の割合を見ると、有価証券の割合は約16%にとどまります。

給与が上がらない今、投資は「将来の備え」になる強い味方です。今回は現在の日本での投資の重要性や、投資のメリットとデメリットについて解説していきます。

■日本は16%、米国は39.8%!投資に対する意識の違い

まずは、日本の家庭の「貯蓄」と「投資」の割合を見てみましょう。日本銀行によると、日本の金融資産構成では「現金・貯金」が54.3%と過半数を占め、「保険・年金・定型保証」が26.9%と続きます。一方、「株式等」を含む有価証券全体では16.0%にとどまりました。

対して米国では「現金・貯金」の割合が13.7%、欧州(ユーロ圏)では34.5%となっています。米国の「株式等」の割合は39.8%で、日本とは対照的です。

なぜ日本では投資が進まないのでしょうか。日本証券業協会の調査によると、証券投資が必要だと思わない人は、その理由として「損する可能性がある」「金融や投資に関する知識を持っていない」「ギャンブルのようなもの」「価格の変動に神経を使うのが嫌」と回答しています。

投資が「難しい」「なんとなく怖い」といったマイナスイメージは、認知度の低さや投資教育の少なさに起因しています。欧米では家庭や学校での投資教育が浸透しており、投資に対する意識も高いのでしょう。

■投資は「備え」と考えよう

先進国では平均賃金が右肩上がりに伸びている一方、日本はこの20年でほとんど変動しておらず、最低水準となっています。将来的にはさらなる物価上昇や消費税の増税で、資産価値が下がることも考えられます。銀行口座の預貯金だけでは安心できないのではないでしょうか。

リスクがまったくないとはいえませんが、投資はギャンブルとは異なります。また利益や儲けだけが目的の「投機」でもありません。

投資は、将来に向けて計画的にお金を増やしていくことです。資産価値が減る懸念もある中、預金や年金だけに頼るのではなく、計画的に資産を増やしていくことは、将来的な不安を軽減する上でも重要になります。

■投資の種類とそれぞれのメリットとは?

一口に投資といっても、リスクやリターン、投資期間など投資の種類はさまざまです。

たとえば、投資初心者や若者の間で利用が増えている積立投資は、小額から投資できます。小額投資は投資対象や地域、時間の分散ができ、リスクを抑えるメリットがあります。また一度銘柄を決めて設定すれば、初心者でも簡単に取り組めます。

企業が発行する株を購入する株式投資では、売買の差額で値上がり益が見込めます。また企業利益や持ち株数に応じて、配当金や株主優待を受けることができます。

■投資のデメリットと注意点とは?

一方で、デメリットも考慮する必要があります。投資においては、多くの金融商品で元本が保証されておらず、元本割れのリスクがあります。価格変動や金利変動、為替変動といったリスクもあり、利益が減少する可能性も否めません。

投資の種類によっては、多額の資金が必要になる場合もあります。

こうしたデメリットを抑えるためにも、投資方法や期間、金額を具体的に考えることが重要です。株式や投資信託などに投資する際には、リスクを抑えるため、銘柄や地域、時間などの分散投資が有効となるでしょう。

■まずは小額で実践から

欧米と比べて投資に対する意識が低い日本ですが、投資はギャンブルではなく、将来に向けて「備えるもの」と捉えることが今の時代に必要となってきています。

賃金上昇に期待できない今こそ、ライフプランを考えて将来的な収支を見直してみましょう。ある程度の知識は必要ですが、まずは実践も大切。初心者は小額の投資から始めて、慣れたら資金を増やしていくことも検討してみるとよいかもしれません。

※本記事は投資を情報の提供のみを目的としており投資または特定の商品を勧誘するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようお願いします。

参考:Ⅰ 貯蓄の状況 - 2021
参考:資金循環の日米欧比較
参考:証券投資に関する全国調査(調査結果概要)

文・岡本一道
政治経済系ジャーナリスト。国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事を執筆。

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