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【東日本橋】緻密な『猫の切り絵』でファンタジー成分補給!松風直美個展

  • 2022.11.11
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こんにちは! 三度の飯より猫が好き。 日常に潜むささやかな幸せ見つけちゃついばみ記す野良ライター佐伯プリスです。

世の中に猫モチーフの作品は数あれど、カッターひとつで魔法のように猫を切り出す「切り絵作家」松風直美(しょうふうなおみ)さんの個展『ハナサクヨルニ』が東日本橋のギャラリーで開催されます。

昨今の世情に疲れきった心が求めるファンタジー成分をたっぷりと補えそうな個展へのお誘いです!

テーマは『花にも生き物にも、夜には別の顔がある』

個展のタイトル『ハナサクヨルニ』のコンセプトは「私たちの見ていないところで、花びらを震わせながら会話をしたりみんなで輪になって踊ったり。そんなちょっぴり不思議な世界」とのこと。

松風さんの作品は日本のみならず海外でも評価されており、個展開催や賞を受賞されています。長年保護猫と暮らしておられ、モチーフとなるのも猫がメインの切り絵、ペン画も手がけられる作家さんです。 ※個展開催前のためメインイメージ写真以外は全て過去の個展のものになります。

出典:リビング東京Web

今回の個展のメインイメージ

切り絵で猫のしなやかさと美しさは表現できるのか

松風さんの作品からは猫そのもののしなやかさが感じられます。 「紙を切るというシンプルな技法でどこまで猫のしなやかさと美しさを表現できるか」という信念のもとに、ご自身の頭の中の猫のイメージを紙面に切り出す試行錯誤を繰り返し、そのたゆみない努力の結晶が個展で一斉にお目見えです。

一見すると「ペン画」と見まがうほどの繊細な線で構成されており、線のひとつひとつが「切られた紙」だとわかっていても目を疑ってしまうほどの緻密さで、写実的ではないのに「生命感あふれる猫」を感じさせます。

出典:リビング東京Web

過去の個展より (※今回の個展の出展作品ではありません)

出典:リビング東京Web

目の前で見ていても魔法のように感じられる作品の製作過程

筆者は大好きだった地域猫の「ひとひらきりえ」(※後述)をお願したことがあるのですが、完成した切り絵を受け取り、思いがけず涙がこぼれそうになってしまったことがあります。

ブレブレの写真1枚をお見せして(その猫はカメラを向けると近寄ってきてしまうため、まともな写真が一枚もありませんでした)、思い出話をお伝えしただけでしたが、まるでその猫を見たことがあるかのような表情をしており、毎日会えていた頃の記憶が一気に押し寄せてきたのでした。保護猫と長年暮らしている松風さんならではだと心から感動しました。

余談ですが、「作品で泣く」と言えば、松風さんご自身も愛猫に泣かされたことがあるそうです。好奇心旺盛な愛猫のワンパンチによって目の前で切り絵作品の細い線がプチッと千切れてしまったとのこと。製作に費やした膨大な時間と努力が一瞬にして無に帰したそうです。

猫はどんなに注意していても一瞬の隙をついてくる生粋のハンターでもあります。 人間の都合なんてお構いなしの性分に寛容になれなくては一緒には暮らせないので「可愛い」という理由だけで飼い始めないようにしなくてはなりません。ハンターの面倒を一生見る「覚悟」が必須です。

『日本の文字』は美しい絵画

作品には「文字」が含まれているもの多くあります。 それらは用件を伝える伝達手段の文字としてではなく、『美しい絵』のように作品のパーツとして表現されています。

松風さんは「日本の美しい文字を大事に残していきたい」という想いのもとにカッターを走らせるそうで、文字の意味がわかる私たちには視覚にも心にも余韻を残す作品に仕上がっています。

出典:リビング東京Web

参考作品(個展には出展されません)

出典:リビング東京Web

過去の個展より左側の猫が切り絵、右側の不思議の国のアリスはペン画

肉眼でしか確認できない「ある部分」の魅力

機械による大量裁断とは異なり、一本一本の線が手で切り出される「切り絵」には裁断面に、ごくごく微細なゆらぎが生まれます。 このゆらぎが作り出す陰影は、現物を見た者のにしか味わえない趣を生んでいます。 透明なアクリル板のフレームに挟んでライトを当てると影絵のよう浮かび上がるのも切り絵の魅力のひとつですが、その時により一層、機械の裁断にはない温かみが浮かび上がります。

出典:リビング東京Web

過去の個展より左側はペン画、右側は切り絵

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

過去の個展より

個展ならではの特別サービス「ひとひらきりえ」

個展では好きな言葉や名前、記念日などをその場でカットして「切り絵カード」にして頂けるセミオーダー実演「ひとひらきりえ」も実施されます。

時間はだいたい5分~20分程度、タイミングが合えば目の前で自分の希望した文字が世界的に評価されている松風さんのテクニックで生み出される瞬間の生き証人になれるというレアチャンス。そのお値段は驚くなかれの超お値打ち1,100円(税込)です。

※「ひとひらきりえ」実施は松風さん在廊の11月11~13日のみ。 ※在廊時間の都合により全てのオーダーに対応できるとは限らない事を予めご了承ください。

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

「ひとひらきりえ」は既に文字の入っている作品に希望の文字の追加も可能

出典:リビング東京Web

「ひとひらきりえ」のカード。筆者はハートの部分に希望の文字を入れて頂きました

出典:リビング東京Web

「ひとひらきりえ」のカード。余白に希望の文字を入れてもらえます

生きている猫と文字を、意思を持った猫を、物語のある猫たちを

松風さんが作品を生み出す原動力である「生きている猫と文字を、意思を持った猫を、物語のある猫たちを作ってゆきたい」という想いを感じ取るには現地に足を運んで作品を見るに限ります。絵画とはまた違った魅力をぜひ感じ取ってみてください!

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

過去の個展よりペン画作品

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

過去の個展より

出典:リビング東京Web

過去の個展よりペン画作品

出典:リビング東京Web

過去の展示作品

出典:リビング東京Web

過去の展示より。松風さんの猫イラストのタロットカード

『切り絵作家 松風直美 (Naomi Shoufu)さんの略歴』 1995 猫をモチーフに切り絵を作りはじめる 1996~ 伊勢招き猫まつりにて作品展示。以後毎年参加。 2003~16 猫と町屋のイベント「猫の宴」主催(滋賀・京都) 2012~14 PARIS NEKO COLLECTION参加(パリ)(2014 Discover Japan賞受賞) 2015 日本招き猫大賞受賞 ギャラリー猫町(東京)での毎年の個展をはじめ、ニューヨーク、パリ、上海などで も作品展示。

松風直美個展「ハナサクヨルニ」 公式Twitterhttps://twitter.com/nekonohikidashi 開催日時: 2022年11月11日(金)〜15日(火) 12:00〜17:00 作家在廊日11/11(金)~11/13(日) 開催場所:ギャラリー&ショップ「ねこの引出し」 住所:103-0004 東京都中央区東日本橋2-12-2 高田ビル1F 電話: 03-3862-2280 営業時間:12:00〜17:00 都営浅草線「東日本橋」駅B3出口3分 都営新宿線「馬喰横山」駅A4出口6分

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