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【美魔女ファイナリスト】日本人の伝統的な食文化。和食美からつながる美

  • 2022.11.10
美味しい料理に舌鼓

京菓子美魔女 谷川利恵子です。

南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
このような、「自然に尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食:日本人の伝統的な食文化」として、ユネスコ無形文化遺産に2013年に登録されました。
「和食」には4つの特徴があるそうです。

一つ目は〔多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重がなされている〕
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で四季折々の地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術、調理道具が発達しています。

二つ目は〔健康的な食生活を支える栄養バランスが出来ている〕
先日お話しした一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。

三つ目は〔自然の美しさや季節の移ろいの表現で視覚も豊かに食事の場で自然の美しさや四季の移ろいを表現している〕季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。

〔四つ目は正月などの年中行事との密接な関わりが深い〕
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

食材を活かし、健康的で美味しく、見た目も美しく、季節を感じさせる和食は、私は和菓子と相通じるものがあると思います。先人の培った伝統的な歴史と文化に、少しずつ時代のニーズに合わせて季節感を大切に新しいものを加え、それを次の世代に繋いでいく一人の担い手となることが私の今の置かれている立ち位置だと感じております。またその責任を全うしなければいけないと思います。

それにはまずお客様を味覚と視覚で笑顔にすることが大切だと感じます。
和菓子は「季節の暦」と言われ、四季折々の美しさを表現しており、定番商品もありますが、その他にその時期の旬の食材を使用し、味や見た目からも季節を感じさせてくれる和食とともに趣の深いものであります。

いつの日か和菓子もユネスコ無形文化遺産に登録されることを切に願います。そのためには古き良き伝統を守りながらも新しいものを取り入れて、ひとつずつあらゆる人に、そして世界中の人に理解されるよう精進したいと思います。

京都丹波産 松茸
【室町和久傳さんでのお食事】

今回、ご縁があり室町和久傳さんに主人とご招待して頂きました。和久傳さんの歴史は明治3年に遡ります。ふるさとは京都府の北部、京丹後。日本海をのぞむのどかな里山です。名前の由来は、和やかに、久しく、傳(伝)える。素敵なお名前です。 今回のお料理も季節感をふんだんに感じられる素晴らしい素材を生かしたお料理の数々でした。特徴は素材そのものの味を大事にされているところです。お刺身を頂いた時に特に気づいたのですが、普通は醬油をつけて頂きますよね。それを煎り酒という梅の風味が効いてさっぱりした美味しい調味料で頂きました。これが醬油の味を感じず、素材そのものの味が味わえて本当に美味しいです。そもそも醬油は昔からあるものではなく、江戸時代くらいから普及し始めたそうです。 煎り酒という調味料は室町時代から作られていたそうです。

甘鯛のお造りと煎り酒
お品書き
成相焼(松茸鱧)

暑い夏が終わり朝晩の気温が低くなる頃、山の幸は旬を向かえます。産卵を終えた鱧は、冬に向けて栄養を蓄えます。食欲を増した鱧は身がふっくらとして深い味わいがあり、松茸との相性が最高でした。たくさんの松茸を鱧で巻いたお料理です。その脂ののった鱧を炭火で長時間焼くことで、松茸が旨味を吸込み、素晴らしいお味でした。お出汁でたいた梅のタレをつけるとより美味しかったです。

[和食美からつながる美と和菓子】

今回素晴らしいお料理を見て、食べて、本当に勉強になりました。素晴らしい書で書かれたお品書きから始まり、季節を感じるお料理、素材そのものの味を感じれる調味料。日本人の和の心をあらためて感じました。 和菓子もお料理につながると、主人と二人共によい勉強をさせて頂きました。これからも色んな所に出向き、色んな物を見て和菓子につなげていきたいと思います。そして美しさには共通点もあると思います。美しい物に触れる機会を増やして自分自身の美にもつなげていきたいと思います。

主人と一緒にご招待
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