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【宮城県加美町】芸術の秋にぴったり!手仕事の魅力が楽しめる「工藝 藍學舎」

  • 2022.11.3
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こんにちは。加美町地域おこし協力隊のkamichiです。

加美町は随分と秋も深まってきて、朝晩の冷えが厳しくなってきました。この時期にこんなに寒いのか…と九州育ちの私は驚きを隠せずにいますが、あっという間に終わってしまいそうな秋を楽しんで過ごしたいと思います。

そして、秋と言えば芸術の秋!ということで今回は加美町のおすすめスポットであるギャラリー「工藝 藍學舎(らんがくしゃ)」さんをご紹介します。

工藝 藍學舎

東北を拠点とする作家さんを中心に、全国の作家さんの工芸作品を扱っているギャラリーで、私もお休みの日に度々おじゃましている好きな場所の一つです。

今回は、店長の笠原冬実さんにお話を伺ってきました。

オーナーは加美町小野田出身の染織作家、笠原博司さんです。小野田にある「はた織伝習館」で染織教室も開校されています。

出典:リビング仙台Web

10月の企画展では、笠原さんと漆工藝作家の小野寺公夫さんの「二人展」が開催されていました。

ギャラリーは中新田の花楽小路商店街からほんの少し離れた通りにあり、一見教会かと思ってしまうような重厚な建物が特徴的です。

出典:リビング仙台Web

工藝藍學舎さんの外観です。目を惹く建物で、思わず立ち止まってしまいます。

趣ある建物の歴史

こちらの建物、実は90年以上前に醤油蔵として建てられたものだそうです。その後は、現代詩人の宗左近さんから旧中新田町(現・加美町中新田)に寄贈された縄文土器約200点を展示する「宗左近記念縄文芸術館」として約30年間使用されていました。

宗左近さんは、旧中新田町の町歌の作詞依頼をきっかけにご縁がはじまり、町の文化振興にも大きく貢献された旧中新田町にゆかりのある方なのだそうです。

宗左近記念縄文芸術館は「縄文を考古学資料ではなく、縄文人の芸術文化としてとらえてほしい」という宗左近さんの思いを受けて、それぞれの展示作品に短い詩を添える等、一般的な博物館ではなく芸術館としてのメッセージを発信されていました。

しかし、建物の老朽化が進み令和元年に芸術館は閉館。数年間空き家となっていました。

そこへ、30年間中新田の別の場所でギャラリーを営んでいた藍學舎さんが、一年前に移転・リニューアルオープンされ現在に至ります。

宗左近記念縄文芸術館の展示作品の一部は中新田図書館に移され、縄文土器と宗左近さんの著書を展示する「宗左近記念縄文芸術室」が開室されています。私も初めて知ったことだったので、今度中新田図書館へも行ってみようと思います。

出典:リビング仙台Web

作家さんが作られたオリジナルのフィギアは藍學舎さんの歴史感じる建物を再現されています。

唯一無二の作品と出会える場所

藍學舎さんが現在の場所に移転するにあたり、建物もリノベーションされています。「作家さんの作品が映える」「来た人が心地よい空間になるように」と考えられてリノベーションされた店内は、確かにとっても落ち着く空間です。 私も藍學舎さんへ訪れた際にはついつい長居してしまいます。

出典:リビング仙台Web

作品をじっくり見ることができる雰囲気です。

常設展示では、青森県から沖縄県までの作家さん約50名の工芸作品が展示されます。また、月に一度企画展を開催されていて、企画ごとにギャラリー内の雰囲気も変わっていきます。

出典:リビング仙台Web

11月の企画展は3日(木・祝)~13日(日)に開催です。

出典:リビング仙台Web

様々な分野の作家さんの作品が展示されます。

展示作品は作家さんが藍學舎さんへ持ってくることもあれば、藍學舎さんが作家さんを訪ねに行き作品を集めていることもあるそうです。 また、作家さん同士の口コミで藍學舎さんを紹介され交流が始まることもあるそうで、作家さんからの信頼も厚いギャラリーなのだなと感じました。

常設作品の中から、ほんの少しだけですが作品をご紹介しますね。

出典:リビング仙台Web

大正八年創業のホームスパン工房、中村工房さんの作品です。

出典:リビング仙台Web

巻いてみると、出てくる部分の色によって雰囲気がガラッと変わります。

出典:リビング仙台Web

岩手を拠点に活躍される雪ノ浦祐一さんの作品。こちらはリンゴの木の灰を釉薬に使っているのだそうです。

出典:リビング仙台Web

以前ご紹介した稲わら畳を作られている艸々庵の佐々木崇さんと、木工作家の齋藤秀樹さんのコラボスツールです。畳と木の自然な風合いが素敵です。

取材中に私が気になった作品についてお伺いすると、作家さんのことや作品の特徴などとても詳しく説明していただきました。説明を伺っているとより一層作品の魅力を感じることができて、もっと作家さんや作品の事を知りたくなってきます。

そんな冬実さんご自身が持つ手しごとへの愛情が、作家さんからも信頼されているギャラリーである理由の一つなのではないかと思いました。

そして冬実さんがお話されていたのは、人の手しごとの良さを知ってもらいたい、作品を見て触れるだけでなく、暮らしに迎えていただけたら何より嬉しい、ということでした。

それぞれの作家さんの思いやこだわりが詰まった作品を暮らしの中に取り入れると、何気ない日常でもなんだか特別な時間が過ごせるような気がします。

同じように見えて一つ一つ作られた異なる作品。藍學舎さんは、自分にとって特別な唯一無二の作品が見つかる場所だと思います。 加美町に訪れた際には、ぜひ藍學舎さんへお立ち寄りくださいね。

DATA

工藝藍學舎 宮城県加美郡加美町字南町186-1 HP:https://rangakusha.jp/ インスタグラム:https://www.instagram.com/rangakusya2782/

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