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青柳文子のサステイナブル放浪記。

  • 2022.10.30
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モノづくりの過程や再生方法だけに目が向きがちだけど、国産を使うだけでもCO²削減かもしれない。海外に学び、自国を見直す、ボーテスターの思考に触れて。

Fumiko Aoyagi @aoyagifumiko女優/モデル雑誌ほか、映画、TVドラマ、CM、アーティストMVなど多方面で活躍。さまざまな分野で才能を発揮し、同世代女性たちの支持を集める。2児の母となり初のフォトエッセイ集『あか』(三栄刊)を発売。

4月○日デンマーク・コペンハーゲン

子どもの学校をどこにするか、海外の様子も見たくて、子どもふたりと出発。無事到着したけどエレベーターのボタン、どこ押すの!?わかりやすさを求めないデザインの美しさにまず度肝を抜かれた。電車に乗ったら自転車用の車両があって、道路には自転車レーン。都市で脱・車社会=脱・炭素ができててすごい。

宿は郊外の普通の一軒家だけど、家庭菜園があり、鶏を飼って卵をとっている。ロウソク文化だから部屋の中は暗いけど、そうか、電気使わない暮らしにすればいいのか。

住宅街どこでも庭の木を回収するコンテナが。それだけ庭が広くて自然が多い、ということ!

自治区のクリスチャニアバイクを発見して感動。

公園に行くと……とにかく地味。よく見ると、木材や廃棄物を利用した遊具が多く、地面は高低差のある芝生で砂地は粒が細かくてやわらかい。転ばないよう平らにするのではなく、転んでもいいような造り。

どの公園に行ってもカラフルな遊具はなく、木製で地味。

ショッピングモールの授乳室に寄ったら、超広くてウェグナー風のイスがあるステキなインテリア。子育てに幸せを感じる!当たり前だけど、美しいデザインの中で暮らすと生活は豊かになるわけで、日本も緑化や都市計画にデザインの予算をもっと割くべきじゃないだろうか。

それにしても東京の過密さとは大違い。東京は都市としても人間としても全然サステイナブルじゃない。ライフスタイル、考えさせられる。

ランチのサンドイッチは紙に載せただけ。飲み物はビン。よってゴミが少ない。

屋上を緑化している学生寮。太陽光パネルも多かった。 

5月△日オランダ・アムステルダム

学校を見学しに、陸路でオランダへ移動。車窓から見える山がひとつもない平らな土地に衝撃を受ける。日本は山も谷も川も海もあるから、食べ物が豊かなんだな、と気付く。自国だけで循環できるのに、輸入に頼って大丈夫なのかな。国も国民も「安いことがいい」っていう価値観で貧しくなっている。日本の自然環境をもっと大切にしなければ。

街中の市民農園へ。園内に住めるシステムがあるらしく、家屋がみんな可愛い。

アムステルダムは、公園でただ座っておしゃべりしてる人たちを見てもハッピー感がすごい。子どもの幸福度世界一の国といわれる理由は、大人がチルアウト上手だからなのかも。「ニクセン(何もしない)」という言葉があって、その時間にこそアイデアが生まれるという共通認識があるそう。だからなのか、夏休みは宿題がない。教科書もないらしく、とにかくどの学校も楽しそう!

5月□日スウェーデン・ストックホルム

スウェーデンも選択肢になるかもと、空路でストックホルムへ。

H&Mを覗いたら、子ども服売り場にお絵かきコーナーがあって、ロシアに向けて「戦争反対」とか、「サポートプライド」「気候変動止めよう」など子どもが描いたメッセージが壁にびっしり貼ってある。スーパーで子どもに買うジュースパックの裏に、リサイクル方法のヒントや「ハチさんを守ろう」というメッセージが書いてある。つまり、幼い頃から教育がされているってこと。

子どもたちが描くメッセージを見て「日本にも自分にも誇りを持ちたい」と思った。 

ヨーロッパにいると「信用する」文化を感じる。規制しないことで各自に任せる、自己責任が生まれる。信用されると自信に繋がり、人間性にも関わってくる。日本人は責任を負いたくないから、忖度し合って無駄が多い。過剰包装もその一例。ルールを守るだけで、考える力を放棄してしまっている。サステイナブル=モノに陥りがちだけど、モノはその考え方の表れ。だから、未来をつくる人の教育が本当に大事!帰国しても考え続けるし、少しずつでも発信していこうと思う。

インテリアショップでも養蜂箱を販売。

ヴィーガンやオーガニックの調味料。キッズミールもヘルシーだった。

*「フィガロジャポン」2022年11月号より抜粋

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